刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

2017年04月

《行った場所》
○長浜城
 2日目は長浜観光から始めました。駅前はきれいに整備されていて、観光に力を入れ始めたところという雰囲気を感じました。長浜城は公園の中にありますが、桜がとてもきれいでした。城内はあまり広くありませんが、展示は見やすくそこそこボリュームがあり、天守からの眺めが琵琶湖も見えてとてもきれいで良かったです。


○名古屋市博物館
 常設展の展示の仕方はシンプルですが、大きな展示物もあって展示量はそこそこ多い気がします。戦国時代周辺については名古屋城に展示がたくさんあるので、それ以外の時代をまんべんなく紹介していました。各地方の博物館に行くと、中心的に紹介する時代がまったく違うのでおもしろいなと思います。
主な刀剣
・太刀 銘 行平作 重要文化財
 比べていませんが、前日に見た東博の行平とほぼ同じ姿かなと思いました。行平は全体的にとてもわかりやすい姿だと感じます。
・刀 銘 飛騨守藤原氏房
・脇指 銘 飛騨守藤原氏房 個人蔵


○徳川美術館 
 いつもの刀剣展示場所ですが、粟田口大集合ということで、特集展示が行われています。たくさん刀を持っている徳川美術館だからこそできる展示内容だなと思いました。同じ時代、同じ地方の刀を比較して見るのはとても勉強になるので、他の施設でもやってほしいです。
主な刀剣
・短刀 銘 久国
・刀 無銘 国安 重要美術品
・太刀 銘 国綱 重要文化財
・剣 銘 国吉 重要美術品
 地鉄のきれいさが好みです。国吉は数をあまり見ないのでもっと見たいなと思います。
・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
・短刀 銘 吉光(名物 後藤藤四郎国宝
 見るのは2回目ですが長さがあるのと乱れているのとで、ぱっと見では吉光っぽくない姿だなと感じました。ただ、刃文もそこまで派手な印象はうけない落ち着いた刃文だと思います。
・短刀 銘 吉光(名物 包丁藤四郎重要美術品
・短刀 無銘 吉光(名物 無銘藤四郎
・短刀 銘 吉光
・刀 無銘 左国弘 


《感想》
 名古屋市博物館はずっと気になっていましたが、今回重要美術品の行平の太刀が出るということで行くことができました。市町村立の博物館は必ずあるものではありませんが、その土地を知るうえでおもしろい展示内容が多いので、できる限り行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は初めて見る無銘藤四郎です。来国俊と間違えられていたそうですが、どちらもなめらかな地鉄を持っているので好きです。

 福井市立郷土歴史博物館で始まった、刀身彫刻に焦点を当てた展示に行ってきました。徳川美術館での粟田口大集合も見たかったため、少し無理やりですが合わせていってきました。昔金沢に住んでいたので、小さいときに何度も福井は行ったようですが記憶がないので初めて行った気分でした。

《行った場所》
○ 越前大野城
 福井駅までは北周りで夜行バスで行きました。福井駅から越前大野駅まで行く越美北線がまさかの3時間に一本だったのでどうなることかと思いましたが、バスが予定時刻前に着いたため一本早い電車に乗れました。
 越前大野まで電車で行くと、入館料が無料になったり、飲食店でサービスがつくクーポンが付いた「食べ歩き見て歩きマップ」をもらえます。とにかくびっくりするほどお得なパスポートなので、絶対に手に入れたほうがいいと思いました。
 越前大野城はかなり坂を登りますが、しっかり舗装された道なので歩きやすかったです。建物の中は最近リニューアルされてとてもきれいでした。展示の中に発掘された錆びてボロボロになった短刀がありました。大きさや形からなんとなくの印象で来派や粟田口っぽいなと感じました。

○武家屋敷旧田村家・内山家
 どちらも内装がきれいでとてもよかったです。旧田村家には襖のすりガラスに八景が描かれていましたが、つい先日土浦で八景についての展示を見たばかりだったので少し感動しました。越前大野城の城主を務めた土井家は古河の展示で見た土井家とつながりがあったりと、各地で見てきた人物がつながってるのがおもしろかったです。

○大野市歴史博物館
 展示の中に蝦夷地開拓のために造られた大野丸という船についてのことがありましたが、このあたりのことについても、つい先日茨城県立歴史館でアイヌに関する展示で似たような展示を見たのでおもしろかったです。

○柴田神社
 電車の本数が少ないこともあり福井市に戻ってきたのは16時でしたが、博物館が19時までやってるということで柴田神社にも寄りました。公園と史跡と神社が一体になったとてもきれいな場所でした。最近になってお市の方まわりのことを覚えてきましたが、資料館にあった家系図を見て改めて戦国時代の血縁関係のすごさを感じました。

○福井市立郷土歴史博物館
 駅から博物館までいくあいだに、福井城跡の県庁を通っていきましたが、桜が満開でとてもきれいでした。 ニュースにもなっていましたが、開花宣言から2日で満開になったそうです。遠くに見える山の真っ白な雪化粧と桜のコントラストがとてもよかったです。
 博物館は夕方の遅い時間に行ったので展示室はほとんど人がいなくて貸し切り状態でした。今回諸事情で福井には1日しかいられなかったので、博物館が19時までやっているのはとても助かりました。結局ほぼ閉館時間まで2時間ほどかけてじっくり見ました。展示位置は少し遠いので単眼鏡が欲しいなと思いました。展示位置は少し低めですがかがまないでもちょうどいい角度の展示方法でした。
主な刀剣
 ・直刀 銘 傘笠正峯作之 癸亥年二月日 石川県立美術館蔵(石川県)
 七星剣の写しです。以前どこかでも同じように写しを見たような気がするのですが、記録がなかったのでわかりませんでした。
 ・太刀 銘 豊後国行平作 重要文化財、東京国立博物館蔵(東京都)
 ・短刀 明 行平作
 行平の短刀は初めて見ました。透かし彫がとてもきれいで、茎が特徴的な形をしてるなと思いました。
 ・太刀 無銘 伝古一文字 重要刀剣、個人蔵
 ・太刀 銘 備州長船住景光 延慶二年七月日 重要美術品、東京国立博物館蔵
 ・短刀 銘 国光
 ・脇指 朱銘 左安吉 重要刀剣、個人蔵
 ・刀 短冊銘 信国
 切刃造りとたくさんの飛焼と彫物で、視覚的な情報量が多すぎて見た瞬間になんだこの刀はと思ってしまいました。
 ・脇指 銘 相州住廣正 宝徳元年十月日
 ・短刀 銘 アリハウシ
 展示では見られませんでしたが写真で見られる反対側の食違樋がめずらしくておもしろいです。展示で見られない反対側の彫物に関しては親切に写真を展示してくれていますが、普段見ない変わった彫物が多いため、反対側のほうが実際に見たかったなと思う刀がたくさんありました。
 ・槍 銘 家次 個人蔵
 彫物が岩石だそうなのですが、本当に石でなんだこれという感じです。とにかく驚くほど精巧な石でした。
 ・刀 銘 大和国住川瀬貞真彫同作 平成二十三年卯月吉日
 現代刀もたくさん展示していましたが、この刀が一番好みです。相州伝らしさをとても感じ、観世正宗とかそんな印象です。
         他多数  


《感想》
 越前康継の刀が写した刀がたくさんありましたが、安宅貞宗や梅竹貞宗など今は見られないものがたくさんあり、往年はこんな姿だったのかなと想像しました。ただ、写しも刀匠の個性が表れていて、まったく違う印象を受けるものもあるなと強く感じました。個人蔵のものが多く、なかなか見る機会がないものを見られてとてもよかったです。


《今回の一振》
 東博所蔵の景光の太刀です。今まで見たことなかったので最近は展示されていなかったのでしょうか。景光といえば彫物のイメージが強いですが、この刀の孕み龍も細かさやバランスがとてもよかったです。

 4月から国立博物館の年間パスポートが特別展なしのものになるため、年度末に作ってきました。今年は酉年ということでパスポートのデザインは鶏の模様の刀の鍔です。まだまだ見られていない東博所蔵の刀は多いため、今年も期待したいと思います。

《行った場所》
○東京国立博物館
 千代田区のスタンプラリーのあとに行ってきました。上野公園も桜はまだまだといった様子でしたが、すでに花見をしている人もたくさんいました。上野は団体での観光ルートに入っているのか最近は大型の観光バスをよく見かけます。
 刀剣の展示は1階の13室ではめずらしく新刀のみの展示となっています。2階の5室では獅子王の展示が始まりました。休日はどちらも混雑しているのでゆっくり写真を撮りにくいですが、新刀は銘や刃文が写真にくっきりと写りやすいので後から見返したときにとてもきれいに見えて勉強になります。
主な刀剣 
・ 脇指 銘 武蔵大掾藤原忠広
・刀 銘 肥前国佐賀住正広
・刀 銘 肥前国相模大掾忠宗作 甲割 元禄十五年八月日
・刀 銘 肥前国住近江大掾藤原忠広
・脇指 銘 肥前国住人土佐守藤原忠吉
・脇指 銘 大和守安定
・薙刀 銘 越前国下坂
・脇指 銘 (菊紋)山城守藤原国清 鍛南蛮鉄剣之
・薙刀 銘 土佐住藤岡兵庫朝国作之 文久三年癸亥六月選之
・飾鏃 毛彫銘 埋忠 吉信

・太刀 無銘(号 獅子王重要文化財
・太刀 銘 吉家
・短刀 銘 備州長船住兼光 大神山神社蔵(鳥取県)


《感想》
 桜の季節ということで、桜がモチーフとされている美術品が多く展示されていました。最近は季節を感じられるものを身近に置きたいと思っていたので、イメージとして少し参考になりました。桜の時期は上野がとても混雑するため、博物館に行くまでだけで疲れるほどですが、また平日や夕方を狙って行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は越前の国清の脇指です。新刀は彫物が多くみられますが、この脇指は今の季節にあった梅の彫物がとても良かったです。今回の梅や草の倶利伽羅など、少しシンプルな彫物で刃文も派手すぎない刀が好みだと実感しました。
山城守国清1
山城守国清1解説
山城守国清1彫物
山城守国清1茎


 

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