刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

カテゴリ: 愛知県

 熱田神宮での次郎太刀の展示と、三島のスタンプラリーを合わせて行ってきました。移動はありましたが、比較的のんびりと旅行を楽しむことができました。

《行った場所》
○熱田神宮
 この日は名古屋ではめずらしい雪がちらついてめずらしい景色を見られました。熱田神宮には早咲きの梅などが咲いていたので雪とのコントラストがよかったです。まだ初詣の名残で人は多くいましたが、天気の影響もあり宝物館もそこまでの混雑はありませんでした。熱田神宮の所蔵刀剣だけでなく、厳島神社の宝物も見られてとてもよかったです。
主な刀剣
・ 太刀 朱銘 千代鶴国安
 めったに見られない次郎太刀の展示ということで、今回の名古屋旅行の目的です。大太刀としては健全な状態できれいだなと思いました。反りが意外と小さいです。神社に奉納されてる大太刀はいくつか見てきましたが、かなり反りが強いものが多かったと思います。刃紋は派手で、樋の朱色と相まってとても華やかでした。
・太刀 銘 友成作 国宝
 先日厳島神社で展示されたときに見たいと思っていましたが見られず、熱田神宮で見ることができるとは思いませんでした。健全さと肌のきれいさがすごいです。細身のバランスもとても良かったです。今まで友成の刀が好みだとは感じなかったので、この刀のきれいさが他の友成の刀よりとても魅力的だということがわかりました。
・太刀 銘 国友 重要文化財
 粟田口らしい肌のきれいさがとてもよかったです。相州物が好みなのでのたれの刃文が多いですが直刃の刃文も好きです。
・太刀 銘 宗吉 重要文化財
・太刀 銘 宗吉 重要文化財
 同じ宗吉の作品ですが直刃と丁子の二種類の作風の作品を、両方を並べて展示するのは違いがわかりやすくてよかったです。
・太刀 銘 真行  重要文化財
・太刀 銘 尾州長船兼光 重要文化財
・太刀 銘 元弘三年六月一日実阿作 重要文化財
・刀 銘 濃州関住兼房作 河村京三郎 愛知県指定文化財
・太刀 銘 文永二年三月清綱 重要文化財
          他多数


○ 楽寿園
 三島に移動して朝から向かいました。動物園もあるのがおもしろいです。楽寿館の見学時間にうまく合わせることができたので館内を見ることができました。障子絵や天井絵などを詳しく解説されながら見ることができ、とてもよかったです。


○三嶋大社
 楽寿園から三嶋大社までの道が、小さな川が流れていたり文学の碑があったりと、楽しみながら行くことができるきれいな道でした。まだ初詣のなごりもあって、人は多かったです。けれど宝物館は人も少なくじっくり見ることができました。
主な刀剣
・大太刀 銘 豆州三嶋住白竜子正長 天保十年巳亥三月三日 願主八谷善五郎
・刀 銘 大和大掾藤原正則 肥後守藤原正勝
・刀 銘 紀伊国當一康廣作
・脇指 銘 肥前国佐嘉住人伊勢大掾藤原吉廣作
・刀 銘 奉納三嶋大明神 天保二年九年吉祥日 荘司筑前大掾藤直胤 川部正次 玉井直邦
・刀 出羽国住人大慶荘司直胤
・刀 無銘 伝村正
・刀 無銘 伝美濃兼友
・太刀 銘 宗忠 重要文化財
・太刀 銘 平安城藤原則定作之他 三嶋大明神御神宝 寛永十四年二月吉日

○佐野美術館
 前回ほどではないですが、今回も人はたくさんいてにぎやかでした。本当に数が多くて贅沢な展示だと思います。次はいつ見ることになるのかわからないので、つい気に入った刀のところを何度も往復してしまいました。
 今回は一部のみ紹介です。寄託は個人蔵としています。
主な刀剣
・太刀 銘 包平 重要美術品
 直刃調の刃文がとてもいいです。
・太刀 銘 行秀 重要美術品、個人蔵
 古備前の刀はどれも細長い印象でしたが、こちらは少し幅が広めで古備前の中でも新しめなのかなと思いました。
・短刀 無銘 吉光 重要美術品、個人蔵
 地鉄の青さがよくわかってとてもきれいでした。粟田口らしい肌のきれいさを実感できます。
・太刀 銘 来国俊
 来派の中では、3字の国俊が一番好きです。
・刀 折返銘 了戒 静岡県指定文化財、個人蔵
 重ねが厚く、なめらかさよりも固さをとても感じる見た目でした。
・短刀 銘 国光 重要文化財
・短刀 無銘 正宗(名物 小松正宗
 沸がとてもついていて、力強さを感じる刃文と姿だと思いました。
・刀 朱銘 義弘 本阿(花押)(名物 松井江
 照明の当たりかたで青い地鉄がわかりやすくてとてもよかったです。
・太刀 銘 一 国宝、個人蔵
 かなり豪壮な姿で派手だなと思いました。
・太刀 銘 吉用 重要美術品、個人蔵
 上の一文字と比べると細身で、こちらのほうが一文字によくある姿な印象です。
・太刀 銘 光忠 重要美術品
 光忠にしては細身でらしくない姿だなと思いました。
・刀 無銘 延寿 重要美術品
 肌がとてもきれいで好きです。全体的なバランスもよくて美しさを感じます。
・脇指 銘 相模国住人広光延文二二年七月日 重要美術品
 焼幅が広めで広光っぽいなと思いました。
・脇指 銘 信国 静岡県指定文化財、個人蔵
 信国は脇指ばかり見かける気がします。彫り物が多いイメージですが、こちらは透かし彫りがされていて、とてもきれいです。
           他多数


《感想》
 スタンプラリーは3か所ですが、一日使ってのんびり楽しむことができました。歩いて行けるほどよい距離だったのもよかったです。コラボのグッズもとてもよかったので、これからもこのようなコラボ企画がたくさんあるといいなと思いました。 
 熱田神宮もこんなに早く次郎太刀がみられるとは思っていませんでした。今後も貴重な刀剣の展示の機会があったら逃さず行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は新籐五国光の短刀です。肌のきれいさがとてもすごいです。地鉄の青さがよくわかり、直刃も一本細くすっとはいっていてとてもきれいでした。今回の佐野美術館の展示では直刃の刀のきれいさをとても実感しました。また青くすんだ地鉄の魅力もよくわかりました。展示方法でここまで変わるのかという感じです。

 徳川美術館での刀剣展示が、8月9日までと10日からで展示内容が変わるので、両日を合わせて行くことにしました。それに合わせて伊勢神宮や岐阜にも足を延ばしましたが、長くなるので、愛知編と三重・岐阜編に分けます。

《行った場所》
○熱田神宮
 熱田神宮の宝物館は比較的混雑するため、朝の早い時間のほうがじっくり見られます。前回名古屋を訪れたときは特別展開催中で刀剣の展示はありませんでしたが、今回は図録を持って久しぶりに展示を見に行きました。熱田神宮の刀剣図録はとても細かく造りについて書かれているので勉強になります。
主な刀剣
・短刀 銘 備前国住長船祐定 大永二年八月吉日
・短刀 銘 備州長船光長
・短刀 銘 備州長船倫光 永和二年八月日
・短刀 銘 備州長船忠景 貞治亖年三月日
 備前ものの短刀は意外と見ないのですが、今回はたくさん展示してありました。直刃調のものもあって、備前らしさというのがわかりにくく難しいなと思いました。
・短刀 銘 備□国住介成
 初めて見る刀工の作品ですが、草の倶利伽羅龍が彫られていました。厳島神社でも見ましたが、こちらのほうが細かく彫られていてかなりデザインが違います。

・太刀 銘 備前長船守家
・脇指 銘 備州長船盛光 応永廿一年十月日
・脇指 銘 備前国住長船祐定 享徳三円二月吉日
 菖蒲造りになっています。祐定銘の短刀は直刃だったのですが、こちらは変化のある刃文でした。
・脇指 折返銘 備前国住長船助包
・刀 銘 助光
・刀 銘 則光
 大きな互の目乱れでとても華やかな刃文でした。

・太刀 銘 備前長船兼光 重要文化財
 片落ち互の目の刃文で図録の解説には景光風の作品とありました。この刀と以下の2つは展示位置がガラスから近くてとても見やすいです。
・太刀 銘 宗吉作 重要文化財
 こちらも図録に載っています丁字がとてもきれいな姿でした。
・太刀 銘 長光
 長光にしてはあまり派手ではない丁字模様がとてもきれいで良かったです。



○徳川美術館
 徳川美術館では、7月12日~9月11日まで戦国名刀物語として多くの刀剣を展示しています。8月9日までが前期、10日からが後期となっています。特別展も合わせて今までみたことがなかったもの含め、かなりの数を見ることができました。今回は今までよりもかなり刃文が見やすかったように思いました。以前見たことあったものも、新鮮な気持ちで見ることができました。初めて見たものを中心に書いていきます。

主な刀剣
・太刀 銘 国俊(名物 鳥養国俊重要美術品
 以前見たときは刃文がよくわからなかったのですが、腰元の丁字がわかりやすく変化にとんだ刃文でした。
・小太刀 銘 源左衛門尉信国 応永廿一年二月日(名物 松浦信国
 上り龍と下り龍の彫物が他の普通の倶利伽羅龍とは違うデザインでとてもよかったです。
・刀 銘 村正
 刀身が銀色っぽく光っていてきれいなのもあり新刀のようでした。刃文の皆焼きがかなり大きく広がっていて、刃文というより刀身の模様みたいだなと思いました。
・刀 銘 二王清則
 徳川美術館の新しい刀剣図録はかなりの数を網羅しているのですが、こちらは図録に載っていません。二王派は今まで清綱を一振しか見たことがありませんでした。直刃がきれいです。
・短刀 銘 吉光(名物 包丁藤四郎重要美術品
 吉光の短刀の中ではかなり幅広な姿です。刃文もまっすぐな直刃ではなく少しのたれがある感じでした。
・短刀 無銘 則重
・太刀 銘 光忠 守家造
・刀 無銘 一文字(名物 南泉一文字重要文化財
・刀 金象嵌銘 正宗磨上 本阿弥(花押)(名物 池田正宗重要文化財
 正宗らしい幅が広くてどっしりした姿がよかったです。かなり磨りあげられていそうだなと思いました。
・脇指 無銘
 無銘ですが沸がよくついてて貞宗っぽいなと感じました。
・短刀 無銘 正宗(名物 一庵正宗重要文化財
 こちらもかなり好みな姿です。特に腰元あたりの刃文が好きです。
・短刀 銘 相州住正宗 嘉暦三年八月日(名物 大坂長銘正宗
 再刃されたためか、刃文はあまり正宗らしさを感じませんでした。しかし正宗ではめったにない銘が、作刀時期も一緒に刻まれて存在しているというのはロマンを感じます。
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
・太刀 銘 長光(名物 津田遠江長光国宝


こちらからは10日に見たものです。
・太刀 銘 左(名物 大左文字
 肌は少し荒くなっていて、飛焼がみられます。江雪左文字と若干似た印象を受けました。
・刀 銘 左文字 吉見頼研上之 永禄九年八月吉日(名物 吉見左文字
 こちらは、かなり皆焼のように鎬まで刃文が広がっています。かなり派手ですがとてもきれいで良いなと思いました。解説にもありましたが、こちらのほうが正宗の作風に近い感じがします。
・刀 無銘 貞宗
 貞宗にしては刃文の焼幅がかなり細くて貞宗らしさは薄いですが、大峰で力強い印象をうけます。帽子のあたりが貞宗らしいなと思いました。

・薙刀直し刀 無銘 伝粟田口吉光(名物 骨喰藤四郎重要文化財、豊国神社蔵(京都)
・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
 今回おそらく初めて並んで展示をすることになりました。どちらも3回は見ていますが、合わせて見ると同じ刀工の作品だと思わないぐらい似ていないなと思いました。骨喰は伝吉光作という標記になっていました。前回見たとき刃文をよく見ていなかったのですが、直刃で吉光らしさを感じました。また、ちょうど9日と10日で鯰尾と同じような菖蒲造りの刀をいくつか見たあとだったので、鵜の首造りの骨喰とはかなり違うとわかりました。

・短刀 無銘 志津(名物 戸川志津
・太刀 銘 備前国長船住守家(名物 兵庫守家重要文化財
・太刀 無銘 一文字 重要美術品
・小太刀 銘 吉用 重要美術品
・刀 無銘 郷義弘(名物 五月雨郷重要文化財
・短刀 無銘 貞宗(名物 奈良屋貞宗
・短刀 銘 正宗(名物 不動正宗重要文化財
 正宗銘の中でも信ぴょう性の高い作品だそうです。正宗にしては細身だなと感じたり、短刀で細かい彫物がはいるのはめずらしいなどと思いましたが、他の正宗が無銘なことを考えるとこちらが本当の姿なのかなとも思いました。刃文はとても好みな感じです。
・脇指 銘 本明備州長船兼光 天正□年八月吉日日向守上之 犬山城白帝文庫蔵(愛知)
 兼光の作品で本明とついているのは初めて見たのですがどういう意味なのでしょうか。地鉄がとてもきれいでよかったです。白帝文庫の刀剣は城とまちミュージアムでも見ましたが2振しか展示していなかったので、この他にどのぐらい所持しているのか知りたいと思いました。


《感想》
 今回徳川美術館ではまだ見たことのなかった貞宗や正宗の刀をたくさんみることができたのがとてもよかったです。また、左文字もどちらも初めてみるものだったのですが好みな刀でした。今回の展示の目玉であった骨喰や鯰尾もそうですが、同じ刀工の作品でも同じ短刀だったりすればなんとなくわかりますが、短刀と太刀だったり薙刀だったりするとわからないものも多いので、無銘の作品を極める人たちはすごいなと思いました。今回骨喰が伝吉光の表記でしたが、どの刀工の作品か真偽不明でもロマンが感じられるのでいいなと思います。
 

《今回の一振》
 今回は奈良屋貞宗です。すごく貞宗らしい姿でとても好みな短刀でした。大きめのものが多い貞宗の短刀の中でもかなり大きいほうではないでしょうか。29.4cmで若干反りもあるのでほぼ脇指のような姿です。刃文の焼幅が広いですがおだやかな印象で、地鉄も好みな感じでした。とても良いと思うのですが文化財登録はされていないということで、難しいなと思いました。

 今回は初めてぷらっとこだまを利用しました。名古屋だけを見るならこだまでも日帰りできるのですが、ちょっと足をのばしたいとなると、時間が足りないなと感じました。

《行った場所》
○名古屋城
 早い時間に行ったので全然混雑はしていませんでした。久しぶりに行ったので、やはり大きさがすごいなというのと、上からの景色はちょっと物足りというのを感じました。展示を見ていて、焼失前の記録や写真の多さにとても大切にされていたことや真面目さを感じました。刀剣の展示は前回も所蔵が書かれていなかったのですが、今回もすべて個人蔵なのでしょうか。解説はかなり刀剣乱舞を意識した文章になっていました。
主な刀剣
・刀 銘 國廣
 きれいな直刃です。拵の柄糸が水色のきれいな色でめずらしいなと感じました。鎺の近くに護摩箸が彫られているのも大きめな刀ではめずらしいなと思いました。
・刀 無銘 安綱
 刃文が大きく広がりかなり華やかです。
・短刀 銘 兼定
・脇差 銘 桑名住村正
・刀 銘 正真
・太刀 銘 備州長船住兼光
 額銘になっていて、大磨上だそうですが今でもかなりの長さがあります。
・刀 無銘 青江
・太刀 銘 備州国分寺住助国
 折返銘になっているのですが、「分寺住助国作」となっていました。
・刀 無銘 左国弘
 かなり刃文が広がっていて皆焼のようでした。場所によって刃文の様子がかなり違って見応えがあります。
・長巻 銘 五拾本内 大慶直胤


○徳川美術館
 今回も閉館時間を狙って刀剣の展示を見られるように3時半ごろに行きました。行ったときはまだ刀剣を見るための列が伸びていましたが、4時半ごろには待ち時間なしで見られました。GWのひどいときは2時間待ちだったそうです。前回は本当に展示室にだれもいませんでしたが、今回は同じように最後に刀剣を見ている人がたくさんいました。
主な刀剣
・太刀 (菊紋)菊一文字 重要文化財
 菊紋はだいぶ見ずらいですが、刃文がとても一文字らしくて良かったです。
・刀 銘 本作長義…(以下58字略)重要文化財
 去年見たときは、特別展の中で人も多かったためじっくり見られなかったのですが、今回は刃文もよく見ることができました。派手ではないのですがとても特徴的で、一目でそれだとわかるような刃文だなと思いました。
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
 研ぎの関係か刃文はうっすら見えるといった感じですが、ゆるやかな刃文が貞宗らしいなと思いました。彫物もたくさんあって貞宗らしさが見られて好きです。個人的には、貞宗や正宗は太刀や刀のときと、短刀や脇指などのときで、雰囲気が全然違うと感じるのでおもしろいなと思います。
・脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎
 見るのは三度目になりますが、一番鯰の尾というのが素直に感じることができた気がします。このような造りは冠落としという名称しか覚えていなかったのですべてそうだと思っていたのですが、菖蒲造りや鵜の首造りといった違いがあるのですね。違いがわかるようにしたいです。
・短刀 銘 吉光(名物 後藤藤四郎国宝
 



《感想》
 今回はどこも人が少なめに感じました。GWにみんな出かけて、この土日は遠出して観光する人は少なかったのでしょうか。名古屋城もエレベーターが待ち時間なしというのは今回初めて見ました。
 これで刀剣を見に名古屋へ訪れるのは4回目ですが、また夏に徳川美術館が刀剣の展示を交えた特別展を開催するそうです。図録の予約受付中だったのでさっそくしてきました。かなりの数の刀剣が掲載されて1000円は図録としてかなり安いと思います。昨年の家康の企画展のときは、展示していた刀剣すべてが図録にのっていなかったので、今回の図録発行はとてもうれしいです。7月頃届く予定なので到着したらぜひ展示を見に行きたいです。
 今回は日帰りで名古屋のみでしたが、今後は名古屋から足をのばして伊勢や岐阜のほうなども訪れたいと思います。



《今回の一振》
  今回の旅行のメインでもあり、初めて見た後藤藤四郎です。きれいな直刃が多いイメージの吉光の短刀にしては、かなりのたれが見られました。刃文が見やすかったのもあり、沸が目立ちました。解説に吉光の作品の中では大きめとあり、確かに短刀の小ささに驚くことが何回かあったので後藤藤四郎は大きめだなと思いました。
 

 三重県の桑名市で、之定作の鳴神兼定が展示されるということで行きたいと思っていましたが、名古屋に近かったので徳川美術館に行くのと一緒に訪れました。大阪と同じように名古屋も刀剣乱舞を始めるまで行ったことのない場所でしたが、この半年で早くも3回目になりました。名古屋は日帰りでも行ける距離なので助かります。


《行った場所》
○桑名市立博物館
 企画展、大定信展が11月23日まで開催中です。博物館はこじんまりとしていますが、展示数は多かったです。刀以外にもおもしろい展示がたくさんありました。特に伝統的な折り鶴の様々な折り方を紹介している展示がおもしろかったです。他の市立博物館と違って市の歴史に関する展示が少なかったので、歴史博物館のようなものではなく、どちらかというと美術館のようです。
 壁に今までの企画展のポスターが貼られていて、そこに学芸員さんのコメントが書かれていましたが、なかなかおもしろいです。考えて展示をされているんだなとわかり、博物館を応援したくなりました。刀剣人気のことも把握しているようでしたので、普段は書かないアンケートを書いて出してみました。
主な刀剣
・脇差 銘 来国光 桑名市指定文化財/鎮国守国神社蔵(三重)
・刀 金象嵌銘 和泉守兼定(之定) 金象嵌銘 鳴神(名物 鳴神兼定桑名市指定文化財/鎮国守国神社蔵

○九華公園
 桑名城跡は公園になっていました。海の側の平城なだけあり、水に囲まれていました。当時は船で城から海に出られたそうです。きれいな色をした橋がたくさんかかっていてよかったです。中にある鎮国守国神社に行ってみましたが、工事中のようでお参りは止めておきました。今回博物館で展示されているものが納められる宝物館らしき蔵も見えましたが、毎年5月2・3日に公開されているとのことです。


○熱田神宮
 今回は茶の道具の特別展を開催中だったので刀の展示はありませんでした。熱田神宮は展示品一覧が出ていないので、名古屋に行くときはとりあえず行くことにしていますが、こういったパターンもあるのですね。ちょうど七五三の時期だったので、おめかしをした小さい子がたくさんいてかわいかったです。宝物館も含めて相変わらず人が多い場所でした。

○徳川美術館
 こちらもいつも人が多い場所ですね。企画展は茶の湯の名品展でしたが、書状がたくさん展示されていて、そちらもおもしろかったです。もっと崩し字が読めるようになったら楽しめるだろうなと思いました。徳川美術館は、全部をじっくり見ると、どうも数が多すぎて疲れてしまいます。興味のあるところ以外は軽く見るぐらいがちょうどいいなと思いました。
 遅い時間にいったので、最後に入口付近の刀剣展示をもう一度見に行ったらだれもいませんでした。人が全然いない徳川美術館は土日では難しいと思うので、じっくり見たいなら閉館間際を狙うのも良いなと思います。解説が刀の造りのことについては全然書かれていないので、少しでも書かれているといいなと思いました。
 今回は時間があったのでデジタルライブラリーなども見ました。今までの展示で見たものを映像で見るとすっと頭に入るので、やはり展示会も予習をしてから行くといいのかなと思います。
主な刀剣
・太刀 銘 光忠 国宝
・刀 無銘 郷義弘(名物 五月雨郷重要文化財
・脇指 銘 貞宗 本阿(花押)
・短刀 銘 吉光
・刀 銘 備前国住長船彦左衛門尉祐定 永正二年八月日


《感想》
 桑名駅は名古屋駅から30分ぐらいで行けるのでとても便利でした。三重といったら伊勢神宮がありますが、宝物館の工事もそろそろ終わるようですね。11月に入ったら、奉納されている刀剣を交えての講演があるとのチラシを見ました。講演会の日程は合いませんでしたが、伊勢神宮にはぜひ行ってみたいと思います。
 熱田神宮、徳川美術館でクイズラリーを開催中でしたが、今回は名古屋城に行く時間はなかったので参加はしませんでした。訪れるのがいつになるかわかりませんが、名古屋城は好きなので、行きたいなと思いました。


《今回の一振》
 今回は桑名市博物館の鳴神兼定です。細身で鋭い印象をもちました。金象嵌銘がとてもきれいです。鳴神という金象嵌銘は裏にあるので見えませんが写真が置いてありました。鳴神という名前は目貫に風神雷神が描かれているからだそうですが、今回は展示がありませんでしたし、保管はされているのでしょうか。もともと松平家が持っていたものを酒井家に贈り、ずっと酒井家が所蔵していたそうですが、しばらくしてから松平家が説得して再び手に入れたとありました。何度も詰め寄ったと解説がありおもしろかったです。






 前日は移動だらけの1日でしたが、この日は名古屋を中心に見ていきました。

《行った場所》
○三河武士のやかた家康館
 岡崎公園は整備されたきれいな公園でした。先に家康館に行きましたが、開館したばかりの時間だったこともあり、のんびりとみられました。中は広くてきれいな博物館でした。展示は家康を中心に戦国時代全体の歴史が勉強できます。特別展で瀧山東照宮の宝物展を開催中でした。刀や槍の模造刀を持てたり体験できるものも多かったです。
主な刀剣
・太刀 銘 長光 重要文化財 瀧山東照宮蔵(愛知)
・短刀 銘 備州長船祐定 永正六年八月日 瀧山東照宮蔵
・槍 蜻蛉切(写) 龍城神社蔵(愛知)
・槍 銘 秋廣 主本多中務大輔忠勝所持 岡崎市蔵(愛知)

岡崎城・竜城神社
 中は博物館になっていて、比較的広々とした造りになっています。新刀メインですが、刀剣の展示がたくさんあって驚きました。三河で作られたものが多いようです。また、拵と一緒に展示されているものが多いのが特徴です。
主な刀剣
・刀 銘 兼元 竜城美刀会蔵(愛知)
・槍 三州田原住正眞 竜城美刀会蔵
蜻蛉切を作った人の作品のようです。
・槍 銘 信国 竜城美刀会蔵
・槍 銘 三州藤原来兼房 竜城美刀会蔵
                            他多数


○熱田神宮
 4月に続いて2回目でしたが、どんなに暑くても敷地内はひんやりしていました。人が多い場所ですが、特にアジアからの観光客が多いなという印象です。宝物殿は、刀剣がたくさんあるのですが、目録がなく、人もそこそこいるので、記録しながら見るのには向かない施設です。受付で熱田神宮所蔵の刀剣の図録があるので買いましたが、すべてが載っているわけではないので、やはり記録したいならがんばる必要がありそうです。
主な刀剣
 ・短刀 銘 国光 徳治三(以下切) 重要文化財
 ・太刀 銘 真長 重要文化財
 ・太刀 銘 国友 重要文化財
 ・脇指 銘 吉光 亀王丸(号 蜘蛛切丸愛知県指定文化財
 ・脇指 銘 相州住綱広
 ・太刀 銘 真利
 ・刀 銘 兼元
 ・剣 銘 国□ 伝国宗
                他多数


○徳川美術館
 今回の旅のメインです。2回目ですがここは常に人が多い気がしますね。刀剣乱舞にハマる前は博物館どころか日本史にすらあまり興味がなかった自分にとっては、大関ヶ原展のときもそうでしたが、美術館・博物館にこんなに人が来るのかと驚きます。今回は家康に関係した特別展でしたが、とにかく展示品が多く、最後まで見終わる頃には皆さん疲れた様子でした。来たかいがあって刀剣も貴重なものをたくさん見られました。
主な刀剣
・太刀 銘 長光(名物 津田遠江長光国宝
・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
・短刀 銘 宗近(名物 海老名小鍛冶
・刀 銘 本作長義(以下58字略)重要文化財
・太刀 銘 備前国長船住守家(名物 兵庫守家重要文化
・太刀 無銘 一文字 重要美術品
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
・太刀 銘 国俊(名物 鳥養国俊) 重要美術品
・短刀 銘 吉光(名物 包丁藤四郎重要美術
・刀 無銘 一文字(名物 南泉一文重要文化財
・太刀 銘 来孫太郎作(花押) 正応五年壬辰八月十三日 国宝
・刀 無銘 兼永 重要美術品
・刀 無銘 正恒 重要美術
・刀 銘 以南蛮鉄於武州江戸越前康継 慶長十九年八月吉日
・短刀 無銘 正宗(名物 包丁正宗国宝
・短刀 無銘 正宗(名物 若江十河正宗
・短刀 銘 相州住正宗 嘉暦三年八月日(名物 大阪長銘正宗
                                     他多数


《感想》
 前日に引き続き1日でかなりの数の刀剣を見ることができました。熱田神宮と徳川美術館は人が多いので、一つの刀をじっくり見るのが難しいですね。遠方なので、人が少ない日や時間帯を狙って行くというのができないのが残念です。
 今回の旅行では、図録をたくさん買ってしまいました。写真があると、このように記録を書いていても、思い出し方が全然違います。名前だけだと思いだせないものばかりですから。写真が撮れない施設のほうが多いので、たくさん刀剣を所蔵しているところは、ぜひ所蔵刀剣を集めた完全版の図録のようなものを出してほしいと思いました。


《今回の一振》
 一番印象に残ったのは短刀の海老名小鍛冶です。海老名宗近と載っている本が多いですが、徳川美術館では小鍛冶となっていました。今回買った図録に写真が載ってなかったのが残念ですが、短刀ながら目釘穴が4つも空いていたり、彫物が茎まではいっていたりと、変わった姿をしていたので目を引きました。文化財指定されていないところをみると、美術的・歴史的価値はあまり高くないようですが、他と少し違った姿というのは、素人目にはわかりやすくてとても良いです。



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