だいぶ前になりますが、京博の特集陳列―刀剣を楽しむ―に行ってきました。彦根城博物館でも、刀剣展示を行っていたので、合わせて行ってきました。今回観光のメインは彦根で、京都は京博のみになります。

《行った場所》
○彦根城
 初めて行きました。彦根駅で自転車を借りて周ったのでとても楽でした。周辺は平坦ですが、天守は小高い丘の上に建っています。意外と坂が急なので、距離は短いですが登ったら疲れてしまいました。木造の現存天守で、あまり大きくはありません。犬山城より少し大きいくらいでしょうか。鉄砲や弓で攻撃するために使われる狭間がずいぶん多いなと感じました。城内の解説や展示は少なめです。
 天守に行ったあとは、彦根のマスコットキャラクターひこにゃんのパフォーマンスを見ました。とてもゆるくて思わず笑ってしまいました。

○彦根城博物館
 井伊直弼の甲冑と刀剣展を開催していました。井伊家は600ほどあった刀剣を、関東大震災でほとんど失ってしまったそうです。今回博物館内には、特集展示と常設展示合わせて7振の刀が展示されていました。館内は写真撮影可能なのですが、照明の関係からか展示位置の関係からか、妙に撮りにくかったです。博物館の敷地内には庭園もあり、とてもきれいでした。

主な刀剣
・刀 銘 粟田口一竿子忠綱 正徳三年二月吉日
 銘も刃文もきれいに見られて、濤瀾刃がとてもわかりやすかったです。新刀なので反りが全然なく直刀のようでした。
・脇指 銘 長曾根興里入道虎徹
 こちらも銘がよく見えました。新刀は茎がきれいに残っているので、銘がとても読みやすいので助かります。
・脇指 銘 長曾根興里入道虎徹
・刀 無銘

・太刀 銘 正恒
 細長く、刃文はきれいな直刃でした。
・刀 無銘 伝保昌貞宗
 大磨上げ無銘とのことですが、そこそこ長さがあるので、磨上げ前はかなりの長さだったのでしょうか。
・脇指 額銘 尉恒次
銘がとても見やすくきれいに残っています。磨上げられているからか、アンバランスな印象をうけました。


○玄宮園・楽々園
 彦根藩の下屋敷で、玄宮園は回遊式庭園になっています。池がかなり大きく、きれいな橋がたくさんかかっていました。隣の楽々園は現在改修工事中で中には入れなかったのですが、外から見られる建物の内装がとてもきれいでした。

○埋木舎
 井伊直弼が藩主になるまでの間に過ごした家だそうです。屋内には入れず、庭もあまり広くない普通の住宅といった規模ですが、所せましと展示がしてあり、見応えはありました。大河ドラマでよく使われる場所だそうで、大河ドラマについての解説も多かったです。

○龍潭寺
 彦根駅から少し離れたところにあるお寺です。井伊家が佐和山城主だったときに深くかかわりがあったそうです。石田三成ゆかりの地でもあり、銅像が建っていたり、展示物もたくさんありました。夕方に行ったので、うす暗さや人気のなさもありとても入りにくい雰囲気だったのですが、中の枯山水のお庭がとてもきれいで良かったです。昔は寮としても使われていたらしく、どことなくそんな雰囲気を感じられました。
 三成に関する展示の中に、石田正宗と石田貞宗が写真付きで紹介されていました。写真は文化財指定でよく見られる白黒の写真でしたが、所蔵が個人名だったので、おそらく東京国立博物館に寄贈される前に書かれたもののようです。



○京都国立博物館
 今回の旅行のメインです。8時頃に京都駅からバスにのっていきました。意外とバスが混雑してなかったのですぐに京博に着きました。公開が始まって最初の日曜日だったので心配でしたが、すでに並んでいたのは30人ぐらいでした。寒さも心配でしたが、並ぶ場所は日がよく当たるので天気が良ければ問題ありません。9時ぐらいまではそこまで人が増えなかったように思います。
 チケットは年パスがあるので買う時間が省略でき、そこで順番が半分ぐらい前になりました。さらに前に並んでいた人の半分ぐらいが、音声ガイドを後回しにして展示室へ行ったので、音声ガイドは2番目にもらえました。そのため、刀剣の展示室は、ほぼ待ち時間なしで見ることができました。


主な刀剣

・薙刀直し刀 無銘(名物 骨喰藤四郎重要文化財、豊国神社蔵(京都)
 見るのは3度目になるので感想は割愛です。
・太刀 銘 安家 国宝
 すごく細身の印象です。全体的に銀色っぽく見えました。
・太刀 銘 貞綱 個人蔵
・太刀 銘 有綱 個人蔵
 木曽義仲が巴御前を手助けしたときに譲られたものという記録が残っているとのことです。昔の伝来が残っている刀は貴重ですね。幅広い刀だなと思いました。
・短刀 無銘(名物 上部當麻重要美術品、個人蔵
・剣 無銘
・太刀 菊御作 重要文化財
 鎺の部分に菊が彫られているとのことですが、よくわかりませんでした。
・太刀 銘 □前国則宗(名物 二ツ銘則宗重要文化財、愛宕神社蔵(愛知)
・太刀 銘 則国 国宝
 すごく細長かったです。

・短刀 銘 吉光(名物 秋田藤四郎重要文化財、個人蔵
 とても細くて小さい印象をうけました。吉光の短刀はたくさん見てきましたが、ここまで小さかったかなと思いました。剣が彫られているのは他の刀と似てるなと思いました。目釘穴が埋まっているのも含めて4つあるのが特徴あって良いと思います。
・短刀 銘 国吉 個人蔵
 こちらもとても小さくて細い印象をうけました。
・刀 金象嵌銘 永禄三年五月十九日義元討捕刻彼所持刀 織田尾張守信長(名物 義元左文字重要文化、建勲神社蔵(京都)
 写真でみるのと実物を見るのでは、全然印象が変わるということがわかりました。
・太刀 銘 物部吉貞 個人蔵
 とても長いです。そのわりには茎が短めな印象です。
・刀 銘 吉行
 坂本龍馬が佩刀していたという刀です。とてもまっすぐでほとんど反りがないなと思いました。
・刀 銘 粟田口近江守忠綱 個人蔵
・刀 銘 長曾根虎徹入道興里
・刀 銘 長曾根興里入道乕徹 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 □忠(名物 膝丸・薄緑重要文化財、大覚寺蔵(京都)
 長く幅広い印象です。反りがかなりあるので古い刀なのだなと感じました。鉄鎺の影響で銘の上の文字がつぶれて読めなくなっているのが残念です。
・太刀 銘 国綱(名物 髭切・鬼切重要文化財、北野天満宮蔵(京都)
 10月に北野天満宮で見ましたが、膝丸と比べると細長い印象をうけました。



《感想》
 京都国立博物館は、外での待機列以外では待たずに見ることができてよかったです。人が多いのもありますが、待ち時間が長くなってしまうのは、展示の解説が多いのが一番影響しているかなと思いました。刀工、造り、伝来について細かく書いてあり、東京国立博物館の5倍10倍の文字量があります。私が展示室に入ったときは、先頭の人が半分ぐらいまでいったところでしたが、やはり進みは遅かったです。解説を読み終わらないうちに、前の人との距離が開いてしまい、詰めないといけない空気がありました。夕方がどの程度混んでるかわかりませんが、朝の半端な時間に行くより、後ろに人が少ない遅い時間のほうがいいかなと思いました。



《今回の一振》
 今回は刀をたくさん見ましたが、一番印象に残っているのは、義元左文字です。見た瞬間、すごく正宗っぽいと思いました。左文字は正宗十哲の一人なので影響がみえて当たり前なのかもしれないですが、こんなに正宗の作風を感じるとは思いませんでした。地鉄と樋がすごく好みです。磨上げられているからかなりアンバランスな印象をうけますが、写真で見るのとは違いとても迫力があります。こちらの記事でとりあげた、籠手切正宗と似た雰囲気を感じました。