茨城県の古河市にある古河歴史博物館に行ってきました。11月27日まで「赤羽刀」と日本刀名品展を開催中です。古河駅は初めて訪れましたが、博物館の周辺はきれいに整備されていて、昔は城がそこにあったことを連想させる趣のある街並みがつくられていました。都内からも訪れやすく展示もすばらしいものばかりだったので、ぜひ期間中に見てもらいたいです。

《行った場所》
○古河歴史博物館
古河歴史博物館は、平成11年に赤羽刀を譲渡されてから何度か刀剣展を開催しているそうです。そのため、刀の展示専用ではない施設でも、見やすくなるように工夫がされていました。また、解説がとても多く見どころなどがわかりやすくてよかったです。個人蔵のものが多く、なかなか見る機会がないと思うので今回の展示を見に行ってよかったです。
主な刀剣
・刀 無銘 伝来国行 重要美術品、個人蔵
 大磨上げでも傷ひとつないような健全な姿でとてもきれいです。地鉄がよくつんでいるという解説のとおり美しさを感じました。
・太刀 銘 国俊 重要刀剣、個人蔵
 細い直刃がすっとはいっていて繊細な印象の刃文でした。長い刀だなと思ったら75cmありましたが、迫力がある長さというよりも長くてもバランスの良さを感じました。
・短刀 銘 来国光 観応二年六月 重要刀剣、個人蔵
 すこし長めな短刀で、こちらは刃文が広い直刃でした。以前刀剣博物館で来派の刀を並べて見たときも思いましたが、来国光からは相州っぽさを感じます。

・短刀 銘 村正 重要刀剣、個人蔵
 大互の目と大のたれでとても迫力のある刃文でした。身幅も広いところも迫力を感じます。
・短刀 銘 環 赤岩住 個人蔵
 環というのは源清磨のことでめずらしい銘だそうです。短刀の形はしていますが9.6cmととても小さく、刀とは思えないような小ささです。

・刀 無銘 長義 重要刀剣、個人蔵
・刀 金象嵌銘 義光 本阿(花押) 重要刀剣、個人蔵
 隣の長義と比べるとだいぶ細身に感じます。刃文の互の目が規則的にはいっていて備前らしくていいなと思いました。
・刀 金象嵌銘 長守 本阿(花押)重要刀剣、個人蔵
・脇指 銘 常州東条高田住英定作 天正十年八月日 古河市指定文化財、三和資料館蔵
 平造りの脇指ですが、42cmもありかなり変わった姿をしています。

・刀 銘 備前介藤原宗次 嘉永六年八月日
 こちらが古河歴史博物館が所蔵する赤羽刀です。大きな互の目乱れが派手で、全体的には固い印象をうけました。
・刀 銘 水心子正秀 天明五年二月日 彫同作 特別保存刀剣、個人蔵
 大きく倶利伽羅龍が彫られています。刃文の大互の目が彫り物のある場所は小さく、切っ先のほうは大きく焼かれていてよく計算されてつくられているなと感じました。
・刀 銘 葵崩紋 個人蔵
 烈公こと水戸藩主徳川斉昭が作刀したものです。意外とみる機会が多く、これで四振り目ぐらいな気がします。解説に烈公の特徴の八雲肌とありましたが、確かに雲のような肌がよく見えました。

・刀 銘 以南蛮鉄 於武州江戸 越前康継 重要刀剣、個人蔵
・薙刀 銘 大和国藤原包宗 個人蔵
・短刀 國廣 重要刀剣、個人蔵
 表に梵字、裏に大黒天が彫られていて、展示は表でしたが写真で裏の大黒天も見せてくれる親切な気配りがされていました。
・刀 銘 日州古屋住国広作 天正十四年八月朔日 豊田安宗刀 重要刀剣、個人蔵
 彫り物の真の倶利伽羅龍がとてもかっこよかったです。
・脇指 銘 長曾祢興里入道乕徹 重要刀剣、個人蔵
 すごく肌がきれいで目をひかれました。
・刀 銘 陸奥大掾三善長道 延宝五丁巳八月日(号 池田長道重要刀剣、個人蔵
 解説によると、池田屋事件の功績により松平容保から近藤勇に贈られた刀とのこと。作者の三善長道は会津虎徹と言われるほどの刀工だそうです。他にも調べていたら以前は靖国神社の遊就館にあったという話も見ました。逸話が多くておもしろい刀だと思います。


《感想》
 思っていたよりもずっと満足する展示内容でした。展示位置が低めなのはしょうがないとしても十分見やすく展示されているし、解説の多さは今まで見た施設の中でも上位だと思います。刀工、造り、来歴等についてたくさん書かれていてとても全部は記録できませんでした。あまり人が多くないのでゆっくりじっくりと見られたのもよかったです。
 最初古河の名前を聞いたときに何県かわからなかったのですが、本当に埼玉と栃木に接して3県にまたがるような位置にあり、常設展での地域の歴史も見ていておもしろいなと思いました。古河駅は茨城県なのに川の対岸にある新古河駅は埼玉県というのもおもしろいです。ぜひまた刀剣の特別展を開催したら訪れたいです。


《今回の一振》
 今回は備前長義作の刀です。どっしりとした大峰の刀で、とても南北朝期らしさを感じました。解説に、長義は備前ばなれしている刀工と書かれていましたが、今まで見た長義の刀の中でもより相州に近い作品だと思いました。