刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

タグ:東京都

 1階の刀剣展示室が厚藤四郎の展示が終わった後行っていなかったので行ってきました。特に下調べをしないで行ったのですが、特集展示の後藤一乗の刀装展示も開催中でとてもよかったです。

《行った場所》
○東京国立博物館
・太刀 銘 備前国友成作 国宝
・短刀 銘 吉光(名物 岡山藤四郎
・太刀 銘 雲生 重要文化財
・太刀 銘 包永 重要文化財/姫路神社蔵(兵庫)
・太刀 銘 長光 国宝 
・太刀 銘 備前国長船長義
・刀 切付銘 朝倉篭平切太刀也 天正三年十二月(以下切) 
        右幕下御摺上大津伝十郎拝(以下切)(名物 籠手切正宗
・太刀 銘 備州長船秀光 承応元年 月日
・短刀 額銘 久国


(○資料館)
 刀剣に関する資料を読みたくて、東京国立博物館内にある資料館を利用しました。平日の9:30~17:00しか開館していないので、なかなか行けなかったのですが、先日休みができたので行ってきました。月曜日だったので西門から入ったのですが、名前、連絡先、入退館時間記入して名札をつけるという徹底ぶりに驚きました。
 5時間ぐらい滞在したのですが、特に気に行った資料が日本刀大百科事典です。消失した名物刀剣の造りが書かれていたり、享保名物帳だけでなく、あらゆる記録に載っている名物刀剣がまとまって書かれています。事典なので「あ」から順番に読んでいたのですが、全然読み終わらず閉館時間を迎えてしまいました。また平日に休みができたときは行きたいと思います。

 地元の図書館で借りられた国宝・重要文化財全集の6巻も、多くの刀剣の写真が見られてよかったです。情報が古いのもありますが、1月に刀剣乱舞がサービス開始してからニュースになった、行方不明の高麗鶴光忠も載っていました。所蔵者の名前まで載っていたのでググってみましたが、ある会社の社長さんがヒットしたのでこの方かなと思いました。ただ現在は行方不明なのでおそらく所有者が変わって以降把握されていないのでしょう。少なくとも平成10年までは把握されていたのにと思うと、とても残念です。高麗鶴光忠は、大百科事典曰く、光忠ではなく守家の作ではないかと書かれていて、本当に刀の存在というのはあやふやだなと思いました。

 他に資料館で見られた図録では、平成8年の秀吉展で展示されていた竹中半兵衛光忠というのが気になりました。こちらも個人蔵だったので現在はどうなっているかわかりませんが、また展示されないかなと思います。



《感想》
 今回は休日でもそこまで混んでいなかったのでじっくり写真も撮れました。ミュージアムショップの刀剣スペースが来るたびに増えていておもしろいです。つい最近開催した他の施設の展覧会の図録も販売されているので、できればもっといろいろな施設のものが増えてくれたらなと思います。
 この記事を書いているときには、獅子王の展示も始まっているので、早く行きたいと思います。


《今回の一振》
 今回は籠手切正宗です。本当に正宗の刀かは微妙なようですが好みでした。樋の入り方や全体のバランスからして、かなり摺り上げられたのかなと思いましたが、調べてみたところ100cmぐらいあったそうです。



DSCF3093
DSCF3094

DSCF3097
DSCF3096












 備前刀剣王国の第二期に行ってきました。第一期も行き、佐野美術館も行く予定なので今回は図録を購入しました。

《行った場所》
○刀剣博物館
主な刀剣
・刀 無銘 (金象嵌銘)波およぎ末代剱兼光也 羽柴岡山中納言秀口所持之(名物 波游兼光) 重要美術品/㈱ブレストシーブ蔵 
・刀 (金象嵌銘)基光 重要美術品/佐野美術館蔵
・太刀 銘 備州長船倫光 特別重要刀剣/個人蔵
・太刀 銘 備州長船住元重 建武元年九月日 特別重要刀剣/個人蔵
・薙刀直し太刀 銘 備前国長船住長義 特別重要刀剣/個人蔵
・小太刀 銘 備州長船家重 応永六年三月日 個人蔵
・太刀 銘 備州長船秀光 永徳□年八月日 重要刀剣 ㈱ブレストシーブ蔵
・小太刀 銘 備州長船自光 永徳二年二月日 重要刀剣/個人蔵
・太刀 銘 備州長船盛光 応永十二年八月日 特別重要刀剣
・刀 銘 備前国住長船与三左衛門尉祐定作 天文ニニ年二月吉日 重要美術品 個人蔵
・刀 銘 備前国住長船五郎左衛門尉清光 天文廿四年八月吉日
                
                      他多数

《感想》
 刀剣博物館は、刀剣を見られる博物館としては、一番好きかもしれません。今回は審神者らしき方は見かけませんでしたが、ほどほどの人出で見やすく、展示の数が多いので何度も足を運びたくなります。目録に刀剣の長さはありますが、反りが書いてないので、展示パネルにでも書いてあるといいなと思いました。
 受付のところに刀剣春秋の紙が置いてありました。以前致道博物館でもいただきましたが、展示情報や鑑定クイズなど読み応えがあるので、定期購読も考えます。最近鑑定も興味があるので、簡単なものだけでもわかるようになりたいなと思いました。


《今回の一振》
 今回は波游兼光です。図録にのっている写真もとてもよかったのですが、やはり実物は迫力がありました。剣に向かって彫られているのを下がり龍というのを初めて知りましたが、龍も細かく、大きく彫られていて良かったです。佐野美術館でも展示されるようなので楽しみです。隣に享保名物帳の波游兼光が載っているページが開いて展示されていたのですが、池田光忠などの刀がいくつか書かれているのが読め、他のページもぜひ読みたいと思いました。


 展示内容が変わったために行ってきました。前回の三日月宗近展示のときは、結局計4回ほど足を運びました。平日の閉館間際に行ったときは、人も少なくのんびり見られたのですが、最終日前の休日閉館間際に行ったら行列がとてもすごかったです。
 ということで今回も平日の夕方を狙って行きましたが、ほどほどの人だったので見やすかったです。

《行った場所》
○東京国立博物館
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 厚藤四郎国宝
・太刀 銘 吉房(号 岡田切国宝
・刀 無銘 貞宗(名物 切刃貞宗重要文化
・小太刀 銘 長光(名物 蜂屋長光重要文化財
・太刀 銘 豊後国行平 重要文化財
・短刀 銘 国光 重要文化財
・短刀 銘 備中住次直作 延文三年十一月日 重要文化財
・脇指 銘 奉富士本宮源式部烝信国 一期一腰応永亖年二月日 重要文化財、富士山本宮浅間大社蔵(静岡) 
・太刀 銘 来源国俊作 元応三年正月日 
・刀 銘 相州綱広
・大身槍 銘 備州長船忠光 長享三年二月日          
                               他多数


《感想》
 厚藤四郎を見に行きましたが、確かに短刀にしては厚みがありました。写真ではあまりわからないところなので、実物をみるととても勉強になります。岡田切は刃文のあまりの派手さに思わず笑ってしましました。
 閉館前に行ったため、この日は2階の刀の展示を見られなかったのですが、後日見たのをまとめて書いています。


《今回の一振》
 今回は蜂屋長光です。小太刀なので、太刀とは形が全然違うので新鮮でした。太刀に見慣れていると、茎が短くてアンバランスな印象をうけます。茎や銘を見るのが好きなのですが、銘は写真に撮るときピントがあわせずらいし、きれいに写すのが難しいなといつも思います。

DSCF2323



















DSCF2324



















DSCF2326

 表参道にある根津美術館に行ってきました。所蔵しているたくさんのコレクションの中から江戸のダンディズム展を開催中でした。新刀が多かったのですが、凝ったものばかりで楽しめました。

《行った場所》
○根津美術館
主な刀剣
・太刀 銘 長光 重要美術品
・短刀 銘 城州埋忠作/天正十八年十月日
・脇指 銘 伊賀守金道
・脇指 銘 信濃守国広 慶長十亖年二月日
・脇指 銘 和泉守国貞
・脇指 銘 越前守助広/以地鉄研造之
・脇指 銘 粟田口近江守忠綱彫同作/宝永二年八月日
・脇指 銘 播磨大掾藤原重高/越前住
 倶利伽羅龍の透かし彫りがはいっていました。透かし彫りは初めて見たので感動しました。
・太刀 銘 月山貞一造之/明治三十六年春
 小烏丸の写しでした。いつか本物を見たいものです。                         他多数


このほか拵や印籠、書物以外にも、青銅器や茶道具など本当にたくさんのコレクションを見られました。

《感想》
 表参道駅を利用したのは初めてでしたが、とにかくチェーン店等がなく、お昼を食べられそうな場所がありませんでした。なので美術館の中のレストランでお昼を食べましたが、おいしくて雰囲気もある店内でした。入口を見たときあまり広い印象を受けなかったのですが、中に入ってみると庭園もあり、とても広い敷地に立っていました。
 刀剣以外では、青銅器の展示がおもしろかったです。刀剣が多く作られていた12・3世紀でもすごい昔だなと思っていましたが、展示されていた青銅器は紀元前12・3世紀に作られたもので、しかもかなりの大きさのものがきれいに残っていました。刀剣もきれいに保存されているものと、そうでないものがありますが、昔からのものがきれいな状態で見られるというのは、本当にすごいことだなと感じます。いろんな刀を見るたびに、きれいに保存していただいた方々に感謝の気持ちがわいてきます。


 備前刀剣王国を開催中の刀剣博物館に行きました。前回4月に来たときよりも、やはり女性が増えていました。ちょうどテレビの取材が入っていて、インタビューを依頼していましたが、皆さん断っていました。テレビにはあまり映りたくないですからね。

《行った場所》
○刀剣博物館
主な刀剣
  ・太刀 銘 友成作 重要美術品
  ・太刀 銘 正恒 重要文化財
  ・太刀 銘 利恒 重要美術品/佐野美術館蔵(静岡)
  ・太刀 銘 信房作 重要文化財
  ・太刀 銘 則宗 特別重要刀剣
  ・太刀 銘 則成 重要美術品/個人蔵
  ・太刀 (額銘) 吉房 重要文化財/東郷神社蔵(東京)
  ・太刀 銘 助真 重要美術品/個人蔵
  ・太刀 銘 光忠 特別重要刀剣
  ・太刀 銘 長光 重要美術品/佐野美術館蔵
  ・短刀 銘 備州長船景光 正慶元年十月日 特別重要刀剣/個人蔵
  ・太刀 銘 備前国長船住真長造 嘉元二年三月日 重要美術品/個人蔵


《感想》
 刀剣博物館は本当に展示内容が盛りだくさんです。たくさんの刀剣、ほどほどの人出、刀の造りの解説など、ちょうど良いバランスだと思います。
 今回は前期ということで、平安・鎌倉時代の刀の展示でした。古い刀は厚みのある感じが好みで、とても楽しめました。個人的に好きな、家紋が入った鎺がいくつか見られたのは良かったです。後期が始まったらまた行きたいと思います。

↑このページのトップヘ