刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

カテゴリ: 埼玉県

 川越は関東では鎌倉と日光についで3番目に文化財が多い街だそうです。特に刀の企画展示をしているわけではないのですが、まだ川越の博物館は行ったことがなかったのでどんなものが置いてあるのかと思い行ってきました。

≪行った場所≫
○川越歴史博物館
 重要文化財を多数所持している喜多院のすぐそばにあります。細長い建物で、一見お土産やのような外観です。個人で経営しているようで館長さんおひとりですが、他のお客さんがいないと展示について説明を受けることができました。
 刀や火縄銃、兜などを実際に持たせてもらえます。火縄銃がとても重かったので、そのあとに持った刀が軽く感じました。刀は拵え付きで反りが少ない短めのものだったのですが、刀が好きだと言ったら白鞘のものをもう一振出していただきました。そちらは70cmを超えて幅も広めでかなりずっしりときました。時代の変化による姿の変化、二代目と銘についてなど、おもしろい話をたくさん聞くことができました。
 ほかにも、川越藩は警備の仕事を担うことが多かったため、さすまたや時代劇でよく見る十手がたくさん展示されていました。十手は現在多くは残っていないそうで、確かにほかの施設だとあまり見ないなと思いました。
 展示ケースに入っているものも、見ていたら出して説明していただけました。特に魚の自在置物を持たせてもらったのですが、あまりにもリアルに動くので怖いと思ったぐらいです。なめらかな動きをするのがどういう仕組みかわからないのですが、館長さんも現代では作れない技術だと言っていたので本当に貴重なものなんだなと思いました。
 2・3階は照明が弱く見にくいものもあるのですが、甲冑が多く展示してありました。とくに馬の鎧と面はなかなか見ないものだったので興味深かったです。

 主な刀剣
 見せていただいた刀は誰の作か聞けなかったのですが、室町のものと江戸前期ごろのものだそうです。
・薙刀 銘 英義
 川越藩お抱えの刀工です。今回出ていませんでしたが、葵紋ちらしの拵えがあるそうです。今回拵えの展示が多かったのですが、他にも葵紋の入っているものがたくさんありました。
 


○川越市立博物館
 現在特別展として川越にある指定文化財の展示を行っています。建造物などはパネルで紹介されています。博物館自体の展示スペースはあまり広くないので展示物は多くありませんが、城下町のジオラマや蔵造の街並みの再現など、大きな展示物が多く少し変わった展示内容でした。川越も一度大火で街が燃えてしまった歴史があり、どの博物館に行ってもそうですが、大火事と戦火から復興して近代の街並みが作られたことがわかります。

・十文字槍 銘 大慶荘司直胤作之  応川越藩安井政章需於武陽東叡山辺文化九年仲春 川越市指定文化財



○川越城本丸御殿
 江戸時代に作られた本丸御殿が一部保存されています。装飾は全体的には少な目でシンプルですが、襖の引手が凝ったものでした。また、襖絵も描かれていてきれいです。一番大きな広間には、御手杵の鞘のレプリカ杵黒熊毛槍鞘が置かれていました。春に行われる春祭りで使われるそうですね。


≪感想≫
 今回はいつもと少し違った観光になりました。見たものは少ないですが、貴重なお話を聞くことができて勉強になったと思います。いつも刀を見に遠出をしていますが、行ったことのない身近な施設もたくさんあるので、今回のような博物館めぐりも良いかなと思いました。意外と東京などの身近な神社やお寺は全然行ったことがなかったので、そういった場所を見るのもしたいなと思いました。


≪今回の一振≫
 歴史博物館に、戦時中鉄を提供するためなくなった刀の茎と切っ先が展示されていました。このように一部分だけ残すのもきっとすごく残念だっただろうなというのが感じられます。館長さんとのお話の中で文化財保護の話が出ましたが、良いものほど海外に持っていかれて日本にはほとんど残っていないことを言っていました。展示では戦火で焼けてボロボロになった刀も展示されていました。こういった文化財から見た日本の歴史も、刀に興味を持たなかったらまったく考えることがなかったんだなと考えると、現在の状況にも向き合いたいなと思いました。
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 埼玉県にある二振りの国宝の刀剣は、毎年この時期に展示されているそうです。前回特別展を見に行ったときは、レプリカのみの展示だったので、今回は本物を見に行ってきました。

《行った場所》
埼玉県立歴史と民族の博物館
 国宝の刀剣は常設展で展示されています。前回行ったときに、常設展は細かく見ましたが、ところどころ展示替えされていました。国宝展示に合わせてか、企画展示室では、埼玉県の名刀展として他にも刀が展示されていました。資料室の本棚には古い図録がたくさん置いてあります。前回来たときも読み漁ったのですが、今回もいろいろと読んできました。40年ほど前の図録でも、現在とまったく変わらない姿の写真がのっていることが、当たり前なのですが改めてすごいなと感じました。初めて写真に撮られて記録に残ったのは、いつ頃なのでしょうか。白黒の写真のみの図録や書籍も多いですが、やはり刀剣もカラーで見たいなと思いました。

主な刀剣
・短刀 銘 備州長船景光 元享三年三月日(号 謙信景光国宝
・太刀 銘 (表)廣峯山御劔願主武蔵国秩父郡住大河原左衛門尉丹治時基於播磨国完粟郡三方西造進之
      (裏)備前国長船住左兵衛尉景光作者進士三郎景政 嘉暦ニニ年己巳七月日  国宝
いわゆる景光・景政の太刀ですが、銘はすごく長いのですね。きれいな直刃でした。
・太刀 銘 宝寿(写)
前回も展示されていましたが、とにかく大きくて迫力があります。刀身の彫刻が朱色になので、さらに迫力が増します。
・太刀 無銘 伝助真 重要文化財、龍門寺蔵(埼玉)
岩槻藩主大岡忠光の愛刀だそうです。大磨上無銘ですが、確かに一文字らしい刃文でした。
・太刀 銘 備前国住安家作 正和□年二月十八日(号 寒念仏)個人蔵
 寒念仏=寒い時期に山などで念仏を唱える修行 に佩刀していたためこんな名前が付いているそうです。95cmあり、とても長く反りも強いです。光の当たり方のためか、刀身が真っ黒に見えました。
・刀 銘 (巴紋)於東部 藤枝太郎英義作之 
         慶應二寅年八月日
川越藩の刀工の作品です。会心の出来のものに巴紋が彫られたのではないかとのことです。


《感想》
 文化財の国宝指定の基準はよくわかりませんが、今回の刀剣でいえば、人の信仰が現れているところに、価値があるのかなと思いました。展示では、武蔵武士が郷土に寄せる思いがわかる物という紹介でした。伝来についても、一応判明はしていますが特に派手でもありません。造りにその刀工の特徴がよく現れていて、年代まで刻まれているというのが価値のあるものなのかなとも思います。
 文化財登録は、されているものは良いものなのだとわかるし、国宝指定されていたら、あまり興味のないものでも見ておきたいという気になります。そればかりに注目してみるのはもったいない気がしますが、登録されているおかげで展示を見る機会に恵まれているというのはあると思います。最近は見ることができるだけで幸せなのだととても感じるので、このように毎年定期的に展示してくれるというのはうれしいです。


《今回の一振》
 今回は短刀の謙信景光です。号のとおり上杉謙信が所持していたものです。拵えは以前の展示で見ていましたが、そちらもきれいでした。今回は展示されていないようです。刀身は表に秩父大菩薩が、裏には阿弥陀如来の梵字が彫られているそうです。刃文はとてもくっきりとしていて、見やすかったです。全体的に迫力よりもきれいさが際立って感じられました。鎺にも梵字が彫られていました。刀剣には梵字が多く使われているので、有名なものだけでも覚えたいなと思いました。











 さいたま市大宮にある、歴史と民族の博物館に行きました。戦国BASARAとのコラボ、戦国図鑑-Cool Basara Style-を開催中でした。特別展初日ということで、同じ埼玉県内にある忍城のおもてなし隊がパフォーマンスに来ていました。大人げないのを承知でクイズに参加し、忍城のペーパークラフトをゲットしました。組み立てて、今はフィギュアと一緒に飾ってあります。

《行った場所》
○埼玉県立歴史と民族の博物館
主な刀剣
・太刀 銘 備前国住人雲次 正和二二年十月日 重要文化財、刀剣博物館蔵(東京)
・太刀 銘 (表)奉納八幡宮御宝殿北条左京大夫平氏綱
        (裏)天文七戌戌年八月二日所願成就皆命満相州綱広作
        重要文化財、鶴岡八幡宮蔵(神奈川)
・万字の槍穂 光西寺蔵(埼玉)
・太刀 銘 上州住成重
・大太刀 黒漆太刀 銘 宝寿(写)


以下、常設展で見られるレプリカ
・金錯銘鉄剣 国宝、県立さきたま史跡の博物館蔵(埼玉)
 歴史の資料集にものってる鉄剣です。昭和53年に埼玉で発掘された、五世紀頃の国家について金象嵌で書かれたものです。

・太刀 景光・景政合作 国宝
・短刀 銘 備州長船住景光 元亨三年三月日 国宝
 謙信景光ともいわれている短刀です。特別展で拵のみ展示されていました。
 歴史と民族の博物館に所蔵されている国宝2点は毎年展示されているので、今度展示されるときに行きたいと思います。


《感想》
 企画展⇒忍城おもてなし隊のパフォーマンス⇒常設展⇒昼食⇒博物館裏側探検で約4時間いました。かなりのんびり滞在したと思います。
 企画展自体は規模はあまり大きくなく、鎧がたくさん展示されていました。BASARAのゲームで見られる墨絵の展示は、迫力があってすごかったです。BASARAは未プレイなので、同行者に解説をしてもらいながら鑑賞しました。
 博物館は大宮氷川神社の近くなので歩いていけます。今回は少し前に行ったばかりなので行きませんでしたがとても良い神社です。
 
 


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