刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

カテゴリ: 愛知県

 前日は移動だらけの1日でしたが、この日は名古屋を中心に見ていきました。

《行った場所》
○三河武士のやかた家康館
 岡崎公園は整備されたきれいな公園でした。先に家康館に行きましたが、開館したばかりの時間だったこともあり、のんびりとみられました。中は広くてきれいな博物館でした。展示は家康を中心に戦国時代全体の歴史が勉強できます。特別展で瀧山東照宮の宝物展を開催中でした。刀や槍の模造刀を持てたり体験できるものも多かったです。
主な刀剣
・太刀 銘 長光 重要文化財 瀧山東照宮蔵(愛知)
・短刀 銘 備州長船祐定 永正六年八月日 瀧山東照宮蔵
・槍 蜻蛉切(写) 龍城神社蔵(愛知)
・槍 銘 秋廣 主本多中務大輔忠勝所持 岡崎市蔵(愛知)

岡崎城・竜城神社
 中は博物館になっていて、比較的広々とした造りになっています。新刀メインですが、刀剣の展示がたくさんあって驚きました。三河で作られたものが多いようです。また、拵と一緒に展示されているものが多いのが特徴です。
主な刀剣
・刀 銘 兼元 竜城美刀会蔵(愛知)
・槍 三州田原住正眞 竜城美刀会蔵
蜻蛉切を作った人の作品のようです。
・槍 銘 信国 竜城美刀会蔵
・槍 銘 三州藤原来兼房 竜城美刀会蔵
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○熱田神宮
 4月に続いて2回目でしたが、どんなに暑くても敷地内はひんやりしていました。人が多い場所ですが、特にアジアからの観光客が多いなという印象です。宝物殿は、刀剣がたくさんあるのですが、目録がなく、人もそこそこいるので、記録しながら見るのには向かない施設です。受付で熱田神宮所蔵の刀剣の図録があるので買いましたが、すべてが載っているわけではないので、やはり記録したいならがんばる必要がありそうです。
主な刀剣
 ・短刀 銘 国光 徳治三(以下切) 重要文化財
 ・太刀 銘 真長 重要文化財
 ・太刀 銘 国友 重要文化財
 ・脇指 銘 吉光 亀王丸(号 蜘蛛切丸愛知県指定文化財
 ・脇指 銘 相州住綱広
 ・太刀 銘 真利
 ・刀 銘 兼元
 ・剣 銘 国□ 伝国宗
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○徳川美術館
 今回の旅のメインです。2回目ですがここは常に人が多い気がしますね。刀剣乱舞にハマる前は博物館どころか日本史にすらあまり興味がなかった自分にとっては、大関ヶ原展のときもそうでしたが、美術館・博物館にこんなに人が来るのかと驚きます。今回は家康に関係した特別展でしたが、とにかく展示品が多く、最後まで見終わる頃には皆さん疲れた様子でした。来たかいがあって刀剣も貴重なものをたくさん見られました。
主な刀剣
・太刀 銘 長光(名物 津田遠江長光国宝
・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
・短刀 銘 宗近(名物 海老名小鍛冶
・刀 銘 本作長義(以下58字略)重要文化財
・太刀 銘 備前国長船住守家(名物 兵庫守家重要文化
・太刀 無銘 一文字 重要美術品
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
・太刀 銘 国俊(名物 鳥養国俊) 重要美術品
・短刀 銘 吉光(名物 包丁藤四郎重要美術
・刀 無銘 一文字(名物 南泉一文重要文化財
・太刀 銘 来孫太郎作(花押) 正応五年壬辰八月十三日 国宝
・刀 無銘 兼永 重要美術品
・刀 無銘 正恒 重要美術
・刀 銘 以南蛮鉄於武州江戸越前康継 慶長十九年八月吉日
・短刀 無銘 正宗(名物 包丁正宗国宝
・短刀 無銘 正宗(名物 若江十河正宗
・短刀 銘 相州住正宗 嘉暦三年八月日(名物 大阪長銘正宗
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《感想》
 前日に引き続き1日でかなりの数の刀剣を見ることができました。熱田神宮と徳川美術館は人が多いので、一つの刀をじっくり見るのが難しいですね。遠方なので、人が少ない日や時間帯を狙って行くというのができないのが残念です。
 今回の旅行では、図録をたくさん買ってしまいました。写真があると、このように記録を書いていても、思い出し方が全然違います。名前だけだと思いだせないものばかりですから。写真が撮れない施設のほうが多いので、たくさん刀剣を所蔵しているところは、ぜひ所蔵刀剣を集めた完全版の図録のようなものを出してほしいと思いました。


《今回の一振》
 一番印象に残ったのは短刀の海老名小鍛冶です。海老名宗近と載っている本が多いですが、徳川美術館では小鍛冶となっていました。今回買った図録に写真が載ってなかったのが残念ですが、短刀ながら目釘穴が4つも空いていたり、彫物が茎まではいっていたりと、変わった姿をしていたので目を引きました。文化財指定されていないところをみると、美術的・歴史的価値はあまり高くないようですが、他と少し違った姿というのは、素人目にはわかりやすくてとても良いです。



 徳川美術館の特別展に行くことになったので、前回見られなかった場所を中心に名古屋周辺を移動しました。とにかくたくさんの刀剣を見たので、とても記録しきれませんが、一部をのせていきたいと思います。

《行った場所》
○犬山城・城とまちミュージアム・からくり展示館
 国宝である犬山城に行ってきました。昔の造りのままの天守閣なだけあって、階段がとても急です。天井が低かったり部屋の中が明るくなかったりと決して優しいとは言えない造りが、城本来の姿なんだと感じられました。階段を上りきった先の木曽川の絶景がとてもよかったです。
 犬山城のすぐ下にある城とまちミュージアムは、バラエティにとんだ展示内容でした。刀剣が置いてあるとは思っていなかったので見られてよかったです。
主な刀剣
 ・刀 無銘 左 犬山城白帝文庫蔵(愛知)
 ・脇指 銘 国広鎌倉住人 元享二季十一月日 犬山城白帝文庫蔵

○関鍛冶伝承館
 入口に張り紙が貼ってあるほど刀剣乱舞を意識している博物館ですが、とにかく展示数が多いです。今までで一番の数でしたが、写真撮影OKなおかげで、記録はまだ楽でした。関市は電車の本数が少ないので電車での移動はあまりお勧めできませんでした。
 関市所蔵の刀剣の図録を販売していますが、それなりのページ数があるのにとっても安いです。買うと市役所の袋に入れてもらえるので、市で作っている分安くなるということでしょう。写真も大きくて見やすいのにとにかく考えられない安さだったので迷わず買いました。
主な刀剣
 ・刀 無銘 伝金重 関市重要文化財、関市蔵(岐阜)
 ・脇指 銘 兼光 特別保存刀剣、関市蔵
 ・刀 銘 和泉守兼定 重要刀剣 
 ・刀 銘 兼元作 関市蔵
 ・刀 銘 兼吉 関市蔵
 ・刀 銘 日本鍛冶惣匠伊賀守藤原金道 (菊紋)雷除以南蛮鉄造之 天明五歳八
                  他多数

○明治村
 刀はまったく関係ありませんが、近いということで行ってみました。夜は花火をやっているため、浴衣で来ると安く入れるとのことでしたが、あいにく持っていなかったのでそのまま入りました。明治時代の建物を再現、移築しているということでどんなものかと思っていましたが、よく辺鄙な場所にこんな施設を作ったなという感想です。雰囲気はとても良いです。完全に世間と隔絶されている気分を味わえました。


《感想》
 関鍛冶伝承館は、歴史から刀の作り方までとにかく展示量が多いです。赤羽刀についても説明も多くあります。半分ぐらいは関市が所蔵しているので、おそらくほとんどが赤羽刀でしょう。家族連れなど観光できた人が多そうな様子でした。電車の便以外では、とてもすばらしい博物館だと思います。


《今回の一振》
今回は二代目和泉守兼定、之定の刀です。写真ではわかりずらいですが、銘もしっかり切られています。

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《行った場所》
○熱田神宮
主な刀剣
  ・太刀 銘 宗吉作 重要文化財
  ・太刀 銘 長光 重要文化財    他多数
 このとき鑑賞した記録をすべてとっていませんでした。

○白鳥庭園
 熱田神宮から徒歩で行けるきれいな庭園です。

○徳川園
 徳川美術館の隣にある大きな庭園です。

○徳川美術館
刀剣
  ・太刀 銘 国行 重要文化財
  ・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
  ・刀 銘 信国
  ・短刀 銘 久国
  ・太刀 銘 直綱

○名古屋城
企画展で尾張にある名刀展を開催中でした。
刀剣
  ・刀 (金象嵌銘)了戒/個人蔵
  ・太刀 銘 兼延 文亀二年五月吉日/個人蔵
  ・刀 銘 飛騨守藤原氏房/個人蔵 
  ・刀 無銘 備前守家/個人蔵
  ・短刀 銘 備前國住長船勝光 大永六年二月吉日/個人蔵
  ・脇差 銘 和泉守藤原兼定/個人蔵
  ・短刀 銘 正信/個人蔵
  ・肥前國陸奥守藤原忠吉/個人蔵
  ・脇差 銘 伯耆守平朝臣正幸 寛政五年丑八月日/個人蔵
         



《感想》
 1日で見て回れる距離にありすべての施設があり、とてもたくさんの刀を鑑賞することができました。
 名古屋城の展示は解説がたくさんあり、撮影もOKだったので、後から見返して勉強するのにとても役立ちました。目録が置いてある場所は、メモを取る手間がなくじっくり鑑賞できるのでとてもありがたいです。


《今回の一振》
 写真が撮れる施設があった場合は、その中から優先して選びたいと思います。読んでいる方にわかりやすいのと、自分も思い出しやすいからです。
 今回は、名古屋城で見た、飛騨守藤原氏房の刀です。拵がシンプルだけれどオシャレでよかったです。

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