刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

2017年06月

 都内で現在見られる刀剣の展示をいろいろ行ってきました。刀以外の展示もたくさん見られて楽しかったです。

《行った場所》
○サントリー美術館
 六本木駅の東京ミッドタウンの3階にある美術館です。知ってはいましたが初めて行きました。
 今回は手箱を中心とした展示に、その中に収められていたもの、箱に描かれた模様、手箱と同じように宝として扱われた神宝などが展示されていました。熱田神宮所蔵のものもたくさんありましたが、今まであまり見たことがない類の展示品でおもしろかったです。
主な刀剣
・太刀 銘 光忠 重要文化財、出雲大社蔵(島根県)
 身幅はあまり広くなく、どちらかというと細めでバランスの良い刀です。銘は茎尻のところにしっかりと見られました。刃文は派手すぎず全体的に上品さが感じられる姿の刀です。


○泉屋博古館分館
 同じく六本木にある博物館で、住友財閥のコレクションを展示する施設です。以前は三井記念美術館に行きましたが、都内のこういった施設は刀剣の展示を見に行き始めるまではまったく無縁の場所だっただけに、行くたびに新しい世界を知ったような気がしておもしろいです。
 今回は兵庫県の黒川古文化研究所の刀剣も展示されていますが、前回行ったときには見られなかった刀も多かったのでとてもよかったです。いつもは所蔵刀剣以外のものについて所蔵施設を書くのですが、今回は黒川古文化研究所蔵のものがほとんどなので、泉屋博古館蔵の刀剣のみ、そのように書きます。
主な刀剣
・太刀 銘 守家造 泉屋博古館蔵(東京)
 鎺がとてもおしゃれで見入ってしまいました。
・刀 銘 慶長九年十一月吉日 信濃守国広作 依賀茂祝重邦所望打之 重要文化財
・刀 無銘 伝来国光 
 肌やバランスなどがとても好みな姿です。
・太刀 銘 大和則長作 重要文化財
 解説の砂流しがわかりやくよく見えました。打ちのけもはっきりわかります。
・太刀 銘 為清 
・太刀 銘 国友 
・太刀 銘 国光 重要文化財
・短刀 銘 吉光 
・短刀 銘 来国俊 国宝
 振袖形の茎がすごく特徴的です。隣に展示してある吉光の短刀と比べて無骨な印象をうけました。
・短刀 銘 来国光
・太刀 銘 包平
 包平の刀をあまり見たことがなかったので、ちょっと意外な姿に感じました。早く東博で大包平が見られるといいなと思います。
・太刀 銘 正恒
・太刀 無銘 菊御作 重要文化財
・太刀 銘 宗吉作
・太刀 銘 一 重要文化財
・太刀 銘 国宗
・太刀 銘 真守
・太刀 銘 備前国長船住景光 □□元年□月日 重要文化財
・短刀 銘 備州長船兼光 延文三年卯月日 泉屋博古館蔵
・太刀 銘 備州住長船康光 泉屋博古館蔵
・短刀 銘 備州長船賀光 文明十七年八月日 泉屋博古館蔵
 初めて見る名前です。両刃造りの短刀ということでとてもおもしろい姿をしています。
・太刀 銘 包次 重要文化財
 こちらもかなり独特な姿をしてるなと思いました。
・太刀 銘 守恒
・短刀 銘 鎌倉住新籐五国光 法名光心 正和二二年□月十日
 以前黒川古文化研究所に行ったときにも見ましたが、とても好きです。まっすぐな刃文を見てると心が洗われるような気がします。
・刀 無銘 伝行光 重要文化財
・刀 無銘 伝行光 重要文化財
・刀 無銘 伝当麻
・刀 無銘 伝長谷部国重 重要文化財
 すごく大きくてびっくりしました。いかにも大太刀を摺り上げたような姿です。
・短刀 無銘 貞宗(名物 伏見貞宗国宝
 以前も見ましたがやはり上品さが素敵です。貞宗の短刀を久しぶりに見たからか、こんなに大きかったかなと記憶との差もありました。
・脇指 無銘 郷義弘(名物 籠手切郷
         他多数

《感想》
 2つの施設が思っていたより近くにありました。今回は暑かったのもあり電車で行きましたが歩いて行ける距離です。どちらも刀専用の施設でないにもかかわらずとても見やすい展示で良かったです。都内にたくさんある美術館は、刀剣を所蔵していてもあまり展示する機会が多くないので、こういったチャンスは逃さず見に行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は行光の刀です。2振あってかなり作風が違いますが、後に展示されている26番のものがとても好みの刀でした。行光自体あまり見る機会が多くないので新鮮でよかったです。25番はどことなく正宗を彷彿とさせましたが、26番は比べるとかなり細身で上品さがありました。


 致道博物館で開催された「目で見る刀の教科展」に行ってきました。前回信濃藤四郎を見たのは2年前の9月で、米沢で五虎退を展示しているときでした。刀剣乱舞での信濃藤四郎はその後の4月に実装したので、まだ実装前だったのが懐かしいです。当時は五虎退と信濃藤四郎はよく似ているなと思いました。今回も吉光の短刀を2振そろって見比べることができてとても勉強になりました。
 乱藤四郎がこの土日限定の展示だったのでこの日にしましたが、乱藤四郎は2年前の5月に大阪歴史博物館で展示されていたとき以来なのでさらに懐かしいです。そのときはまだ刀のことをよくわかっていなかったので、今回は初めて見たような心地でした。
 前回は米沢と鶴岡をはしごしましたが、今回は山形駅と合わせて行くことにしました。移動に時間はかかりましたが、JRの土日パスのおかげでかなり安くまわることができました。


《行った場所》
○霞城公園
 山形駅にある山形城跡の霞城公園に行きました。とても広い敷地内に博物館や体育館、野球場などがある総合公園になっています。中央にある本丸御殿跡は現在発掘調査中で、橋や土塀が復元されてきているなど現在進行形で整備されています。今後は運動施設を撤去して平成45年を目安に史跡としての整備を進めているそうで、これからが楽しみです。

○山形県立博物館
 山形の自然環境に関する展示が豊富です。前回訪れた宮崎と同様、動物の剥製がたくさんありました。平成24年に国宝認定された縄文時代の土偶は、縄文の女神という名前の通り他とは違う特徴的な土偶でした。かなり大きめなのも興味深いです。

○最上義光歴史館
 展示量はそこそこ多く施設もきれいなのに入館料が無料な施設です。刀もたくさん展示されていてとてもよかったです。展示位置は遠めですが、角度がとても見やすくていいなと思いました。
主な刀剣
・短刀 銘 則国 重要美術品
 粟田口らしい肌といい刃文の感じといい、とても好みな刀です。
・短刀 銘 備州長船住景光 元徳三年五月日
・太刀 銘 一 備前国吉(以下切) 嘉暦二(以下切)
・太刀 銘 藤光 元和元□□月十□日 給之兼松又四郎源吉政
 舞草刀だそうですが独特な姿をしているおもしろい刀だなと思いました。
・刀(朱銘)来国次
・刀 無銘 元重
・太刀 銘 備□長船盛重(号 吉野川
・刀 銘 月山正信作
 綾杉肌がよくわかります。肌に目がいくぶん刃文は控えめです。
・太刀 銘 八幡宮奉納源家親 出羽国酒田住兼高作 山形市指定有形文化財
 100cmを超えたいかにも奉納刀といった大太刀です。大きな奉納刀は展示替えをするような施設ではあまり展示をしないので、この長さのものを見る機会というのは意外と少ないなと思いました。
・脇指 銘 池田一秀入道龍軒 文政十一年二月日遠茂政所佩刀
・脇指 銘 備前國住長船祐定作 天文六年八月日


○致道博物館
 この日は特別に夜8時まで開館していたため、山形から鶴岡に移動して18時半ごろに博物館に行きました。昼前後は待機列も長かったようですが、夜はあまり待たずに見ることができました。18時からの講演会を展示室内で行っていて、列に並びながら話を聞くことができました。講演会は有備館、薬師寺、佐野美術館で聴いたことがあり今回の致道博物館で4回目ですが、本当に全国でイベントが開催されているんだなと感じました。以前、所持している刀を小倉で展示をしたいというようなことを伺ったので、それが実現したらいいなと思います。すでに財団の刀剣はたくさん見ているはずなのですが、毎回初めて見る刀がたくさんあるのがすごいです。目録がなく、所持刀剣の一覧表もないので、今後の参考に展示していたものの一部になりますが書き出したいと思います。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 乱藤四郎
 よく見る吉光の短刀とは全然違う姿をしているのがよくわかりました。刃文よりも帽子が腰元までずっと下がっているのが特徴的でとても気になります。すごく短いというほどではないですが、かなり細身だなと感じました。一見しただけでは吉光の作だと気づかないと思います。
・短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎重要文化財
 こちらは打って変わっていかにも吉光な姿だと思いました。展示位置がかなり近いので、肌も肉眼でよく見えます。個人的にはこのバランスの短刀が好きです。
・脇指 銘 宝寿 重要刀剣
・脇指 銘 近江大掾藤原忠広
・短刀 銘 国吉
・刀 無銘 兼光 重要刀剣
・脇指 無銘 則重 重要刀剣
・短刀 銘 村正 重要刀剣
・短刀 銘 正真
・刀 銘 月山正信作 鶴岡市指定文化財
・刀 折返銘 備前国長船住元重(号 見返り元重) 重要文化財
・刀 勢州桑名住村正作 (銀象嵌)梵天 重要刀剣
・刀 銘 平安城長吉(号 倶利伽羅長吉重要刀剣
・刀 銘 清磨(号 叢雲
・刀 銘 長曽祢興里入道虎徹 重要刀剣
・刀 銘 □州会津住兼元
・薙刀 銘 同田貫正国 重要刀剣
・刀 銘 兼元(号 二念佛兼元重要刀剣
・刀 銘 以南蛮鉄於駿州越前康継 濃州所生藤原小刑部自珍

以下は昨年4月の薬師寺での展示でも確認できたものです。
・刀 折返銘 正恒 特別重要刀剣
・太刀 銘 安綱 重要刀剣
・太刀 銘 行正 元治元年 重要美術品
・刀 銘 豊後国行平 重要刀剣
・短刀 銘 村正(号 群千鳥
・短刀 銘 左筑州住 重要刀剣
・刀 勢州桑名住藤原村正作 重要刀剣
                  他多数


《感想》
 前回行けなかった山形駅周辺を見ることができてよかったです。4日は生憎の天気でしたが、スタンプラリーを全部まわることができました。歩いて行ける近い範囲に全部そろっているのは助かります。特に大宝館の鶴岡ゆかりの人物に関する展示がおもしろかったです。
 財団の刀の展示はいつも混雑しているときにしか行かないせいか、数がたくさんあるためか、一本一本と向き合って見ることがなかなかできません。自分のメモを見ても、きれい、好き、細い、長い、肌きれいなどパッと見の印象しか記録できていないのが残念です。ぜひ東京など近場で展示をしてくれることがあれば、空いているときにじっくり見たいです。

《今回の一振》
 今回初めて見たものの中で一番印象に残ったのは、平安城長吉作の倶利伽羅長吉と呼ばれる刀です。草の倶利伽羅龍が好きだからというのもありますが、全体のバランスもとても好きです。長吉の名前はよく聞きますが、自分の記録を見返していて、あまり見ていないとわかって意外でした。



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