薬師寺での大倶利伽羅の展示を観に奈良へ行ってきました。どんなに朝早く出ても到着は開館後の時間になってしまうので、逆にのんびりと昼から行くことにしました。どれだけの混乱があるのか心配でしたが、とても楽しかったです。

《行った場所》
○平等院
 約10年ぶりに行ったのでほとんど覚えていませんでした。また、数年前に大規模な改装工事をしたので、ほぼ初めて見る姿でした。入館料のみで宝物館にも入れるのですが、値段の割にとても展示が充実していてよかったです。博物館を見て映像などを見てから鳳凰堂の内部の見学をすると、理解しやすくてよかったです。雲中供養菩薩像がとても見ていておもしろかったです。

○薬師寺
 昼すぎに到着しました。大倶利伽羅など本日限定の4振を展示しているまほろば会館はすぐに入ることができ、出るまでの所要時間は1時間ぐらいでした。思っていたよりもじっくりと見ることができ、とてもよかったです。
 噂の刀剣展・仏教と刀展をしている宝物庫は、進みが遅いのもあり2時間ほど並んで入ることができました。タイミング良く待機列で、大倶利伽羅などの所有者であるブレストシーブの澤口氏の話を聞くことができました。小夜左文字の公開のときに会っていたので、見かけた瞬間まさかと思いました。とてもおもしろいお話を聞くことができてよかったです。
 記録についてはあまりとれなかったので、大まかなものをのせています。一応展示していた順番ですが、多少間違いがあるかもしれません。

主な刀剣
・太刀 銘 吉家 ㈱ブレストシーブ蔵
 短めの刀身で、山城らしい造りだなと思いました。
・太刀 銘 恒次(名物 鄙田青江恒次) ㈱ブレストシーブ蔵
 厚みがあり、比較的反りが小さいです。鎺に紋がはいっていました。数珠丸と同じ刀工作の可能性があるということで、確かに似た印象を受けました。
・太刀 銘 安綱(号 般若丸重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 すごく細くさらに長くて明らかに反りが強いです。腰反りでなく、アーチのように反っていて、鞘もどんなものなのか興味をもちました。
・刀 無銘(名物 大倶利伽羅広光重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 最初に見た印象は、正宗っぽいというものでした。多少時代が違っていても、やはり正宗の影響が色こくでているものだと感じました。

・刀 勢州桑名住藤原村正 重要刀剣
・太刀 銘 国行 重要刀剣
・太刀 銘 兼光(号 彦根兼光特別重要刀剣
・短刀 銘 国俊 重要刀剣
・太刀 銘 行正 重要美術品
・太刀 銘 安綱
・太刀 銘 正恒 特別重要刀剣
・太刀 銘 豊後国行平 重要刀剣
・太刀 銘 三原正広(号 雲龍正広重要刀剣
・太刀 銘 正宗 重要刀剣
・短刀 銘 左筑州住 重要刀剣
・短刀 銘 左(号 弾正左文字特別重要刀剣
・短刀 銘 村正(号 群千鳥重要刀剣        他多数


○吉野山
 せっかくの桜の時期だったので、桜の名所の吉野へ行ってきました。電車で吉野駅へ行き、そこからバスで吉野山中腹の中千本まで移動し、歩いて下山というルートにしました。若干満開の手前ではありましたが、たくさん桜が咲いていてとてもきれいでした。
 義経や秀吉に関係した寺社が多く、特に竹林院と吉水神社が良かったです。のんびり見ていたつもりはありませんが、4時間があっという間にすぎて帰る時間となってしまいました。


《感想》
 薬師寺は人は多かったのですが、敷地が広いためあまり混雑は感じませんでした。朝のほうが待機列がひどく、刀剣の鑑賞時間もあまり長くなかったようですが、昼にはまったりした雰囲気でした。噂の刀剣展は、2日の入場券を持って入れば後日入れる処置をとってくださったようですが、残念ながら近々奈良には行けなさそうだったので、並んで見てきました。展示量が多く、早めを心がけていても列の進みは遅くなってしまっていました。解説は刀工の説明が中心で、造りなど細かいところにはあまり触れていませんでした。仏教と刀展は展示内容がまとまってわかりやすく、今まで見てきた刀の復習をするような気持ちで見られてよかったです。
 今回所持者である澤口さんから直接お話を聞くことができよかったです。今回のように、中心となっての展示にはあまり前向きではないようでしたが、今後も博物館等へ貸出という形でたくさん見ることができると良いと思います。


《今回の一振》
 今回は大倶利伽羅です。印象としてはまず正宗っぽいと感じたことです。宗三左文字を見たときも正宗っぽいと感じましたが相州伝の雰囲気が好みのようです。切っ先が長く、刃文ののたれは切っ先に近いほうがよく見えました。幅はそこまで広くないので、倶利伽羅龍も思っていたより細い印象です。茎にも目立つ傷のようなものが見えました。鎺には、伊達の紋である竹に雀が彫られていたようですが、若干距離がありよく見えませんでした。
 持ち主の澤口さんがとても良い刀だと話していました。もともととても長い刀で、時代に合わなくなったのに、磨りあげてまで使い続けたのは良い刀の証拠、という話にとても納得しました。いままで磨りあげられたせいで銘がないのは価値が下がりもったいないなと思っていましたが、銘がないほうが良い刀だという考えもあるのだとわかりました。