土浦市立博物館は、刀剣をたくさん所蔵していると5月頃に知り、ずっと行きたかった場所です。毎年この時期に国宝・重要文化財の刀を展示しているとのことなので、行ってきました。

《行った場所》
○土浦市立博物館
 土浦には初めて行きましたが、近いとも遠いとも言えない微妙な距離です。刀剣の展示は毎月変わるらしいですが、そう何度も訪れられる距離ではなさそうなので残念です。ただ、入館料が大人でも105円と今まで行った場所の中でも無料の場所を除けば一番安いです。近くに住んでいたら絶対毎月行っていることでしょう。土浦の人がうらやましくなります。
 その他の展示については、季節ごとに入れ替えているようなので、土浦市の歴史を一度に学べるというわけではないのですが、入館料のわりには、展示数が多く見応えがあります。建物自体あまり広くはないので、小分けにして何度も訪れてもらうような作りになっているのでしょうね。
 資料が置いてある本棚には、刀剣をたくさん所蔵しているだけあって、一般書籍の刀剣の本も置いてあります。別冊 宝島のようなムック本まで置いてあるのは、博物館にしてはめずらしいと思います。おそらく写真の提供をしたためでしょう。この本棚に置いてあった、土屋家の刀剣の図録が、現在は売り切れで販売しておらず、買えなかったのが残念です。今回見た刀も、目録がなかったのでぜひ図録が欲しいと思いました。

主な刀剣
○短刀 銘 筑州住行弘 観應元年八月日 国宝
○太刀 銘 信房作 重要文化財
○太刀 銘 守家造 重要文化財
○太刀 銘 恒次 重要文化財
○短刀 銘 国光 重要文化財
○刀 無銘 来国光 重要美術品
○短刀 銘 来国俊
○刀 銘 (表)金象嵌銘 影法師
     (裏)銀象嵌銘 右衛門尉持之

○亀城公園
 土浦城は亀城と呼ばれているそうです。跡地が公園になっていますが、あまり広さはないです。本丸があった場所が広場になっていて、前日にお祭りか何かあったようで、片付けをしているところでした。門がところどころ残っていたり、隣にある学校の門に名残があって良かったです。城の隣に学校があるところは多いですが、どこも塀が凝っていておもしろいですね。景観を大事にするためでしょうが、そんな学校に通えるのはとてもうらやましいです。


《感想》
 刀剣の展示は数も多く解説も詳しくとてもよかったです。特に造りについての解説が充実しています。展示の仕方が良いのか刀が本当にとてもきれいに見えました。土浦市立博物館が所蔵している土屋家の刀剣一覧のパネルがありましたが、一覧にされるとその多さがわかります。他の刀剣も見たいと思いました。ちなみに今回見た文化財指定の刀剣については、土浦市の公式ホームページで、拵の写真つきで紹介されています。


《今回の一振》
 今回は影法師の銘が入った刀です。作者については、昭和の本阿弥が相州行光と鑑定したそうですが、今は末左でないかと考えられているそうです。刀の鑑定については、難しすぎてまだどこでどう極めることができるのか全然わかりません。作者不明の刀は展示されていることがあまりありませんが、やはり作者がわからないと、文化財指定もされずらいのでしょうか。この影法師については、解説パネルがありましたが、なんでも武田信玄の影武者が、影武者だとわかる目印のためにこんな銘を彫られているとのことでした。真偽のほどはわかりませんが、とてもおもしろい逸話がある刀だと思います。