刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

カテゴリ: 山形県

 致道博物館で開催された「目で見る刀の教科展」に行ってきました。前回信濃藤四郎を見たのは2年前の9月で、米沢で五虎退を展示しているときでした。刀剣乱舞での信濃藤四郎はその後の4月に実装したので、まだ実装前だったのが懐かしいです。当時は五虎退と信濃藤四郎はよく似ているなと思いました。今回も吉光の短刀を2振そろって見比べることができてとても勉強になりました。
 乱藤四郎がこの土日限定の展示だったのでこの日にしましたが、乱藤四郎は2年前の5月に大阪歴史博物館で展示されていたとき以来なのでさらに懐かしいです。そのときはまだ刀のことをよくわかっていなかったので、今回は初めて見たような心地でした。
 前回は米沢と鶴岡をはしごしましたが、今回は山形駅と合わせて行くことにしました。移動に時間はかかりましたが、JRの土日パスのおかげでかなり安くまわることができました。


《行った場所》
○霞城公園
 山形駅にある山形城跡の霞城公園に行きました。とても広い敷地内に博物館や体育館、野球場などがある総合公園になっています。中央にある本丸御殿跡は現在発掘調査中で、橋や土塀が復元されてきているなど現在進行形で整備されています。今後は運動施設を撤去して平成45年を目安に史跡としての整備を進めているそうで、これからが楽しみです。

○山形県立博物館
 山形の自然環境に関する展示が豊富です。前回訪れた宮崎と同様、動物の剥製がたくさんありました。平成24年に国宝認定された縄文時代の土偶は、縄文の女神という名前の通り他とは違う特徴的な土偶でした。かなり大きめなのも興味深いです。

○最上義光歴史館
 展示量はそこそこ多く施設もきれいなのに入館料が無料な施設です。刀もたくさん展示されていてとてもよかったです。展示位置は遠めですが、角度がとても見やすくていいなと思いました。
主な刀剣
・短刀 銘 則国 重要美術品
 粟田口らしい肌といい刃文の感じといい、とても好みな刀です。
・短刀 銘 備州長船住景光 元徳三年五月日
・太刀 銘 一 備前国吉(以下切) 嘉暦二(以下切)
・太刀 銘 藤光 元和元□□月十□日 給之兼松又四郎源吉政
 舞草刀だそうですが独特な姿をしているおもしろい刀だなと思いました。
・刀(朱銘)来国次
・刀 無銘 元重
・太刀 銘 備□長船盛重(号 吉野川
・刀 銘 月山正信作
 綾杉肌がよくわかります。肌に目がいくぶん刃文は控えめです。
・太刀 銘 八幡宮奉納源家親 出羽国酒田住兼高作 山形市指定有形文化財
 100cmを超えたいかにも奉納刀といった大太刀です。大きな奉納刀は展示替えをするような施設ではあまり展示をしないので、この長さのものを見る機会というのは意外と少ないなと思いました。
・脇指 銘 池田一秀入道龍軒 文政十一年二月日遠茂政所佩刀
・脇指 銘 備前國住長船祐定作 天文六年八月日


○致道博物館
 この日は特別に夜8時まで開館していたため、山形から鶴岡に移動して18時半ごろに博物館に行きました。昼前後は待機列も長かったようですが、夜はあまり待たずに見ることができました。18時からの講演会を展示室内で行っていて、列に並びながら話を聞くことができました。講演会は有備館、薬師寺、佐野美術館で聴いたことがあり今回の致道博物館で4回目ですが、本当に全国でイベントが開催されているんだなと感じました。以前、所持している刀を小倉で展示をしたいというようなことを伺ったので、それが実現したらいいなと思います。すでに財団の刀剣はたくさん見ているはずなのですが、毎回初めて見る刀がたくさんあるのがすごいです。目録がなく、所持刀剣の一覧表もないので、今後の参考に展示していたものの一部になりますが書き出したいと思います。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 乱藤四郎
 よく見る吉光の短刀とは全然違う姿をしているのがよくわかりました。刃文よりも帽子が腰元までずっと下がっているのが特徴的でとても気になります。すごく短いというほどではないですが、かなり細身だなと感じました。一見しただけでは吉光の作だと気づかないと思います。
・短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎重要文化財
 こちらは打って変わっていかにも吉光な姿だと思いました。展示位置がかなり近いので、肌も肉眼でよく見えます。個人的にはこのバランスの短刀が好きです。
・脇指 銘 宝寿 重要刀剣
・脇指 銘 近江大掾藤原忠広
・短刀 銘 国吉
・刀 無銘 兼光 重要刀剣
・脇指 無銘 則重 重要刀剣
・短刀 銘 村正 重要刀剣
・短刀 銘 正真
・刀 銘 月山正信作 鶴岡市指定文化財
・刀 折返銘 備前国長船住元重(号 見返り元重) 重要文化財
・刀 勢州桑名住村正作 (銀象嵌)梵天 重要刀剣
・刀 銘 平安城長吉(号 倶利伽羅長吉重要刀剣
・刀 銘 清磨(号 叢雲
・刀 銘 長曽祢興里入道虎徹 重要刀剣
・刀 銘 □州会津住兼元
・薙刀 銘 同田貫正国 重要刀剣
・刀 銘 兼元(号 二念佛兼元重要刀剣
・刀 銘 以南蛮鉄於駿州越前康継 濃州所生藤原小刑部自珍

以下は昨年4月の薬師寺での展示でも確認できたものです。
・刀 折返銘 正恒 特別重要刀剣
・太刀 銘 安綱 重要刀剣
・太刀 銘 行正 元治元年 重要美術品
・刀 銘 豊後国行平 重要刀剣
・短刀 銘 村正(号 群千鳥
・短刀 銘 左筑州住 重要刀剣
・刀 勢州桑名住藤原村正作 重要刀剣
                  他多数


《感想》
 前回行けなかった山形駅周辺を見ることができてよかったです。4日は生憎の天気でしたが、スタンプラリーを全部まわることができました。歩いて行ける近い範囲に全部そろっているのは助かります。特に大宝館の鶴岡ゆかりの人物に関する展示がおもしろかったです。
 財団の刀の展示はいつも混雑しているときにしか行かないせいか、数がたくさんあるためか、一本一本と向き合って見ることがなかなかできません。自分のメモを見ても、きれい、好き、細い、長い、肌きれいなどパッと見の印象しか記録できていないのが残念です。ぜひ東京など近場で展示をしてくれることがあれば、空いているときにじっくり見たいです。

《今回の一振》
 今回初めて見たものの中で一番印象に残ったのは、平安城長吉作の倶利伽羅長吉と呼ばれる刀です。草の倶利伽羅龍が好きだからというのもありますが、全体のバランスもとても好きです。長吉の名前はよく聞きますが、自分の記録を見返していて、あまり見ていないとわかって意外でした。



 米沢の上杉博物館で五虎退が、鶴岡の致道博物館で信濃藤四郎が展示されるということで、両方行くことにしました。同じ山形県内といっても、とても離れているので日帰りで両方行くのは無理だったため米沢で一泊しました。というより一か月前だと米沢しか空いておらず、しかも米沢もホテルはほとんど埋まっていました。

《行った場所》
○致道博物館
 鶴ケ岡城の三の丸があった場所にいろいろな建物が移築されて博物館になっています。建物も展示内容もバラエティにとんでいました。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎重要文化財
・刀 折返銘 備州長船住元重 金象嵌銘以下略(号 見返元重) 重要文化財、㈱ブレストシーブ蔵
・太刀 無銘 伝為遠 重要刀剣
・太刀 銘 一 備前国□□住人佐兵衛尉助次 延慶三年三月日 金象嵌銘 袖の雪 重要刀剣
・槍 銘 三条吉広(号 瓶通し

○鶴岡公園・荘内神社
致道博物館にある鶴ケ岡城跡の公園に行ってきました。お濠の名残が残っているだけでほとんどお城の跡はありません。周りは坂もないので完全な平城だったようです。

○鮨 よし遊
米沢へ移動して夕食は泥足プロジェクトに載っているよし遊さんに行きました。予約しないで行ったらギリギリ入れてもらえたのですが、すぐ満席になっていました。五虎退メニューを注文する人だけでカウンターにいたのですが埋まったのは初めてだったそうです。まだ2週目だったのでみなさん来る前だったのでしょう。あの後どうだったのか気になります。お寿司はすごくおいしくて、お店の方もとても気さくで楽しい時間を過ごせました。

○上杉神社・稽照殿
米沢の最初は上杉神社から始めました。本殿がずいぶん簡素だなと思いましたが、この後米沢の歴史を勉強したら納得がいきます。稽照殿は見応えがあってよかったです。
主な刀剣
・薙刀 無銘 伝則包 重要文化財
・太刀 銘 国宗 重要美術品
・剣 無銘 瓜実御剣 安則作

○上杉家御廟所
自転車をレンタルして回りました。受付のおじさんにお話をいろいろと聞くことができましたが、大木の維持は大変だということがよくわかりました。また、入口のところで休憩所ということで玉こんにゃくなどを無料でいただきました。とてもおいしかったです。

○林泉寺
上杉家の女性のお墓です。本堂の中も見学することができ、説明もしていただけます。こちらも住職さんがとても良い方でした。

○鷹山堂
五虎退をイメージしたどら焼きをいただきました。甘さ控えめでとてもおいしかったです。刀型のナイフも売っていたので買いました。

○上杉博物館
今回の旅行のメインです。人はそこそこといった感じで混雑はしていませんでした。明るく広々としていて、市民のための開かれた博物館といった施設でした。上杉家の歴史について一から学んできました。鷹山公の紹介シアターも見ましたが、鷹山公がについてよくわかる映像でした。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 五虎退)個人蔵

○宮坂考古館
個人経営の博物館ですが、甲冑を中心に米沢ゆかりのものが多数展示されています。ここにも刀が展示されていた気がするのですが、残念ながら記録がみつかりませんでした。

○めーちゃん食堂
2日目の夕飯は、泥足プロジェクトに載っていた義経焼のお店に行きました。老舗で某方曰く他のお店で許されないことも、ここがやったといえば問題ないとのことです。いったいどういう意味なんでしょうね。一階が精肉店で、2階が食べられるようになっています。夜は予約で満席のようで、17時までならOKということだったので、新幹線までの時間で食べられました。羊肉はなかなか食べないので新鮮でしたが、国産肉はやっぱりおいしかったです。


《感想》
 同じ山形県ということで、最初は移動をなめていましたが、調べれば調べるほど大変だとわかりました。電車の本数が少ない電車同士の乗り換えなので、待ち時間が1時間を超えないよう念入りに調べて行きました。本当は時間があったら山形市に寄ってから米沢に行きたかったのですが、行きたい博物館がやっている時間に着けなさそうだったので、今回は諦めました。途中電車で最上川の横を通りましたが、大型の台風が過ぎたあとだけあって山の近くではものすごい濁流でした。しかし米沢のほうは水量が多いだけできれいでよかったです。


《今回の刀剣》
 今回はやはり五虎退です。前日に見た信濃藤四郎とそっくりな印象を受けました。作者が同じなので当たり前なのかもしれないですが、両方とも同じような護摩箸がはいっているからでしょう。少しだけ五虎退のほうが小さいそうです。たまたまですがこの2口を合わせて見られてよかったです。



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