桜がかなり咲いてきたこの時期に行ってきました。天気が良い昼間だったので上野駅はものすごい人混みでした。人を避けたいのであれば桜の時期は鶯谷から行ったほうが良いでしょう。博物館内も全体的に人が多かったのですが、刀剣の展示場所だけを見ればいつもよりじっくり見る人が少ないため空いている印象です。

《行った場所》
○東京国立博物館
・直刀 無銘(号 水龍剣重要文化財
 奈良時代に作られた直刀です。直刀は神社の宝物館などでたまに錆びついたものを見かけますが、きれいな状態を見られるのはあまりないのでとても良かったです。鎺の造形がきれいでした。
・太刀 銘 康次 重要文化財
 古青江派の刀工の作品でかなり長い刀です。縮緬肌が特徴ということで、地鉄はまだまだ理解できていないのでとても興味深く見られました。
・太刀 銘 国安
 後鳥羽院の番鍛冶だった国安の貴重な在銘作品らしく、価値のあるのになぜ文化財指定がされていないのかなと少し疑問に思いました。
・太刀 銘 包永 重要文化財 個人蔵
・太刀 銘 吉宗 重要文化財、筑波山神社蔵(茨城県)
・太刀 銘 長光(号 大般若長光国宝
 丁字刃に互の目交じりの刃文がとてもわかりやすいです。以前見た蜂屋長光もですが、全体に対して茎が短めなため、全体的に短い印象をうけます。
・刀 無銘(名物 観世正宗国宝
 正宗の刀らしくとても迫力を感じました。刃文がくっきりと見えすぎて逆に違和感を感じるぐらいです。鎺の梅(桜?)の彫物がとてもきれいでした。地鉄にうずまき状のものが見られました。以前このうずまきができたものはあまり良くないと聞いたことがあるのですが、あいまいです。
・刀 無銘 郷義弘 重要美術品
 以外と見る機会が少ない郷の作品です。のたれの刃文ですが不規則でどこを見てもおもしろいと思いました。
・太刀 銘 備中住守次作 延文二年十二月日 重要文化財
 かなり長く迫力もあり、磨りあげられていない南北朝の刀というのがよくわかりました。茎がかなりカーブしているのが特徴的です。
・脇指 銘 南都住金房兵衛尉政次 天正十八年八月吉日
 皆焼の刃文でとても派手です。
・刀 銘 上総介藤原金重 寛文八月十一月吉日 個人蔵 
 数珠刃風の互の目とありました。写真が禁止だったのが残念ですが確かに数珠っぽいと思いました。
・刀 銘 川部儀八郎藤原正秀 (花押)寛政十年二月廿九日

・太刀 銘 弘 重要文化財
 弘はあまり聞かない名前ですが、一文字派の刀工と考えられているそうです。反りがかなり強くみえます。
・太刀 銘 雲生
 こちらも備前の刀工である雲類の作品です。きれいに銘がのこっていて雲という字もよく見えます。小さくて丸っこくかわいらしい銘だなと思いました。
・短刀 銘 備州長船住兼光 重要文化財
 島根県の津和野藩亀井家が鳥取県にある大神山神社に奉納した刀だそうです。


《感想》
 東京国立博物館は、刃文がとても見やすく研がれていて、解説に刃文や地鉄のことをのせているのでとても勉強になります。さらに一部を除いて写真にも残せるということで、うまく撮れれば後から解説と写真を見比べることもできます。刀剣鑑賞初心者が気軽に訪れて勉強するにはもってこいだなと思います。
 昨年の29日に初めて刀剣を見に博物館を訪れ、ちょうど一年が経ちました。東京国立博物館はこの一年で数えられないほど訪れましたが、今年も年間パスポートを使い気軽に訪れ勉強したいと思います。


《今回の一振》
 今回は手掻派の包永の刀です。
佩表が細直刃、佩裏が乱刃で展示で見られたのは乱刃でした。裏ものぞいてみましたが、光が当たらないため刃文はほとんど見られませんでした。包永の銘があり、徳川ミュージアムの児手柏とほぼ同じ位置でした。

児手柏
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今回展示している太刀
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児手柏は刃文の記録が残されていないそうですが、表裏の刃文が違うのも同じなので、児手柏が燃えていなかったらこのような姿だったのかなと思いました。反り方がかなり違うのでそこも興味深いです。