刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

 広島県立美術館で5月29日まで徳川名宝展を開催中です。各地の博物館などの所蔵品を集めた特別展で、今まで行った場所のものもあれば、行きたいと思っていた場所の所蔵品も見ることができました。
 初めて広島に行ったので、今回は行きたかった観光地も見てまわりました。

《行った場所》
○宮島
 昼に行ったときちょうど干潮の時間だったので、大鳥居の近くまで歩いて行くことができました。18時ぐらいのときはかなり潮が満ちていましたが、厳島神社はそこまで海につかってなかったので、うまく設計されているなと思いました。
○弥山
 ロープウェイを乗りついで頂上近くまで行き、そのあとは山登りをしました。登る予定ではなかったので靴はパンプスだったのですが、特に問題なく登りきることができるぐらいの道のりでした。途中の道は景色があまり見えないところが多くそこまでといった印象ですが、登りきった頂上からの景色がとてもすばらしかったです。
○厳島神社・宝物館
 初めて行きましたが、神社というよりも舞台がメインのように感じました。もっと常に水につかってるものかと思っていたので、1日のほとんどの水から出ているというのが意外でした。
 宝物館は、常に刀剣の展示があるようです。国宝や重文のものは出ていなかったのですが、有名な刀工のものが多く、とても良かったです。
主な刀剣
・短刀 銘 国光
 国の字に目釘穴がかぶっていました。元就の重臣である桂元澄が納めたそうです。厚みがあって相州っぽさを感じました。
・短刀 銘 天國
・短刀 銘 相州住綱広
 彫られた省略した倶利伽羅龍(草の倶利伽羅だそうです)がおしゃれでとてもよかったです。
・大太刀 銘 三州高力住長吉作 万治三庚子年三月吉日
 すごく大きくて幅がある刀です。鎺に見慣れない家紋が彫られていて気になりましたが、高力氏の紋の鳩字紋というそうです。
・太刀 銘 末行
 生ぶの茎で、鉄鎺も作刀時期と同じ南北朝から室町当時のもので貴重とのことです。
・太刀 銘 国綱 
 鍛えに京鍛冶らしさを感じることができました。

○広島県立博物館
 開館に合わせて行ってきました。音声ガイドは声優の山下大輝さんです。静岡県出身で徳川ゆかりの地だからというつながりでの音声ガイドだそうです。音声ガイドの長さはまちまちですが、刀剣だけは展示品のほとんどにガイドがついており、さらにとても長くて明らかに他との違いを感じました。展示が若干下のほうにあり刃文が少し見ずらいように思いました。刀剣以外の展示も盛りだくさんで、展示室が広いのもあり、屏風や障子絵などかなり大きな展示品が多かったです。
主な刀剣
・槍 銘 南無八幡大菩薩 徳川ミュージアム蔵(茨城)
 以前羽田空港の美術館で見たものと同じものでした。
・太刀 銘 宗近村上 東京国立博物館蔵(東京)
・太刀 銘 来国光 附黒漆打刀拵 重要美術品、徳川記念財団蔵・東京国立博物館寄託(東京)
 家康の代表する刀剣の一つだそうです。現在は67.8cmだけれど、元々はかなりの長さがあったとのこと。シンプルな拵は家康の特徴的なものだそうで一緒に展示されていました。
・刀 金象嵌銘 正宗 本阿(花押) 本多中務所持(名物 中務正宗) 国宝、文化庁蔵
 展示の目録では名物について書いていませんが、解説では言っていました。中務正宗は桑名正宗ともいうそうですね。磨りあげられてかなり短めだなと思いました。
・刀 金象嵌銘 光忠 本阿(花押) 重要文化財、東京国立博物館蔵
 まだ見たことのなかった光忠の刀ですが、ずいぶん幅が広いなと思いました。刃文がかなり派手で見応えがあってよかったです。
・太刀 銘 筑州住左(名物 江雪左文字国宝、ふくやま美術館寄託(広島)
 昨年九州国立博物館で見ましたが、そのあとも何度か展示していました。去年みたときは刀を見はじめた頃だったのであまり気になりませんでしたが、かなりの長さがあるのだと気づきました。宗三左文字ほどではないですが相州っぽさを少し感じました。


○広島城
 建造物は再建のものもほとんどありませんが、敷地はとても広く平城としてなかなか雰囲気がありました。
 つい最近まで刀剣展をしていたようですが、常設のみでも意外と多くの刀剣が展示されていました。
主な刀剣
・脇差 銘 播磨守輝廣作
 この輝廣作の刀は、脇差2、刀1、短刀1が展示していました。
・脇差 銘 大山住宗重
 こちらは赤羽刀で、ほかにも赤羽刀がいくつか展示していました。
・刀 芸州住藤原兼光 寛文四年甲辰三月日 個人蔵
・刀 丹波守吉道 重要刀剣
・太刀 銘 雲次 重要刀剣
・刀 無銘 伝兼長


○広島平和記念資料館
 広島が初めてなのでこちらも初めて行ってきました。資料館という名のとおり、残ったものをもとに起きた出来事を、経過や結果など淡々と解説していました。感情で訴えてくるような体験記や映像作品と違い、冷静に考えさせるような展示方法だと感じました。展示室が新しくてきれいなのと、室内が明るめの照明だったのも意外でした。来館者は外国の方がほとんどで、とても混雑していて展示がじっくり見られないほどでした。展示品の一部にある体験者の直筆の文字などは訳されていないので、そちらのほうが心にきたので外国の方が読めないのはもったいないなと思いました。昔からこんなに外国の方が多かったのかどうかはわかりませんが、みなさんとても真剣に見ていました。
 

《感想》
 意外と多くの刀剣を見ることができました。厳島神社や県立美術館は解説も充実していたのでよかったです。
2日間とても天気が良く暑いほどでした。広島は繁華街がコンパクトで便利だなと思いました。路面電車は都内やこれまでの旅行で見たものはどれも一両編成なので、二両以上あるのも便利で良いなと思いました。


《今回の一振》
 今回は中務正宗です。広島県立美術館はあまり刃文が見やすいようになっていなかったのですが、中務正宗は見やすかったです。意外と刀身が短く切っ先も長めでかなり磨りあげられているような印象です。

 薬師寺での大倶利伽羅の展示を観に奈良へ行ってきました。どんなに朝早く出ても到着は開館後の時間になってしまうので、逆にのんびりと昼から行くことにしました。どれだけの混乱があるのか心配でしたが、とても楽しかったです。

《行った場所》
○平等院
 約10年ぶりに行ったのでほとんど覚えていませんでした。また、数年前に大規模な改装工事をしたので、ほぼ初めて見る姿でした。入館料のみで宝物館にも入れるのですが、値段の割にとても展示が充実していてよかったです。博物館を見て映像などを見てから鳳凰堂の内部の見学をすると、理解しやすくてよかったです。雲中供養菩薩像がとても見ていておもしろかったです。

○薬師寺
 昼すぎに到着しました。大倶利伽羅など本日限定の4振を展示しているまほろば会館はすぐに入ることができ、出るまでの所要時間は1時間ぐらいでした。思っていたよりもじっくりと見ることができ、とてもよかったです。
 噂の刀剣展・仏教と刀展をしている宝物庫は、進みが遅いのもあり2時間ほど並んで入ることができました。タイミング良く待機列で、大倶利伽羅などの所有者であるブレストシーブの澤口氏の話を聞くことができました。小夜左文字の公開のときに会っていたので、見かけた瞬間まさかと思いました。とてもおもしろいお話を聞くことができてよかったです。
 記録についてはあまりとれなかったので、大まかなものをのせています。一応展示していた順番ですが、多少間違いがあるかもしれません。

主な刀剣
・太刀 銘 吉家 ㈱ブレストシーブ蔵
 短めの刀身で、山城らしい造りだなと思いました。
・太刀 銘 恒次(名物 鄙田青江恒次) ㈱ブレストシーブ蔵
 厚みがあり、比較的反りが小さいです。鎺に紋がはいっていました。数珠丸と同じ刀工作の可能性があるということで、確かに似た印象を受けました。
・太刀 銘 安綱(号 般若丸重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 すごく細くさらに長くて明らかに反りが強いです。腰反りでなく、アーチのように反っていて、鞘もどんなものなのか興味をもちました。
・刀 無銘(名物 大倶利伽羅広光重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 最初に見た印象は、正宗っぽいというものでした。多少時代が違っていても、やはり正宗の影響が色こくでているものだと感じました。

・刀 勢州桑名住藤原村正 重要刀剣
・太刀 銘 国行 重要刀剣
・太刀 銘 兼光(号 彦根兼光特別重要刀剣
・短刀 銘 国俊 重要刀剣
・太刀 銘 行正 重要美術品
・太刀 銘 安綱
・太刀 銘 正恒 特別重要刀剣
・太刀 銘 豊後国行平 重要刀剣
・太刀 銘 三原正広(号 雲龍正広重要刀剣
・太刀 銘 正宗 重要刀剣
・短刀 銘 左筑州住 重要刀剣
・短刀 銘 左(号 弾正左文字特別重要刀剣
・短刀 銘 村正(号 群千鳥重要刀剣        他多数


○吉野山
 せっかくの桜の時期だったので、桜の名所の吉野へ行ってきました。電車で吉野駅へ行き、そこからバスで吉野山中腹の中千本まで移動し、歩いて下山というルートにしました。若干満開の手前ではありましたが、たくさん桜が咲いていてとてもきれいでした。
 義経や秀吉に関係した寺社が多く、特に竹林院と吉水神社が良かったです。のんびり見ていたつもりはありませんが、4時間があっという間にすぎて帰る時間となってしまいました。


《感想》
 薬師寺は人は多かったのですが、敷地が広いためあまり混雑は感じませんでした。朝のほうが待機列がひどく、刀剣の鑑賞時間もあまり長くなかったようですが、昼にはまったりした雰囲気でした。噂の刀剣展は、2日の入場券を持って入れば後日入れる処置をとってくださったようですが、残念ながら近々奈良には行けなさそうだったので、並んで見てきました。展示量が多く、早めを心がけていても列の進みは遅くなってしまっていました。解説は刀工の説明が中心で、造りなど細かいところにはあまり触れていませんでした。仏教と刀展は展示内容がまとまってわかりやすく、今まで見てきた刀の復習をするような気持ちで見られてよかったです。
 今回所持者である澤口さんから直接お話を聞くことができよかったです。今回のように、中心となっての展示にはあまり前向きではないようでしたが、今後も博物館等へ貸出という形でたくさん見ることができると良いと思います。


《今回の一振》
 今回は大倶利伽羅です。印象としてはまず正宗っぽいと感じたことです。宗三左文字を見たときも正宗っぽいと感じましたが相州伝の雰囲気が好みのようです。切っ先が長く、刃文ののたれは切っ先に近いほうがよく見えました。幅はそこまで広くないので、倶利伽羅龍も思っていたより細い印象です。茎にも目立つ傷のようなものが見えました。鎺には、伊達の紋である竹に雀が彫られていたようですが、若干距離がありよく見えませんでした。
 持ち主の澤口さんがとても良い刀だと話していました。もともととても長い刀で、時代に合わなくなったのに、磨りあげてまで使い続けたのは良い刀の証拠、という話にとても納得しました。いままで磨りあげられたせいで銘がないのは価値が下がりもったいないなと思っていましたが、銘がないほうが良い刀だという考えもあるのだとわかりました。

 桜がかなり咲いてきたこの時期に行ってきました。天気が良い昼間だったので上野駅はものすごい人混みでした。人を避けたいのであれば桜の時期は鶯谷から行ったほうが良いでしょう。博物館内も全体的に人が多かったのですが、刀剣の展示場所だけを見ればいつもよりじっくり見る人が少ないため空いている印象です。

《行った場所》
○東京国立博物館
・直刀 無銘(号 水龍剣重要文化財
 奈良時代に作られた直刀です。直刀は神社の宝物館などでたまに錆びついたものを見かけますが、きれいな状態を見られるのはあまりないのでとても良かったです。鎺の造形がきれいでした。
・太刀 銘 康次 重要文化財
 古青江派の刀工の作品でかなり長い刀です。縮緬肌が特徴ということで、地鉄はまだまだ理解できていないのでとても興味深く見られました。
・太刀 銘 国安
 後鳥羽院の番鍛冶だった国安の貴重な在銘作品らしく、価値のあるのになぜ文化財指定がされていないのかなと少し疑問に思いました。
・太刀 銘 包永 重要文化財 個人蔵
・太刀 銘 吉宗 重要文化財、筑波山神社蔵(茨城県)
・太刀 銘 長光(号 大般若長光国宝
 丁字刃に互の目交じりの刃文がとてもわかりやすいです。以前見た蜂屋長光もですが、全体に対して茎が短めなため、全体的に短い印象をうけます。
・刀 無銘(名物 観世正宗国宝
 正宗の刀らしくとても迫力を感じました。刃文がくっきりと見えすぎて逆に違和感を感じるぐらいです。鎺の梅(桜?)の彫物がとてもきれいでした。地鉄にうずまき状のものが見られました。以前このうずまきができたものはあまり良くないと聞いたことがあるのですが、あいまいです。
・刀 無銘 郷義弘 重要美術品
 以外と見る機会が少ない郷の作品です。のたれの刃文ですが不規則でどこを見てもおもしろいと思いました。
・太刀 銘 備中住守次作 延文二年十二月日 重要文化財
 かなり長く迫力もあり、磨りあげられていない南北朝の刀というのがよくわかりました。茎がかなりカーブしているのが特徴的です。
・脇指 銘 南都住金房兵衛尉政次 天正十八年八月吉日
 皆焼の刃文でとても派手です。
・刀 銘 上総介藤原金重 寛文八月十一月吉日 個人蔵 
 数珠刃風の互の目とありました。写真が禁止だったのが残念ですが確かに数珠っぽいと思いました。
・刀 銘 川部儀八郎藤原正秀 (花押)寛政十年二月廿九日

・太刀 銘 弘 重要文化財
 弘はあまり聞かない名前ですが、一文字派の刀工と考えられているそうです。反りがかなり強くみえます。
・太刀 銘 雲生
 こちらも備前の刀工である雲類の作品です。きれいに銘がのこっていて雲という字もよく見えます。小さくて丸っこくかわいらしい銘だなと思いました。
・短刀 銘 備州長船住兼光 重要文化財
 島根県の津和野藩亀井家が鳥取県にある大神山神社に奉納した刀だそうです。


《感想》
 東京国立博物館は、刃文がとても見やすく研がれていて、解説に刃文や地鉄のことをのせているのでとても勉強になります。さらに一部を除いて写真にも残せるということで、うまく撮れれば後から解説と写真を見比べることもできます。刀剣鑑賞初心者が気軽に訪れて勉強するにはもってこいだなと思います。
 昨年の29日に初めて刀剣を見に博物館を訪れ、ちょうど一年が経ちました。東京国立博物館はこの一年で数えられないほど訪れましたが、今年も年間パスポートを使い気軽に訪れ勉強したいと思います。


《今回の一振》
 今回は手掻派の包永の刀です。
佩表が細直刃、佩裏が乱刃で展示で見られたのは乱刃でした。裏ものぞいてみましたが、光が当たらないため刃文はほとんど見られませんでした。包永の銘があり、徳川ミュージアムの児手柏とほぼ同じ位置でした。

児手柏
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今回展示している太刀
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児手柏は刃文の記録が残されていないそうですが、表裏の刃文が違うのも同じなので、児手柏が燃えていなかったらこのような姿だったのかなと思いました。反り方がかなり違うのでそこも興味深いです。

天下五剣の一つ、童子切安綱の展示が今日まででしたので最後に行ってきました。
今まで平日の夜に行っていたのですが、1・2月は金曜も17時までだったのですっかり行き損ねていました。3月からはまた開館時間を延長していただけるので、また頻繁に訪れられそうです。
前回の獅子王展示のときの記録を書き忘れていたので、一緒に書いておきます。

《行った場所》
○東京国立博物館
・太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱国宝
・太刀 銘 正恒 重要文化財
・太刀 銘 久国(花押)国宝、文化庁蔵
 長めの刀身に比べて茎が少し短めですが、見た目のバランスが良い感じでした。解説で刃文が上品とかかれていましたが、確かにそんな印象です。
・太刀 銘 一(号 今荒波重要文化財
 刃文が見やすいように研がれているからか、一文字らしい刃文がわかりやすくて良かったです。
・太刀 銘 備前国長船住人平真長造 嘉元三年十月日
・刀 金象嵌銘 城和泉守所持 正宗磨上 本阿(花押) 国宝 
 東京国立博物館に来ると毎回正宗か貞宗の刀が置いてある気がしますが、こちらも無銘で金象嵌銘でした。正宗の中でものたれが大きめの刃文でしょうか。やはり厚みがある印象を受けました。
・短刀 銘 相州住秋広 応安三 重要美術品大倉集古館蔵(東京)
 大倉集古館は多くの刀剣を所蔵していますが、残念ながら現在長期の改装工事中です。昨年調べたときは既に工事していたので、このように他の施設に委託して展示していただけるととてもうれしいです。撮影禁止でしたが、短刀ながらすごく難しそうな刃文をしていて見応えがありました。

・太刀 銘 兼氏 重要文化財個人蔵
 幅が広くて峰が大きくてかなり攻撃力がありそうな刀だなと思いました。
・太刀 銘 備州長船盛光 応永廿三年八月日
 こちらも幅が広いですが、峰が小さめで丸い印象を受けます。刃文はすごくくっきりと見えて豪快でした。
・刀 銘 国安 重要文化財
・刀 銘 貞享元年十月吉日 奥州岩城平住人 (菊紋)根本和泉守藤原国虎

・太刀 銘 吉家作
・太刀 銘 一(号 上杉太刀国宝
・太刀 銘 国広 重要文化財、金剛峯寺蔵(和歌山)

前回の展示期間中に2階展示室で見られたもの
・太刀 無銘(号 獅子王重要文化財
 かなり反りがあり、腰反り高いというのはこういうことだなわかりました。
・太刀 銘 助真 国宝
・脇指 無銘 貞宗(号 石田貞宗重要文化財
 

《感想》
 今回童子切を見られたおかげで、天下五剣も残り鬼丸国綱のみとなりました。さすがになかなか見られないものだとは思いますが、いつかどこかで展示されたらぜひ見に行きたいです。今まで見た4振の中では、個人的にがっちりした武骨っぽい印象の刀が好きなので大典太が一番好みかなという感じです。
 最初に刀を見に行ったのがちょうど一年ぐらい前なのですが、なかなか刀剣の美術的評価基準というものは理解できていません。極めようと思っているわけではないので、今までどおりふらっと見に行ってちょっとずつ理解できれば良いかなと思います。東京国立博物館の来年度の年間展示予定も出ました。他の施設についても、この一年間よりは行く頻度が落ちるとは思いますが、行きたいと思ったところには積極的に行きたいと思います。


《今回の一振》
 今回は童子切安綱です。刃文は今回見られた他の刀よりすこし見ずらい感じでしたが、直刃と小互の目がわかりました。銘がかなり鎺よりに彫られているなと気になりました。銘は意外ときれいに残っていて、読みやすくてよかったです。厚みはあまりなくて反りが高く、平安らしい刀だなと思いました。

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 福岡市博物館で国宝の日光一文字の展示を見に行き、熊本の島田美術館の刀剣展と期間がかぶっていたので、合わせて行ってきました。


《行った場所》
○福岡市博物館
 3回目の今回は、福岡空港から地下鉄藤崎駅まで直行してみました。駅から博物館までは15分ほど歩きますが、まっすぐなので道に迷うことはなかったです。今回は前回のへし切長谷部を見に行ったときほどの混雑はありませんでした。特別展のアール・ヌーヴォ展を見に来ている方が多かったです。刀の展示してある企画室はゆったりと見られました。

○主な刀剣
・槍 無銘(名物 日本号
・太刀 無銘(名物 日光一文字国宝
 一文字派の刀は、文化財登録されているものが多く展示されていますが、国宝の刀は岡田切などの吉房作のものしか見たことなかったので、どうしても見たいと思いました。福岡市博物館ではくっきり刃文を見せる細かい研ぎはしていないのか、自然な感じの刃文を見られました。変化にとんで不規則なので、特徴があってわかりやすいですが同じものを作るのは難しそうだなと感じました。無銘ですが一文字の刀だとわかりやすいものだと思いました。



○島田美術館
 福岡から熊本への移動は、天神からの高速バスを使いました。2人だったので往復券買って分けることで、安く行けます。熊本城近くのバスターミナルから、島田美術館まではバスで行きました。あまり本数が多くないので、時間を見て別の行き方のほうが良いこともあるかもしれません。美術館はかなり急な坂を上ったところにあり、車で来る人が多いからか駐車場はいっぱいでした。ちょうど日曜日の刀剣鑑賞の時間だったので展示室も人が多かったです。建物はちょっとした古民家という感じであまり広くはありません。お庭や建物の中の雰囲気が良かったです。

主な刀剣
・刀 無銘 金重
 宮本武蔵が所持していた刀で、吉岡斬りと伝えられている刀だそうです。島田美術館は宮本武蔵についての展示がたくさんあり、入場券も宮本武蔵の肖像でした。詳しく知らなかったので簡単に調べたのですが、吉岡斬りというのは、宮本武蔵が京都で吉岡一門と戦ったときに倒した、吉岡清十郎・伝七郎・又七郎らのことのようです。南北朝時代のものにしては反りがまったくないなと思っていましたが大磨上とのこと。パンフレットに使われているメインの写真がこちらです。
・刀 銘 大和国国宗
 こちらも宮本武蔵が所持していたと言われる刀です。峰がかなり小さめなのが特徴的でした。

・短刀 銘 則光(茶臼剣
 両刃造りで鎧通しの一種とのこと。かなり小さくて両刃造りなのでサバイバルナイフのような印象です。
・脇指 無銘 左 長巻直し(晴思剣
 細川忠興が茶坊主を切って気持ちが晴れたから付いた名前だそうです。大峰の刀で、刃文は見づらかったのですが互の目かなと思いました。
・脇差 銘 大和守藤原宣貞(希首座
 こちらも細川忠興が僧侶を切ったことにちなんだ名前です。新刀らしい見た目の刀でこちらも刃文は互の目のようでした。

・刀 銘 雲生 
 直刃でとても長くて幅の広い迫力がある刀でした。
・刀 無銘 貞宗 
 大磨上無銘の刀ですが、連樋があるのが良いなと思いました。加藤清正から細川重堅へと渡った刀で、一緒に展示されている拵えは肥後拵えの中でも傑作だといわれるほどのようです。今回の展示の中でも、やはり貞宗のこの刀はかなり好みな刀でした。
・脇差 銘 備州長船経家 長禄二年八月日
・ 短刀 銘 善定兼吉
 かなり小さいです。京都国立博物館で見た国吉の短刀のぐらいなので20cmぐらいしかないのではないかなと思いました。
・太刀 銘 備前国長船藤原則光 主同国住人難波十郎兵衛尉行豊忠宗 八幡大菩薩諏訪大明神
・脇差 銘 大和守国行
・脇指 銘 長谷部国重
・刀 銘 濃州関住兼定作
・太刀 銘 則長
・刀 銘 波平純貞作             他多数


他に現代刀匠の作品も展示されていました。国天という方の刀が特に印象に残っています。
全体的に解説がないので詳しいことはわかりませんでしたが、こちらの刀は仏像が彫られていて、新しいもののほうが彫刻が細かいところまできれいに見られるので良いなと思いました。
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○熊本城
 初めて訪れました。石垣の高さと迫力に圧倒されて、そんなに坂を上るわけでもないのに、天守へ向かうまでに妙に疲れてしまいました。この日は20℃近くであたたかく、天気も良く、梅がきれいに咲いていてとても良かったです。人は多いですが外も天守の中も比較的広いのであまり人ごみは感じませんでした。
 天守内は予想以上に近代的ですが、展示量はほどほどに多くてよかったです。本丸御殿が再建されて、一般公開もされていました。現存する宇土櫓は、櫓といっても犬山城ほどの規模があり、昔のままということもありとても良かったです。

○旧細川刑部邸
 細川家三代忠利の弟である刑部小輔興孝の屋敷です。かなりの広さがあり、派手さはないですが良いものばかり置いてあるという印象です。特に一番奥の方にある主人の部屋に当たる場所は、道具類の雰囲気がとても良い部屋で格式の高さを感じられました。表の門から母屋までの道が砂利で枯山水のようになっていて美しかったです。



《感想》
 熊本城は行きたいと思っていた城だったので今回行くことができてよかったです。敷地も天守も石垣もとにかくいろいろなものが大きくて迫力がありました。丸1日もいなかったので、今度来る機会があったら阿蘇など熊本全体をもう少しじっくり見たいなと思いました。熊本空港は意外と市内から距離があって、空港へ向かうシャトルバスは満席の状態でした。今まで新幹線の移動が基本で、空港は福岡しか使っていなかったので、やはり空港は中心部から少し離れるので不便だなと感じました。


《今回の一振》
 今回は福岡市博物館の日光一文字です。刃文は写真だとだいぶ見づらいですが、3枚目の写真の刀掛けの右側に見える大きく変化しているところの刃文が好きです。照明の関係かわかりませんが全体的に黒っぽい印象です。
 一文字は見るものが太刀や刀ばかりで、短刀や脇差など短いものは見たことがない気がするのですが、何か理由があるのでしょうか。気づいてないだけで実は一文字の刀工というのもあったのかもしれません。

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 この時期恒例の福岡市博物館でのへし切長谷部展示に行ってきました。毎年のことではありますが、1月のひと月しか展示しないというのは、他の国宝と比較しても短いなと思いました。前回江雪左文字を見に福岡に行ったときに福岡観光はしたので、今回は福岡市博物館のみです。

《行った場所》
○福岡市博物館
 5月以来2回目の訪問です。前回訪れたときは、天気が悪かったのもあり、人がほとんどおらず博物館周辺も建物内も少し寂しい印象でしたが、今回一転とても活気がありました。今回は写真撮影も可ということで、展示を見る列の進みはゆっくりでしたが、人数はそこまででもないように感じました。ちょうど学芸員さんの話が始まったときだったので聞くことができましたが、日本号の実物大ポスターが本当に大きくて笑ってしまいました。広い展示室内でも相当な大きさだったので、部屋に飾るのは難しそうです。展示の写真を撮るのに皆さんしゃがんだり、止まったりするので列の後ろからでも比較的よく見えました。あらためて京都国立博物館での刀剣展示の列は後ろから全然見えないほどぎちぎちに詰めていたんだなと実感しました。

主な刀剣
・槍 無銘(名物 日本号
・刀 金象嵌銘 長谷部国重本阿 黒田筑前守(名物 圧切長谷部国宝


《感想》
 今回施設内が入口あたりから展示室内まで、全体的にお祭りムードがただよっていました。学芸員の方も見に来ていた方も一様に楽しんでいる雰囲気でした。昨年の展示のときは、展示されていて見に行った人もいるという情報を見たぐらいで、まだそこまで盛り上がった雰囲気ではなかったので、本当に待望の展示だったのだなと思いました。特に施設の関係者方がとてもフランクで明るかったのが印象的です。堅苦しくなかったためか、展示室が全体的にざわついていましたが、あまり気になりませんでした。来月は日光一文字を見にまた訪れるので楽しみです。


《今回の一振》
今回はへし切長谷部です。かなり反りが少なくて意外でした。刃文をもっと細かく撮りたかったのですが難しかったです。皆焼の刃文はかなり難しいそうですが、難しいならなぜこのような刃文にしようとしたのかなと少し思いました。特徴的でおもしろいですが、個人的にはきれいさとはちょっと違うなと感じました。
 
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今までの博物館でも皆焼は少ししか見ていないので、参考になる写真を探しましたが、今まで見た皆焼で一番すごかったのは越前康継のこれかなと思います。
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 3月27日まで、刃文特集の展示を行っています。多少の混雑を避けるために、平日の夕方、閉館前に行ってきました。来場者はそこそこいましたが、ゆっくり見ていられるぐらいでした。閉館時間が早いので、15時ぐらいには着いておいたほうが良いと思います。
 今回は、通常の目録の他に、一部の刀剣の押型が載ったリーフレットも配られていました。展示されている刀と比べて見ると、刃文がとてもわかりやすく勉強になります。

《行った場所》
○刀剣博物館
主な刀剣
・太刀 銘 国行(号 明石国行) 国宝
 明石国行と言われる来派の太刀です。刀剣博物館の目録に号は載っていませんが、展示の解説に明石松平家伝来と書かれていました。
・刀 無銘 行光 特別重要刀剣
 相州らしい地鉄の黒っぽさと厚みだと思いました。
・薙刀直し脇指 銘 真利 重要美術品
 直刃に逆足があるとのことで、押型にも刃文が載っています。逆足は腰元のあたりがわかりやすかったです。
・刀 無銘 青江
 こちらも逆刃がありますが、全体的になっていてわかりやすいです。
・短刀 銘 近江大掾藤原忠広 重要刀剣
 短刀の短い刀身にこれでもかと細かく倶利伽羅龍が彫られていて、すごくきれいでした。

・脇指 銘 長曽祢興里虎徹入道 寛文元年霜月廿五日 
 金象嵌 山野加右衛門六十四歳永久 花押 腋毛貳ツ胴度々三ツ胴裁断
 銘に書いてあることがすごいのと、峰がすごく大きくてびっくりです。
・刀 金象嵌銘 助真
 派手な丁子刃ですが、幅広でよけいに派手で目立つ刃文でした。
・刀 銘 長幸於摂津国作之 以幡州完栗鋼鉄作之
 丁子は丸っこいイメージしかなかったのですが、こちらはすごくトゲトゲとした丁子です。

・刀 銘 津田越前守助広 寛文七年八月日
 初めて見るぐらいすごく大きなのたれでした。
・脇指 無銘 伝正宗 特別重要刀剣
 なんとなくの印象ですが、三井記念美術館で見た日向正宗に似てるなと思いました。
・脇指 銘 大和州住人九郎三郎重国居 駿河州後於紀伊州明光山作之 
 羽掃為都筑久太夫氏勝作之 元和八年戌八月吉日
 龍の彫物がすごいです。
・刀 津田越前守助広 延宝九年八月日
 すごく助広らしい濤瀾刃が見られました。
                              他多数


《感想》
 今回は刃文に着目した展示内容と展示方法だったので、刃文が見やすく展示されていたと思います。研ぎ方について順を追って説明している展示では、仕上げ研ぎをしない状態の刃文もありました。確かに仕上げ研ぎまでしないで展示している博物館や美術館もある気がします。少し見ずらいと思ってしまいますが、それも自然で良いのかなと思いました。研ぎの段階によって全然刃文の見え方が違うということがわかりました。


《今回の一振》
 今回は、国宝でもある明石国行です。薄い印象を受けるのが来派っぽいなと思いました。国行の刀は以前も見たことがありますが、博物館でよく見かける来派は国俊と国光なので少し珍しい気がします。三鈷剣の彫物がきれいで、かなり反りが強い印象をうけました。

 だいぶ前になりますが、京博の特集陳列―刀剣を楽しむ―に行ってきました。彦根城博物館でも、刀剣展示を行っていたので、合わせて行ってきました。今回観光のメインは彦根で、京都は京博のみになります。

《行った場所》
○彦根城
 初めて行きました。彦根駅で自転車を借りて周ったのでとても楽でした。周辺は平坦ですが、天守は小高い丘の上に建っています。意外と坂が急なので、距離は短いですが登ったら疲れてしまいました。木造の現存天守で、あまり大きくはありません。犬山城より少し大きいくらいでしょうか。鉄砲や弓で攻撃するために使われる狭間がずいぶん多いなと感じました。城内の解説や展示は少なめです。
 天守に行ったあとは、彦根のマスコットキャラクターひこにゃんのパフォーマンスを見ました。とてもゆるくて思わず笑ってしまいました。

○彦根城博物館
 井伊直弼の甲冑と刀剣展を開催していました。井伊家は600ほどあった刀剣を、関東大震災でほとんど失ってしまったそうです。今回博物館内には、特集展示と常設展示合わせて7振の刀が展示されていました。館内は写真撮影可能なのですが、照明の関係からか展示位置の関係からか、妙に撮りにくかったです。博物館の敷地内には庭園もあり、とてもきれいでした。

主な刀剣
・刀 銘 粟田口一竿子忠綱 正徳三年二月吉日
 銘も刃文もきれいに見られて、濤瀾刃がとてもわかりやすかったです。新刀なので反りが全然なく直刀のようでした。
・脇指 銘 長曾根興里入道虎徹
 こちらも銘がよく見えました。新刀は茎がきれいに残っているので、銘がとても読みやすいので助かります。
・脇指 銘 長曾根興里入道虎徹
・刀 無銘

・太刀 銘 正恒
 細長く、刃文はきれいな直刃でした。
・刀 無銘 伝保昌貞宗
 大磨上げ無銘とのことですが、そこそこ長さがあるので、磨上げ前はかなりの長さだったのでしょうか。
・脇指 額銘 尉恒次
銘がとても見やすくきれいに残っています。磨上げられているからか、アンバランスな印象をうけました。


○玄宮園・楽々園
 彦根藩の下屋敷で、玄宮園は回遊式庭園になっています。池がかなり大きく、きれいな橋がたくさんかかっていました。隣の楽々園は現在改修工事中で中には入れなかったのですが、外から見られる建物の内装がとてもきれいでした。

○埋木舎
 井伊直弼が藩主になるまでの間に過ごした家だそうです。屋内には入れず、庭もあまり広くない普通の住宅といった規模ですが、所せましと展示がしてあり、見応えはありました。大河ドラマでよく使われる場所だそうで、大河ドラマについての解説も多かったです。

○龍潭寺
 彦根駅から少し離れたところにあるお寺です。井伊家が佐和山城主だったときに深くかかわりがあったそうです。石田三成ゆかりの地でもあり、銅像が建っていたり、展示物もたくさんありました。夕方に行ったので、うす暗さや人気のなさもありとても入りにくい雰囲気だったのですが、中の枯山水のお庭がとてもきれいで良かったです。昔は寮としても使われていたらしく、どことなくそんな雰囲気を感じられました。
 三成に関する展示の中に、石田正宗と石田貞宗が写真付きで紹介されていました。写真は文化財指定でよく見られる白黒の写真でしたが、所蔵が個人名だったので、おそらく東京国立博物館に寄贈される前に書かれたもののようです。



○京都国立博物館
 今回の旅行のメインです。8時頃に京都駅からバスにのっていきました。意外とバスが混雑してなかったのですぐに京博に着きました。公開が始まって最初の日曜日だったので心配でしたが、すでに並んでいたのは30人ぐらいでした。寒さも心配でしたが、並ぶ場所は日がよく当たるので天気が良ければ問題ありません。9時ぐらいまではそこまで人が増えなかったように思います。
 チケットは年パスがあるので買う時間が省略でき、そこで順番が半分ぐらい前になりました。さらに前に並んでいた人の半分ぐらいが、音声ガイドを後回しにして展示室へ行ったので、音声ガイドは2番目にもらえました。そのため、刀剣の展示室は、ほぼ待ち時間なしで見ることができました。


主な刀剣

・薙刀直し刀 無銘(名物 骨喰藤四郎重要文化財、豊国神社蔵(京都)
 見るのは3度目になるので感想は割愛です。
・太刀 銘 安家 国宝
 すごく細身の印象です。全体的に銀色っぽく見えました。
・太刀 銘 貞綱 個人蔵
・太刀 銘 有綱 個人蔵
 木曽義仲が巴御前を手助けしたときに譲られたものという記録が残っているとのことです。昔の伝来が残っている刀は貴重ですね。幅広い刀だなと思いました。
・短刀 無銘(名物 上部當麻重要美術品、個人蔵
・剣 無銘
・太刀 菊御作 重要文化財
 鎺の部分に菊が彫られているとのことですが、よくわかりませんでした。
・太刀 銘 □前国則宗(名物 二ツ銘則宗重要文化財、愛宕神社蔵(愛知)
・太刀 銘 則国 国宝
 すごく細長かったです。

・短刀 銘 吉光(名物 秋田藤四郎重要文化財、個人蔵
 とても細くて小さい印象をうけました。吉光の短刀はたくさん見てきましたが、ここまで小さかったかなと思いました。剣が彫られているのは他の刀と似てるなと思いました。目釘穴が埋まっているのも含めて4つあるのが特徴あって良いと思います。
・短刀 銘 国吉 個人蔵
 こちらもとても小さくて細い印象をうけました。
・刀 金象嵌銘 永禄三年五月十九日義元討捕刻彼所持刀 織田尾張守信長(名物 義元左文字重要文化、建勲神社蔵(京都)
 写真でみるのと実物を見るのでは、全然印象が変わるということがわかりました。
・太刀 銘 物部吉貞 個人蔵
 とても長いです。そのわりには茎が短めな印象です。
・刀 銘 吉行
 坂本龍馬が佩刀していたという刀です。とてもまっすぐでほとんど反りがないなと思いました。
・刀 銘 粟田口近江守忠綱 個人蔵
・刀 銘 長曾根虎徹入道興里
・刀 銘 長曾根興里入道乕徹 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 □忠(名物 膝丸・薄緑重要文化財、大覚寺蔵(京都)
 長く幅広い印象です。反りがかなりあるので古い刀なのだなと感じました。鉄鎺の影響で銘の上の文字がつぶれて読めなくなっているのが残念です。
・太刀 銘 国綱(名物 髭切・鬼切重要文化財、北野天満宮蔵(京都)
 10月に北野天満宮で見ましたが、膝丸と比べると細長い印象をうけました。



《感想》
 京都国立博物館は、外での待機列以外では待たずに見ることができてよかったです。人が多いのもありますが、待ち時間が長くなってしまうのは、展示の解説が多いのが一番影響しているかなと思いました。刀工、造り、伝来について細かく書いてあり、東京国立博物館の5倍10倍の文字量があります。私が展示室に入ったときは、先頭の人が半分ぐらいまでいったところでしたが、やはり進みは遅かったです。解説を読み終わらないうちに、前の人との距離が開いてしまい、詰めないといけない空気がありました。夕方がどの程度混んでるかわかりませんが、朝の半端な時間に行くより、後ろに人が少ない遅い時間のほうがいいかなと思いました。



《今回の一振》
 今回は刀をたくさん見ましたが、一番印象に残っているのは、義元左文字です。見た瞬間、すごく正宗っぽいと思いました。左文字は正宗十哲の一人なので影響がみえて当たり前なのかもしれないですが、こんなに正宗の作風を感じるとは思いませんでした。地鉄と樋がすごく好みです。磨上げられているからかなりアンバランスな印象をうけますが、写真で見るのとは違いとても迫力があります。こちらの記事でとりあげた、籠手切正宗と似た雰囲気を感じました。


 羽田空港にあるディスカバリーミュージアムで、徳川ミュージアムの所蔵品展が13日の日曜日まで開催中です。毎週水曜日にミュージアムトークが行われていたので、ミュージアムトーク最終日に行ってきました。

《行った場所》
羽田空港美術館
 初めて行きましたが、とてもおしゃれな空間でした。新幹線ばかり使って羽田空港を利用する用事がなかったので、今回は美術館のために行ってきました。無料で見られてとても良いのですが、飲食店をぬけた一番奥まった場所にあるため、普通の人はなかなか訪れないのではないのでしょうか。駅を降りてから、探しながら歩いたのでけっこう時間がかかりました。
 同じようにミュージアムトークに合わせて来る方が多かったので、人は多かったですがじっくり見ることができました。今回のミュージアムトークは、徳川ミュージアムの学芸員の方が解説をしてくださいました。最後だからということで、美術的な説明だけでなく、個人的な思いを多く語っていただけたのが良かったです。

主な刀剣
・刀 無銘 光忠(号 燭台切)徳川ミュージアム蔵(茨城)
・太刀 銘 包永(号 児手柏)徳川ミュージアム蔵
・槍 銘不明
家康から水戸徳川へ贈られたもの。南無八幡大菩薩の文字。


《感想》
 水戸のほうには2回行ったので、そこで見たものも多かったのですが、今回は写真撮影も可能ということで、思う存分堪能することができました。今週いっぱいで羽田での展示は終わりですが、来年からまた水戸で焼刀も展示されるとのことで楽しみです。今回、燭台切を見たときに、以前より白っぽく見えるなと思いましたが、解説で照明の関係だと教えていただきました。展示方法を変えると、これだけ見え方が変わるのだと実感したので、来年水戸で刀掛けにたてて展示されるのなら、どのように変わるか楽しみです。来年以降も動きがたくさんあるようで、本当に目が離せないなという思いです。


《今回の一振》
 前回は写真で残すことができなかった児手柏と燭台切です。
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DSCF3213

比べると児手柏はかなり反りがあるように見えます。武庫刀纂では七分=2cmちょっととのことです。
児手柏の銘は見やすく残っています。
DSCF3204


児手柏と比べると燭台切のほうがきれいに残っているなという印象です。
DSCF3214

前回写真が撮れないためがんばって写した武庫刀纂の刃文もこのような感じです。
児手柏は刃文の記録が残されていないということで、とても残念です。

DSCF3212

 毎年春に公開される土方歳三が使用した和泉守兼定の刀ですが、今日一日だけ限定公開となりました。日野市の撮影で使うのに出したついでのようで、とてもありがたいです。
 前回はとても並んで大変だったようですが、今回はそこまでひどい行列ではなかったと思います。今日は行くところがあったので見たのは資料館だけですが、日野市周辺は土方歳三関連で見るところがあるのでぜひ今度行ってみたいと思いました。

《行った場所》
土方歳三資料館
 10時開館予定でしたが、早めの9時40分に入ることができました。最初に50人ぐらい入れるだけ館内に入り、館長さんから簡単な説明をしていただきました。初めて来館しましたが、本当に個人宅の敷地内で驚きました。館長さんはとても慣れた様子で、鑑賞開始までスムーズに進みます。説明が終わったあとは、好きなように見ていくのですが、刀だけでなく物販もとても人気でみなさんたくさん買っていかれてました。職員の方が入口と物販の2名だけなのにスムーズに進んでいくので、本当に慣れておられるようです。
  館内は広くありませんが、たくさん展示物があり解説も充実しています。今回は混雑しているのもあり隅々まで見られなかったので、また来たときにしっかり見たいと思います。刀の展示は譲りあいながらだったので、思ったよりもじっくり見ることができました。低い位置に展示してあるのですが、後ろの人のためにしゃがんで鑑賞するので、刃文もしっかり見えました。

主な刀剣
・刀 銘 和泉守兼定 慶應三年二月日 日野市指定有形文化財
・十文字槍 銘 助宗
・槍 無銘


《感想》
 館内にあった展示でとても目をひいたのが、新義隆さんが作られた和泉守兼定の漆刀です。今年からの展示だったそうですが、本当にすごいと思いました。本物の刀の厚みはないですが、とにかく刃文がきれいに表現されています。壁にかかっていましたが、本物の刀かと思いました。専門誌の刀剣界22号で記事になったようでその切り抜きも展示されていました。父が刀剣鑑定家だということでなるほどと思いましたが、漆職人の兄の名前が”光忠”さんだそうで、「ああ、お父さんは光忠の刀が好きだったのか」と思いました。少し前に模造刀を買いましたが、刃文が物足りないと思っていたので、漆刀にとても興味をもちました。HPに作品の写真が載っていますが、どれも本当にきれいです。以前に展覧会を開いていたようなので、ぜひ他の作品も実物を見たいなと感じました。


《今回の一振》
 今回はもちろん和泉守兼定の刀です。ぱっと見た感じ、反りが全然ないなという印象です。また、新刀らしく茎がとてもきれいで、実際に使われた刀なのに、多くの人の手に渡った刀とは全然違うと思いました。刃文は派手さはないですが、よく見ると細かく模様がついています。拵えの赤は落ち着いた色合いでとてもきれいでした。以前コンビニで買った刀のおもちゃで和泉守兼定が出ましたが、まさに同じでおもちゃのほうにすこし愛着がわきました。館長さんの解説で、土方歳三は柄の上のほうを詰めて持っていたので、そのあたりの糸巻がすり減っていると聞きましたが、言われてみれば確かにという感じでした。

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