ねぶた祭りを見に初めて青森を訪れました。ちょうど県立郷土館で特別展「刀剣魂」を行っている期間だったので、合わせて行くことができました。

《行った場所》
 ○アウガ
 地下に生鮮市場があります。平日の早い時間だったこともあり、たくさんの魚介類が並んでいました。隣にあるりんご箱というお店は、その名のとおり客席がりんごを入れる木の箱を再利用したものになっていました。時間により津軽三味線の演奏があります。三味線は青森駅周辺で何度か聞く機会がありました。

○アスパム
 観光のお土産もの屋が集まっています。最上階には展望台もあって天気がよかったこともあり、山が遠くまで見渡すことができました。側の広場にはねぶたが夜に使用されるまで保管されているラッセランドもあり、明るいうちにねぶたを間近で見ることができます。大きな氷がノコギリで切り取って、それぞれのチームに配られていました。てっきり火消しや打ち水用の水かと思っていたら、祭りの最中にみんな飲んでいて驚きました。

○ねぶた祭り
 名前しか知らない状態で行ったので、それぞれのねぶたが日本や中国の逸話を元にしたものだというのがとても面白かったです。事前に登場するねぶたを調べてから見て良かったと思いました。明るいうちにねぶたが周るルートを一通り歩いてみましたが、予想以上の長さでした。どこも歩道がかなり広々としていて、いたるところでお店が椅子を置いて観客席を用意していました。席は予約していなかったので、夕飯を食べるのも兼ねて居酒屋のお店の前の席で見ました。3列目だったのでかなり間近で見られてよかったです。
 他の地域の大きなお祭りにあまり行ったことがないのでわかりませんが、屋台があまりなく地元のお店が出している出店がほとんどだったり、うちわを大量に配っていてみんな持っていたり、お祭りグッズを歩いて売ってる売り子がたくさんいたりと、普通のお祭りでは見ない景色がたくさんあって面白いと思いました。


○青森県立郷土館
 各地にある県立博物館と同じような類の博物館です。しかし、常設展示は青森県の歴史をただなぞるだけでなく、白神山地をはじめとする自然や民間信仰、近代の青森ゆかりの人物についての展示など、かなり盛りだくさんな内容でした。展示に関するクイズラリーがあったのですが、大人向けのものはかなり考えたり、よく読まないとわからないものがあったりで、満点をとるのが難しかったです。でも展示内容を隅々まで見るきっかけになるのでとても良い企画だなと思いました。
 刀剣展開催中、常設展に刀剣にまつわるクイズがちりばめられていましたが、こちらはかなり簡単な問題になっていました。参加賞として、展示されていた刀 銘 精壮斎宗有のポストカードがもらえます。ゆっくりクイズにも参加しながら博物館全体を見ていたら2時間半も滞在していました。それでも全部見られなかった資料展示などもあるので、かなり楽しめる施設になっていると思います。

 刀剣についてもとても数多く展示されていましたので、見た刀剣の記録は一部になります。展示全体としては解説はちょうど良いボリュームで、造りについての詳しい解説もあります。刀か太刀とは書かずに日本刀と書かれているものが多かったので、ここでは作刀された時代と長さからとりあえず書き換えてあります。もし間違いがあったらご了承ください。また、青森県では県の指定文化財を重宝としているようです。初めて見た言葉だったのでどういったものか一瞬わかりませんでした.

主な刀剣
・太刀 無銘 伝備中青江貞次 県重宝
 一番最初に置いてありこちらだけ写真撮影も可能でした。SNSで拡散してくださいとのことでしたので、後程写真付きで紹介します。

・短刀 銘 波岡森宗 県重宝、個人蔵
・短刀 銘 奥州津軽住国廣 首割土段払 県重宝、弘前市立博物館蔵(青森)
・刀 銘 津軽住安宗 県重宝、個人蔵
・刀 銘 奥観寿藤原吉廣 天保五年八月日 県重宝、個人蔵
・刀 銘 吉次郎紀正賀鋳外濱砂鐵作之 県重宝、個人蔵
・剣 銘 以外濱沙鐵紀正賀謹鍛造 県重宝、個人蔵
・刀 銘 奥州弘前橘繁宗 個人蔵
 これらは主に青森ゆかりの刀工の作品で、個人蔵であまり見る機会がなさそうなものがたくさんありました。多くは江戸時代のものですが、森宗は室町ごろの刀工で舞草派流れを汲んでいるそうです。どの刀剣も津軽の刀工研究のための貴重な作品とのことでした。

・太刀 銘 安清(号 鬼神丸)厳鬼山神社蔵(青森)
 鬼が口から火を吹き歯で噛んで鍛えた十腰のうちの一振で、茎には鬼が握ったあとのへこみがあるという逸話の刀です。この逸話については、十腰内という地名の由来として詳しく読むことができますが、鬼が少しかわいそうだなと思ってしまいました。錆で刃文の様子はよく見えませんでしたが、姿はきれいな形をしていて確かに茎に他の刀でもときどき見かけるようなへこみがありました。

・太刀 銘 備州長船幸光 県重宝、櫛引八幡宮蔵(青森)
・大太刀 銘 相州住綱広 県重宝、岩木山神社蔵(青森)
 1mを超える大太刀としては、かなりきれいな状態のものでした。三代目綱広は1604年から06年まで津軽でたくさんの刀を打ったそうです。どことなく相州らしさがありました。
・大太刀 銘 平安城住藤原國路作 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵(青森)
 こちらもかなりの長さがあり、反りは5cmを超えてアーチ状になっています。
・大太刀 銘 奥州津軽城下弘前住森宗 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵
 この大太刀は長さはそこまででもないのですが、幅がかなりあって不思議な造りでした。大太刀は数が少ない分それぞれの特徴がよく出ていておもしろいなと思います。
・大薙刀 銘 平安城住藤原國路作 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵

・太刀 銘 備州長船勝光 個人蔵
 かなり好みな姿でした。小のたれ互の目で足がついています。沸がよくわかりました。
・太刀 銘 正恒 黒石市指定文化財、黒石神社蔵(青森)
 今回の展示の中では細身なのがこの刀ぐらいだったので目立っていました。
・刀 無銘 伝来国光 重要文化財、個人蔵
・長巻直し 銘 □前国長船住近景 重要刀剣 個人蔵
 鎺には卍の紋が彫られています。長巻を刀に直したものは良いものが多いと聞いたことがありますが、とてもきれいな姿でした。

・刀 無銘 伝助宗 八戸市博物館蔵(青森)
・脇差 無銘 伝貞宗 八戸市博物館蔵
・刀 銘 武州下原住廣重 八戸市博物館蔵
・刀 銘 精壮斎宗有 文久元年八月作之 同年十一月十一日於千住太々土壇拂初代山田源蔵
 クイズラリーでもらえるポストカードの刀です。千住というと少し身近な場所なのですが、昔は小塚原処刑場があって刀の試し切りもよく行われていたそうです。 

・アイヌの腰刀 個人蔵、県有形民族文化財
・山刀 銘 村正
 アイヌの民が使っていた山刀で、村正の銘の真偽は不明とのことです。青森は地理の関係からアイヌとの交流が盛んだったので博物館にもたくさんの品が展示されていました。刃文もよく見えないので確かに村正らしさはあまり感じませんでした。けれどアイヌの中でも、村正の刀は良い刀という認識があったことがわかる資料だということで、ロマンがあるなと思いました。

・太刀 無銘
 南北朝時代の備前長船作といわれている赤羽刀です。青森にも赤羽刀はたくさんあり、県立郷土館には11振あるとのことです。
・脇差 銘 備州長船住盛光 応永十五年二月日
・刀 銘 兼康
・脇差 銘 兼法
・刀 銘 山城守藤原秀辰
・刀 折返し銘 肥前國住近江大掾藤原廣忠
・脇指 銘 相模守藤原國綱 越前住
・刀 銘 備前國長船住祐定
・槍 銘 相模守藤原国吉
・脇差 銘 大和大掾藤原正則
・脇差 銘 丹後守兼道
・脇指 銘 森宗 青森市教育委員会蔵
・刀 銘 津軽大掾橘盛宗 青森市教育委員会蔵
・刀 銘 精壮斎宗有 慶応二年八月日 八戸市博物館蔵
・刀 銘 精光斎宗重 八戸市博物館蔵
 これらもすべて赤羽刀ですが、どれもとてもきれいなものでした。関鍛冶伝承館や備前長船刀剣博物館でみた赤羽刀は出身地の刀工のものがほとんどでしたが、これらの中には青森とあまり関係がないような刀工の作品もあるので、どういう経緯で返還されたのでしょうか。


○八甲田丸
 昔青函連絡船として使われていた船が資料館として保管されていました。かなりの広さがあり、ろう人形なども置かれて昔の様子を展示しています。船や航海に関する専門的な資料が多く内容は難しめだと思いました。航海士が愛読していた本を手に取ることができるのですが、明治や大正時代に発行された本がありそれらも読むことができました。一階部分には電車の車両がそのまま3両ほど収まっていて船の大きさがわかります。



《感想》
 今回県立郷土博物館に行くことができたのはたまたまだったのですが、行ってよかったと思えるとても盛りだくさんな展示内容でした。青森のいろいろな施設の刀が集められていてとても贅沢な特別展です。
 今回初めて青森に行きました。海の側の景色はとても良く、たまたま港には大型の客船ぱしふぃっくびいなすが停泊していました。海のない県に住んでいるのでとても新鮮でその客船がとまっている港の姿がとてもきれいでよかったです。
 ねぶた祭りも思っていたよりも近くで見ることができ、さらに近くに座っていた地元の人達のおかげで、多くのねぶたを正面に寄せてもらうことができ、迫力のあるお祭りを体験できました。


《今回の一振》
 今回は青江派の貞次の刀です。写真撮影可だったのですが、展示位置が低いので正面から撮影しようとすると変な大勢になってしまうため、本当は刃文や切っ先や茎なども撮りたかったのですが、まわりに人がいる状態であまりたくさん撮れませんでした。この写真ではわかりずらいですが刃文もよく見ることができます。どちらかというとにっかりよりも数珠丸に似た印象を受けましたが、もしかしたら数珠丸も低い位置の展示を同じような角度で見たからかもしれません。

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にっかり
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