刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

 香川県立ミュージアムと岡山県立博物館の展示を合わせて行ってきました。もっと時間があったらいろいろ足をのばしたい場所があったのですが、今回はこの二か所がメインです。

《行った場所》
○香川県立ミュージアム
 香川県は2回目ですが高松は初めてです。今回も岡山から電車でしたが、一本で行けるうえにそこまで時間がかからないのでとても便利だなと思います。高松駅は海沿いにあり、電車から降りた瞬間から潮の香を感じました。今回はちょっと離れたところに行くこともあり、レンタルサイクルを利用しました。6時間100円、それ以上でも200円という安さです。
 県立ミュージアムは思っていたよりも刀剣がたくさん展示されていて、さらに解説がわかりやすくてよかったです。目録兼解説シートもとても充実していてすばらしいと思います。3階にある常設展は、入ってすぐの古代の展示のセットが臨場感ありすぎて驚きました。とてもビルの中とは思えないクオリティです。それ以降の時代の展示や出てからの映像ギャラリーなど、映像作品が多く、すべて見ようと思うとかなりの時間がかかると思いました。
主な刀剣
・脇指 無銘 貞宗(名物 切刃貞宗
 再刃されているので刃文がちょっと違和感を感じますが、貞宗とわかる姿をしていました。
・脇指 無銘 青江(名物 ニッカリ青江重要美術品、丸亀市立資料館蔵(香川)
 見るのは2回目ですがやはり好みな形をしています。前回のときより少し印象が変わったので、やはり展示場所によって大きく変わるなということを感じました。
・刀 無銘 伝郷義弘(号 芦葉江香川県指定有形文化財、高松市歴史資料館蔵(香川)

・刀 無銘 則長
・刀 銘 肥前国住近江大掾藤原忠廣
・脇指 銘 長曾禰興里入道乕徹
 直刃すぎて定規で線を引いたようなまっすぐさだなと思いました。
・太刀 銘 真守造 重要文化財
 平安らしい形をしています。切っ先のほうの刃文がとても派手になっていました。
・刀 無銘 景光
 蛙子丁字の刃文でも、一つ一つが小さいとそこまで派手な印象はうけません。
・刀 銘 一竿子忠綱彫同作
 刃文の動きが彫物と調節されて作られているのが、今まで意識したことがなかったのでおもしろいなあと思いました。
・脇指 銘 加賀守藤原包高
・刀 銘 讃州住盈永 寛政九丁己年二月於高松城西丸鍛之 高松市指定有形文化財
・脇指 銘  讃州住盈永 寛政九丁己年八月鍛之 高松市指定有形文化財
・刀 銘 早勝美濃守藤原盛光 讃州丸亀士慰作


○玉藻公園
 元高松城があった場所で現在は櫓や石垣などが残っています。天守があった場所へは、一つの橋を使わないといけない造りになっていて趣がありました。今後天守が再建されたり展示が増えたりすると楽しめそうだなと思いました。

○平家物語歴史館
 駅から少し離れたところにある博物館ですが、おもしろそうだったので行ってきました。ネットで事前に訪れることを伝えておくと200円値引きしてくれます。3時間前に予約しましたが問題ありませんでした。
 とてもコアな施設で、建物の外観からすでに気軽に入りにくい雰囲気を醸し出しています。日本最大のろう人形館ということで、一階で四国出身の偉人を紹介し、二階で平家物語の流れを展示していました。全体的に不気味な雰囲気なのですが、二階にあがってすぐの一の谷の合戦の再現が、とにかく迫力があってすごいです。これを見ただけで入ってみてよかったと思いました。最後の最後に、怖がらせる目的としか思えないろう人形が置かれていました。正直一人で入っていたらゆっくり見てられなかったと思います。


○備前長船刀剣博物館
 前回岡山を訪れたときは時間がなくて断念したので、今回初めて訪れました。思っていたよりも純粋に観光地としてにぎわっていました。刀工の方による鍛えも見学することができました。今まで博物館の展示で工程は何度も学んできましたが、想像以上に迫力があり手間がかかる作業だというのを感じました。音も火花も実際に近くで見ないとまったく理解できないものです。やはりもっと最初の頃に見ておきたかったなと思いました。
 主な刀剣
・太刀 銘 於富士浅間大社宗景勤作 昭和三年十一月吉日影打 献上官幣大社浅間神社
・小太刀 銘 吉房
・刀 無銘 大宮
・太刀 銘 備州長船盛光 応永十二年十月日
・刀 備州長船忠光 文明二年二月日
 茎が短いのは片手で扱うからとあり、とても納得です。まだ全然知らないことがあるなと思いました。
・刀 備前国住長船清光 永禄十三年二月日
・脇指 銘 備前国住長船七兵衛尉祐定作
 蟹爪風の刃文が本当に蟹の爪そっくりで好みな刃文でした。
・刀 備前長船住横山俊左衛門藤原祐包 天王原八幡宮於神前作之 慶応二年八月日 友成五十八代孫
・刀 無銘 伝長守
・脇指 折返銘 備州長船則光
・刀 銘 越前住日向守藤原貞次
・刀 銘 備前国(以下切れ) (切付銘)立袈裟立胴籠都畄倍 唐竹肩興利腰満傳
 籠都畄倍でカゴから水が流れ落ちるように切れたという意味だそうで、切れ味を表す良い方もたくさんあるんだなと思いました。
・太刀 銘 国吉
・脇指 銘 播磨大掾藤原重高 越前住
・脇指 銘 備州長船忠光 永正五年八月日
・刀 明 鍛同作 大宝子月仙(花押)昭和十七年六月日 於濃州関昭和刀禁鍛 以記念作之
          他多数

○岡山県立博物館
 こちらも今回初めて訪れました。そこそこ広さはありますが、展示数はそこまで多くないので全部じっくり見ても意外と早く見終わりました。目録などの紙の資料がとても多く用意されていて、展示してあるものについても詳しく説明されているので親切な設計だなと思いました。刀剣の展示場所にあった備前・備中・美作の刀工系譜画像もわかりやすくて良いなと思っていたので紙でいただけたのはうれしいです。
主な刀剣
・刀 銘 備州長船祐定作 永正十二年二月日
・太刀 銘 則宗 重要文化財
・太刀 無銘 一文字(名物 山鳥毛国宝、個人蔵
 刃文が摩訶不思議すぎてわけがわからないという印象です。思っていたよりもとっちらかっているような感じはうけず、純粋にきれいだなあと思いました。すごいのは分かるけど、常軌を逸しすぎると言葉にできないというような感じです。
・太刀 銘 長光  重要文化財
 これぐらいのちょっと派手な刃文のほうが好みでした。
・太刀 銘 真守
 幅が広くなり、前の三作と比べると時代が変わったのがよく分かりました。
・刀 無銘 長義 個人蔵
・刀 銘 彦兵衛尉祐定・与三左衛門尉祐定 個人蔵
・刀 三原兵衛尉祐定 永禄十二年二月日


《感想》
 今回もとてもたくさんの刀を見ることができました。たくさん見られるのはとてもうれしいのですが、記録はとても全部書き出せないので複雑です。いつも見て感じたことはメモに残しているのですが、備前長船刀剣博物館では数が多かったためかメモも少なめでした。岡山は次は夏に林原美術館が刀剣展示をするそうですね。せっかくなのでまた周りの県に足をのばせたらなと思います。


《今回の一振》
 今回は迷いましたが香川県立ミュージアムの芦葉郷です。郷の刀はそこまで多く見ているわけではないので、これだけ解説が手元にしっかりあって、さらにじっくり見られるのはとても良かったです。今回の展示は刃文の見方についてもあるため、とても見やすくなっているように感じました。個人的には直刃よりこれぐらいの変化がある刃文が好みです。反りが強いため実際よりも長く感じます。また、かなり幅が広めだなと思いました。これだけでも作られた時代が推察できるので楽しいです。

 今回は初めてぷらっとこだまを利用しました。名古屋だけを見るならこだまでも日帰りできるのですが、ちょっと足をのばしたいとなると、時間が足りないなと感じました。

《行った場所》
○名古屋城
 早い時間に行ったので全然混雑はしていませんでした。久しぶりに行ったので、やはり大きさがすごいなというのと、上からの景色はちょっと物足りというのを感じました。展示を見ていて、焼失前の記録や写真の多さにとても大切にされていたことや真面目さを感じました。刀剣の展示は前回も所蔵が書かれていなかったのですが、今回もすべて個人蔵なのでしょうか。解説はかなり刀剣乱舞を意識した文章になっていました。
主な刀剣
・刀 銘 國廣
 きれいな直刃です。拵の柄糸が水色のきれいな色でめずらしいなと感じました。鎺の近くに護摩箸が彫られているのも大きめな刀ではめずらしいなと思いました。
・刀 無銘 安綱
 刃文が大きく広がりかなり華やかです。
・短刀 銘 兼定
・脇差 銘 桑名住村正
・刀 銘 正真
・太刀 銘 備州長船住兼光
 額銘になっていて、大磨上だそうですが今でもかなりの長さがあります。
・刀 無銘 青江
・太刀 銘 備州国分寺住助国
 折返銘になっているのですが、「分寺住助国作」となっていました。
・刀 無銘 左国弘
 かなり刃文が広がっていて皆焼のようでした。場所によって刃文の様子がかなり違って見応えがあります。
・長巻 銘 五拾本内 大慶直胤


○徳川美術館
 今回も閉館時間を狙って刀剣の展示を見られるように3時半ごろに行きました。行ったときはまだ刀剣を見るための列が伸びていましたが、4時半ごろには待ち時間なしで見られました。GWのひどいときは2時間待ちだったそうです。前回は本当に展示室にだれもいませんでしたが、今回は同じように最後に刀剣を見ている人がたくさんいました。
主な刀剣
・太刀 (菊紋)菊一文字 重要文化財
 菊紋はだいぶ見ずらいですが、刃文がとても一文字らしくて良かったです。
・刀 銘 本作長義…(以下58字略)重要文化財
 去年見たときは、特別展の中で人も多かったためじっくり見られなかったのですが、今回は刃文もよく見ることができました。派手ではないのですがとても特徴的で、一目でそれだとわかるような刃文だなと思いました。
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
 研ぎの関係か刃文はうっすら見えるといった感じですが、ゆるやかな刃文が貞宗らしいなと思いました。彫物もたくさんあって貞宗らしさが見られて好きです。個人的には、貞宗や正宗は太刀や刀のときと、短刀や脇指などのときで、雰囲気が全然違うと感じるのでおもしろいなと思います。
・脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎
 見るのは三度目になりますが、一番鯰の尾というのが素直に感じることができた気がします。このような造りは冠落としという名称しか覚えていなかったのですべてそうだと思っていたのですが、菖蒲造りや鵜の首造りといった違いがあるのですね。違いがわかるようにしたいです。
・短刀 銘 吉光(名物 後藤藤四郎国宝
 



《感想》
 今回はどこも人が少なめに感じました。GWにみんな出かけて、この土日は遠出して観光する人は少なかったのでしょうか。名古屋城もエレベーターが待ち時間なしというのは今回初めて見ました。
 これで刀剣を見に名古屋へ訪れるのは4回目ですが、また夏に徳川美術館が刀剣の展示を交えた特別展を開催するそうです。図録の予約受付中だったのでさっそくしてきました。かなりの数の刀剣が掲載されて1000円は図録としてかなり安いと思います。昨年の家康の企画展のときは、展示していた刀剣すべてが図録にのっていなかったので、今回の図録発行はとてもうれしいです。7月頃届く予定なので到着したらぜひ展示を見に行きたいです。
 今回は日帰りで名古屋のみでしたが、今後は名古屋から足をのばして伊勢や岐阜のほうなども訪れたいと思います。



《今回の一振》
  今回の旅行のメインでもあり、初めて見た後藤藤四郎です。きれいな直刃が多いイメージの吉光の短刀にしては、かなりのたれが見られました。刃文が見やすかったのもあり、沸が目立ちました。解説に吉光の作品の中では大きめとあり、確かに短刀の小ささに驚くことが何回かあったので後藤藤四郎は大きめだなと思いました。
 

 刀剣めぐりの旅で初めての神奈川県。去年小田原城に行きたいと思ったときにはもう天守の改修工事にはいっていて、5月1日に公開が始まったのでさっそく行ってきました。小田原は初めて行ったけど思ったより遠いなという印象です。でも電車に乗りっぱなしで行けるので都内から行くのはかなり楽でした。
 5月3日から小田原ではお祭りが開催されていました。5日は駅前や少し離れたあらゆる場所で神輿が担がれていました。どういうお祭りなのかちゃんと調べずに行ったので、お神輿がお店をまわって直接店頭で商売繁盛を祈願するという不思議な光景をたくさん見られました。老若男女多くの人が参加していて、特に若い人が多いなという印象です。

《行った場所》
○御幸の浜
 小田原駅から歩いて15分ぐらいの距離にあります。思っていたよりもきれいな海ででした。波が高く砂浜ではなく砂利だったので海水浴には向かなさそうでしたが、とても暑かったこともあり気持ちよかったです。小田原城に登る前に見て知っておいてよかったとも思いました。

○小田原城址公園
 敷地があまり広くないのもあり城らしい雰囲気は少なめですが、市民の広場としてはきれいに整備されていて良いなと思いました。祭りの期間ということで、広場ではジャズコンサートや屋台などが開かれていました。人は多いですが広さのある広場なのであまり混雑は気になりませんでした。近くに子供向けのちいさな遊園地があるというのが、他の場所にはあまりないので面白いと思います。

○小田原城天守閣
 高い石垣の上にある天守閣ですが、入口までがかなり急な直線の階段になっていておどろきました。他の城では見ない不思議な造りです。リニューアルされたばかりとあって、中はとてもきれいです。とくに照明あたりがおしゃれで他の新しめのお城とも違うなと思いました。展示は北条氏が治めていた約100年間にスポットを当てていて、秀吉に負けてからはほどんど書かれていませんでした。展示量はそれほど多くはありませんが、左右や足元など文章量は多く、全部見ていくと意外と時間をかけてじっくり見ることになります。所蔵品の展示は見やすく解説もあり良かったです。
 天守閣の外観、内側は他の城と比べると物足りない感じですが、なんといっても眺めがとてもよかったです。一周ぐるっと回れ、かなり足元も広々しています。安全柵など視界を遮るものがないので、景色がとても良く見えます。天気がよかったのもありますが、海がとてもきれいで、三浦半島や伊豆半島、うっすらとですが伊豆大島も見えました。天守からの眺めでいえば、犬山城や岩国城にならんでかなり好きなお城になりました。
主な刀剣
・刀 相州住康春 小田原市指定文化財
・太刀 銘 相州小田原住義助
・太刀 銘 恒次
これらは写真撮影も可能です。他に撮影不可の短刀が一振展示されていました。

○小田原城情報館
 一階はお土産屋と甲冑や打掛の衣装を貸してくれる施設ですが、二階に少しだけ展示物があります。今は武具・甲冑展をしており、刀も展示されていました。こちらに来る人はあまりいないのか、天守閣のすぐ隣なのに人がとても少なかったです。
主な刀剣
・短刀 銘 奉納吉光  箱根権現施主大久保中興
・脇指 銘 相州住伊勢大掾綱廣
 脇指とありますが、60cmは超えているように見えるので刀ではないのかなと思いました。



《感想》
 あまり刀の展示は期待しないで行ったので、思っていたより良いものをたくさんみられてよかったです。相模の国なだけあって相州伝のものが多かったのですが、やはり歴史的な事情からかもっとあっても良いのにとも思いました。神奈川県内には他にも刀に関する施設があるようなので調べて行ってみたいと思います。


《今回の一振》
 今回は吉光の短刀です。拵えと一緒に展示されていました。最初あまりにポンと展示されていたので偽物かと思いましたが、刃文や銘をみても本物の吉光の短刀のようです。どうせなら天守閣で展示したほうがたくさんの人に見てもらえるのにと思いましたが、天守の工事中から展示していたようなので、こちらに展示してあるのだと思います。
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 昨年に引き続き、今年も土方歳三の和泉守兼定を見に行きました。また、八王子にある東京富士美術館が近い距離にあるので、合わせて行ってきました。東京富士美術館は15日までが前期の展示で、18日からは後期の展示内容になります。


《行った場所》
○土方歳三資料館
 昨年12月の1日限定公開のときに初めて見た和泉守兼定ですが、今年はこのGWの時期に行きました。ひどい混雑はありませんでしたが、ひっきりなしに人が訪れるといった感じでした。前回来たときは刀以外の展示をあまり見られなかったのですが、今回は時間をかけてじっくりと見ることができました。ちょうど刀を見ているときに、解説の時間になったため、目の前で解説を聞くことができました。昨年の展示のときも解説は聞けていたのですが、やはり持ち主の方から直接話を聞くことができるのはとてもありがたいです。
主な刀剣
・刀 銘 和泉守兼定 慶應三年二月日 日野市指定有形文化財
・十文字槍 銘 助宗
・槍 無銘


○東京富士美術館
 八王子の東京富士美術館でザ★刀剣展を開催中です。以前、文化財登録されている刀剣を所持している施設を書き出していたときに知った美術館ですが、常設展での展示がなかったためあまり深く調べていませんでした。今回の展示もかなり貴重な展示のようで、初公開のものがたくさんありました。写真撮影も可能でしたがまさかのカメラを持参するのを忘れてしまいました。同行者に撮ってもらいましたが、そのため今回の記事に写真はありません。今回の特別展は、図録ではなくパンフレットのようなものが販売しており、とても安かったので写真を撮れなかったのもあり買ってきました。
 とてもたくさんの刀が展示されていたので、印象に残ったもののみ記録をしています。
主な刀剣
・刀 無銘 伝正宗(名物 武蔵正宗重要美術品、刀剣博物館蔵(東京)
 昨年4月に初めて刀剣博物館に行ったときに見た正宗の刀です。これが初めて見た正宗の刀で、この後金沢で太郎作正宗を見たことで本格的に正宗の刀や相州の刀に興味をもったので思い出深い一振です。他の正宗の刀をたくさん見たあとでは、刃文が他とは少し違う印象をうけました。
・刀 銘 村正 刀剣博物館蔵
 こちらも昨年4月に武蔵正宗と一緒に展示されていた刀です。

・刀 折返銘 正恒
 平安・鎌倉前期の古い刀工のなかでも、正恒の刀は見る機会が比較的多いです。文化財登録されているものもたくさんありました。以前別の施設でも折返銘の正恒の刀がありましたが、そうまでして残したいという現れでそれほど名刀工だったという証拠だと思います。
・刀 無銘 伝助真
 刃文がとても派手です。刃文が見やすく研がれているというのもあると思いますが、鎬地のほうまで広がっていると一瞬かなり異様に見えます。
・短刀 無銘 行光
・脇指 銘 兼洞 刀剣博物館蔵

・太刀 銘 有綱 重要文化財
 細さや反り方、峰の小ささから一目で平安の刀とわかる見た目をしています。安綱の刀は何度か見ましたが、有綱のほうが珍しい気がします。この時代の刀のわりに銘が読みとれるぐらいに茎がとてもきれいな状態というのがすごいと思います。
・太刀 銘 一 重要文化財
 一文字らしいとても華やかな刃文です。これら重要文化財三振は、押型が表裏のものが展示してあり、この一文字の刀は表裏の刃文の違いがとてもわかりやすく、両方を見比べられておもしろかったです。
・太刀 銘 備前國長船近景 建武二年五月日 重要文化財
 光忠や長光と関連した解説が書かれていましたが、それらとは刃文の雰囲気はだいぶ変わるなと思いました。

・刀 銘 長曽根興里入道乕徹 (金象嵌)寛文五年十二月十六日 山野加右衛門六十八歳永久(花押)四ツ胴截断
 展示は表の銘が見られるほうでしたが、鏡で裏の金象嵌銘も見えるようになっていました。虎徹は刃文というよりいつも銘に注目して見てしまいます。
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《感想》
 東京富士美術館は、交通の便はバスの本数が少なく若干悪いのですが、広い施設にほどほどの人出でとても見やすい展示でした。解説がかなり少ないので各刀についてもう少し詳しく知りたいなと思いました。個人で買い取ったものなのでだれが所持していたなどはわからないのかもしれませんが、著名な刀工の刀もあって趣味で集めた所蔵品としてはかなりすごいと思いました。


《今回の一振》
 今回は良いものがたくさんあったのですが、個人的に行光の短刀がとても印象に残っています。行光の刀は今までほとんど見たことがなくかなり楽しみでした。とても相州らしさを感じ、なんとなく三井記念美術館で見た日向正宗に似た印象をうけました。刃文は帽子のところも特徴的で見ていて飽きないかなり好みな刀でした。



 広島県立美術館で5月29日まで徳川名宝展を開催中です。各地の博物館などの所蔵品を集めた特別展で、今まで行った場所のものもあれば、行きたいと思っていた場所の所蔵品も見ることができました。
 初めて広島に行ったので、今回は行きたかった観光地も見てまわりました。

《行った場所》
○宮島
 昼に行ったときちょうど干潮の時間だったので、大鳥居の近くまで歩いて行くことができました。18時ぐらいのときはかなり潮が満ちていましたが、厳島神社はそこまで海につかってなかったので、うまく設計されているなと思いました。
○弥山
 ロープウェイを乗りついで頂上近くまで行き、そのあとは山登りをしました。登る予定ではなかったので靴はパンプスだったのですが、特に問題なく登りきることができるぐらいの道のりでした。途中の道は景色があまり見えないところが多くそこまでといった印象ですが、登りきった頂上からの景色がとてもすばらしかったです。
○厳島神社・宝物館
 初めて行きましたが、神社というよりも舞台がメインのように感じました。もっと常に水につかってるものかと思っていたので、1日のほとんどの水から出ているというのが意外でした。
 宝物館は、常に刀剣の展示があるようです。国宝や重文のものは出ていなかったのですが、有名な刀工のものが多く、とても良かったです。
主な刀剣
・短刀 銘 国光
 国の字に目釘穴がかぶっていました。元就の重臣である桂元澄が納めたそうです。厚みがあって相州っぽさを感じました。
・短刀 銘 天國
・短刀 銘 相州住綱広
 彫られた省略した倶利伽羅龍(草の倶利伽羅だそうです)がおしゃれでとてもよかったです。
・大太刀 銘 三州高力住長吉作 万治三庚子年三月吉日
 すごく大きくて幅がある刀です。鎺に見慣れない家紋が彫られていて気になりましたが、高力氏の紋の鳩字紋というそうです。
・太刀 銘 末行
 生ぶの茎で、鉄鎺も作刀時期と同じ南北朝から室町当時のもので貴重とのことです。
・太刀 銘 国綱 
 鍛えに京鍛冶らしさを感じることができました。

○広島県立博物館
 開館に合わせて行ってきました。音声ガイドは声優の山下大輝さんです。静岡県出身で徳川ゆかりの地だからというつながりでの音声ガイドだそうです。音声ガイドの長さはまちまちですが、刀剣だけは展示品のほとんどにガイドがついており、さらにとても長くて明らかに他との違いを感じました。展示が若干下のほうにあり刃文が少し見ずらいように思いました。刀剣以外の展示も盛りだくさんで、展示室が広いのもあり、屏風や障子絵などかなり大きな展示品が多かったです。
主な刀剣
・槍 銘 南無八幡大菩薩 徳川ミュージアム蔵(茨城)
 以前羽田空港の美術館で見たものと同じものでした。
・太刀 銘 宗近村上 東京国立博物館蔵(東京)
・太刀 銘 来国光 附黒漆打刀拵 重要美術品、徳川記念財団蔵・東京国立博物館寄託(東京)
 家康の代表する刀剣の一つだそうです。現在は67.8cmだけれど、元々はかなりの長さがあったとのこと。シンプルな拵は家康の特徴的なものだそうで一緒に展示されていました。
・刀 金象嵌銘 正宗 本阿(花押) 本多中務所持(名物 中務正宗) 国宝、文化庁蔵
 展示の目録では名物について書いていませんが、解説では言っていました。中務正宗は桑名正宗ともいうそうですね。磨りあげられてかなり短めだなと思いました。
・刀 金象嵌銘 光忠 本阿(花押) 重要文化財、東京国立博物館蔵
 まだ見たことのなかった光忠の刀ですが、ずいぶん幅が広いなと思いました。刃文がかなり派手で見応えがあってよかったです。
・太刀 銘 筑州住左(名物 江雪左文字国宝、ふくやま美術館寄託(広島)
 昨年九州国立博物館で見ましたが、そのあとも何度か展示していました。去年みたときは刀を見はじめた頃だったのであまり気になりませんでしたが、かなりの長さがあるのだと気づきました。宗三左文字ほどではないですが相州っぽさを少し感じました。


○広島城
 建造物は再建のものもほとんどありませんが、敷地はとても広く平城としてなかなか雰囲気がありました。
 つい最近まで刀剣展をしていたようですが、常設のみでも意外と多くの刀剣が展示されていました。
主な刀剣
・脇差 銘 播磨守輝廣作
 この輝廣作の刀は、脇差2、刀1、短刀1が展示していました。
・脇差 銘 大山住宗重
 こちらは赤羽刀で、ほかにも赤羽刀がいくつか展示していました。
・刀 芸州住藤原兼光 寛文四年甲辰三月日 個人蔵
・刀 丹波守吉道 重要刀剣
・太刀 銘 雲次 重要刀剣
・刀 無銘 伝兼長


○広島平和記念資料館
 広島が初めてなのでこちらも初めて行ってきました。資料館という名のとおり、残ったものをもとに起きた出来事を、経過や結果など淡々と解説していました。感情で訴えてくるような体験記や映像作品と違い、冷静に考えさせるような展示方法だと感じました。展示室が新しくてきれいなのと、室内が明るめの照明だったのも意外でした。来館者は外国の方がほとんどで、とても混雑していて展示がじっくり見られないほどでした。展示品の一部にある体験者の直筆の文字などは訳されていないので、そちらのほうが心にきたので外国の方が読めないのはもったいないなと思いました。昔からこんなに外国の方が多かったのかどうかはわかりませんが、みなさんとても真剣に見ていました。
 

《感想》
 意外と多くの刀剣を見ることができました。厳島神社や県立美術館は解説も充実していたのでよかったです。
2日間とても天気が良く暑いほどでした。広島は繁華街がコンパクトで便利だなと思いました。路面電車は都内やこれまでの旅行で見たものはどれも一両編成なので、二両以上あるのも便利で良いなと思いました。


《今回の一振》
 今回は中務正宗です。広島県立美術館はあまり刃文が見やすいようになっていなかったのですが、中務正宗は見やすかったです。意外と刀身が短く切っ先も長めでかなり磨りあげられているような印象です。

 薬師寺での大倶利伽羅の展示を観に奈良へ行ってきました。どんなに朝早く出ても到着は開館後の時間になってしまうので、逆にのんびりと昼から行くことにしました。どれだけの混乱があるのか心配でしたが、とても楽しかったです。

《行った場所》
○平等院
 約10年ぶりに行ったのでほとんど覚えていませんでした。また、数年前に大規模な改装工事をしたので、ほぼ初めて見る姿でした。入館料のみで宝物館にも入れるのですが、値段の割にとても展示が充実していてよかったです。博物館を見て映像などを見てから鳳凰堂の内部の見学をすると、理解しやすくてよかったです。雲中供養菩薩像がとても見ていておもしろかったです。

○薬師寺
 昼すぎに到着しました。大倶利伽羅など本日限定の4振を展示しているまほろば会館はすぐに入ることができ、出るまでの所要時間は1時間ぐらいでした。思っていたよりもじっくりと見ることができ、とてもよかったです。
 噂の刀剣展・仏教と刀展をしている宝物庫は、進みが遅いのもあり2時間ほど並んで入ることができました。タイミング良く待機列で、大倶利伽羅などの所有者であるブレストシーブの澤口氏の話を聞くことができました。小夜左文字の公開のときに会っていたので、見かけた瞬間まさかと思いました。とてもおもしろいお話を聞くことができてよかったです。
 記録についてはあまりとれなかったので、大まかなものをのせています。一応展示していた順番ですが、多少間違いがあるかもしれません。

主な刀剣
・太刀 銘 吉家 ㈱ブレストシーブ蔵
 短めの刀身で、山城らしい造りだなと思いました。
・太刀 銘 恒次(名物 鄙田青江恒次) ㈱ブレストシーブ蔵
 厚みがあり、比較的反りが小さいです。鎺に紋がはいっていました。数珠丸と同じ刀工作の可能性があるということで、確かに似た印象を受けました。
・太刀 銘 安綱(号 般若丸重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 すごく細くさらに長くて明らかに反りが強いです。腰反りでなく、アーチのように反っていて、鞘もどんなものなのか興味をもちました。
・刀 無銘(名物 大倶利伽羅広光重要美術品 ㈱ブレストシーブ蔵
 最初に見た印象は、正宗っぽいというものでした。多少時代が違っていても、やはり正宗の影響が色こくでているものだと感じました。

・刀 勢州桑名住藤原村正 重要刀剣
・太刀 銘 国行 重要刀剣
・太刀 銘 兼光(号 彦根兼光特別重要刀剣
・短刀 銘 国俊 重要刀剣
・太刀 銘 行正 重要美術品
・太刀 銘 安綱
・太刀 銘 正恒 特別重要刀剣
・太刀 銘 豊後国行平 重要刀剣
・太刀 銘 三原正広(号 雲龍正広重要刀剣
・太刀 銘 正宗 重要刀剣
・短刀 銘 左筑州住 重要刀剣
・短刀 銘 左(号 弾正左文字特別重要刀剣
・短刀 銘 村正(号 群千鳥重要刀剣        他多数


○吉野山
 せっかくの桜の時期だったので、桜の名所の吉野へ行ってきました。電車で吉野駅へ行き、そこからバスで吉野山中腹の中千本まで移動し、歩いて下山というルートにしました。若干満開の手前ではありましたが、たくさん桜が咲いていてとてもきれいでした。
 義経や秀吉に関係した寺社が多く、特に竹林院と吉水神社が良かったです。のんびり見ていたつもりはありませんが、4時間があっという間にすぎて帰る時間となってしまいました。


《感想》
 薬師寺は人は多かったのですが、敷地が広いためあまり混雑は感じませんでした。朝のほうが待機列がひどく、刀剣の鑑賞時間もあまり長くなかったようですが、昼にはまったりした雰囲気でした。噂の刀剣展は、2日の入場券を持って入れば後日入れる処置をとってくださったようですが、残念ながら近々奈良には行けなさそうだったので、並んで見てきました。展示量が多く、早めを心がけていても列の進みは遅くなってしまっていました。解説は刀工の説明が中心で、造りなど細かいところにはあまり触れていませんでした。仏教と刀展は展示内容がまとまってわかりやすく、今まで見てきた刀の復習をするような気持ちで見られてよかったです。
 今回所持者である澤口さんから直接お話を聞くことができよかったです。今回のように、中心となっての展示にはあまり前向きではないようでしたが、今後も博物館等へ貸出という形でたくさん見ることができると良いと思います。


《今回の一振》
 今回は大倶利伽羅です。印象としてはまず正宗っぽいと感じたことです。宗三左文字を見たときも正宗っぽいと感じましたが相州伝の雰囲気が好みのようです。切っ先が長く、刃文ののたれは切っ先に近いほうがよく見えました。幅はそこまで広くないので、倶利伽羅龍も思っていたより細い印象です。茎にも目立つ傷のようなものが見えました。鎺には、伊達の紋である竹に雀が彫られていたようですが、若干距離がありよく見えませんでした。
 持ち主の澤口さんがとても良い刀だと話していました。もともととても長い刀で、時代に合わなくなったのに、磨りあげてまで使い続けたのは良い刀の証拠、という話にとても納得しました。いままで磨りあげられたせいで銘がないのは価値が下がりもったいないなと思っていましたが、銘がないほうが良い刀だという考えもあるのだとわかりました。

 桜がかなり咲いてきたこの時期に行ってきました。天気が良い昼間だったので上野駅はものすごい人混みでした。人を避けたいのであれば桜の時期は鶯谷から行ったほうが良いでしょう。博物館内も全体的に人が多かったのですが、刀剣の展示場所だけを見ればいつもよりじっくり見る人が少ないため空いている印象です。

《行った場所》
○東京国立博物館
・直刀 無銘(号 水龍剣重要文化財
 奈良時代に作られた直刀です。直刀は神社の宝物館などでたまに錆びついたものを見かけますが、きれいな状態を見られるのはあまりないのでとても良かったです。鎺の造形がきれいでした。
・太刀 銘 康次 重要文化財
 古青江派の刀工の作品でかなり長い刀です。縮緬肌が特徴ということで、地鉄はまだまだ理解できていないのでとても興味深く見られました。
・太刀 銘 国安
 後鳥羽院の番鍛冶だった国安の貴重な在銘作品らしく、価値のあるのになぜ文化財指定がされていないのかなと少し疑問に思いました。
・太刀 銘 包永 重要文化財 個人蔵
・太刀 銘 吉宗 重要文化財、筑波山神社蔵(茨城県)
・太刀 銘 長光(号 大般若長光国宝
 丁字刃に互の目交じりの刃文がとてもわかりやすいです。以前見た蜂屋長光もですが、全体に対して茎が短めなため、全体的に短い印象をうけます。
・刀 無銘(名物 観世正宗国宝
 正宗の刀らしくとても迫力を感じました。刃文がくっきりと見えすぎて逆に違和感を感じるぐらいです。鎺の梅(桜?)の彫物がとてもきれいでした。地鉄にうずまき状のものが見られました。以前このうずまきができたものはあまり良くないと聞いたことがあるのですが、あいまいです。
・刀 無銘 郷義弘 重要美術品
 以外と見る機会が少ない郷の作品です。のたれの刃文ですが不規則でどこを見てもおもしろいと思いました。
・太刀 銘 備中住守次作 延文二年十二月日 重要文化財
 かなり長く迫力もあり、磨りあげられていない南北朝の刀というのがよくわかりました。茎がかなりカーブしているのが特徴的です。
・脇指 銘 南都住金房兵衛尉政次 天正十八年八月吉日
 皆焼の刃文でとても派手です。
・刀 銘 上総介藤原金重 寛文八月十一月吉日 個人蔵 
 数珠刃風の互の目とありました。写真が禁止だったのが残念ですが確かに数珠っぽいと思いました。
・刀 銘 川部儀八郎藤原正秀 (花押)寛政十年二月廿九日

・太刀 銘 弘 重要文化財
 弘はあまり聞かない名前ですが、一文字派の刀工と考えられているそうです。反りがかなり強くみえます。
・太刀 銘 雲生
 こちらも備前の刀工である雲類の作品です。きれいに銘がのこっていて雲という字もよく見えます。小さくて丸っこくかわいらしい銘だなと思いました。
・短刀 銘 備州長船住兼光 重要文化財
 島根県の津和野藩亀井家が鳥取県にある大神山神社に奉納した刀だそうです。


《感想》
 東京国立博物館は、刃文がとても見やすく研がれていて、解説に刃文や地鉄のことをのせているのでとても勉強になります。さらに一部を除いて写真にも残せるということで、うまく撮れれば後から解説と写真を見比べることもできます。刀剣鑑賞初心者が気軽に訪れて勉強するにはもってこいだなと思います。
 昨年の29日に初めて刀剣を見に博物館を訪れ、ちょうど一年が経ちました。東京国立博物館はこの一年で数えられないほど訪れましたが、今年も年間パスポートを使い気軽に訪れ勉強したいと思います。


《今回の一振》
 今回は手掻派の包永の刀です。
佩表が細直刃、佩裏が乱刃で展示で見られたのは乱刃でした。裏ものぞいてみましたが、光が当たらないため刃文はほとんど見られませんでした。包永の銘があり、徳川ミュージアムの児手柏とほぼ同じ位置でした。

児手柏
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今回展示している太刀
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児手柏は刃文の記録が残されていないそうですが、表裏の刃文が違うのも同じなので、児手柏が燃えていなかったらこのような姿だったのかなと思いました。反り方がかなり違うのでそこも興味深いです。

天下五剣の一つ、童子切安綱の展示が今日まででしたので最後に行ってきました。
今まで平日の夜に行っていたのですが、1・2月は金曜も17時までだったのですっかり行き損ねていました。3月からはまた開館時間を延長していただけるので、また頻繁に訪れられそうです。
前回の獅子王展示のときの記録を書き忘れていたので、一緒に書いておきます。

《行った場所》
○東京国立博物館
・太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱国宝
・太刀 銘 正恒 重要文化財
・太刀 銘 久国(花押)国宝、文化庁蔵
 長めの刀身に比べて茎が少し短めですが、見た目のバランスが良い感じでした。解説で刃文が上品とかかれていましたが、確かにそんな印象です。
・太刀 銘 一(号 今荒波重要文化財
 刃文が見やすいように研がれているからか、一文字らしい刃文がわかりやすくて良かったです。
・太刀 銘 備前国長船住人平真長造 嘉元三年十月日
・刀 金象嵌銘 城和泉守所持 正宗磨上 本阿(花押) 国宝 
 東京国立博物館に来ると毎回正宗か貞宗の刀が置いてある気がしますが、こちらも無銘で金象嵌銘でした。正宗の中でものたれが大きめの刃文でしょうか。やはり厚みがある印象を受けました。
・短刀 銘 相州住秋広 応安三 重要美術品大倉集古館蔵(東京)
 大倉集古館は多くの刀剣を所蔵していますが、残念ながら現在長期の改装工事中です。昨年調べたときは既に工事していたので、このように他の施設に委託して展示していただけるととてもうれしいです。撮影禁止でしたが、短刀ながらすごく難しそうな刃文をしていて見応えがありました。

・太刀 銘 兼氏 重要文化財個人蔵
 幅が広くて峰が大きくてかなり攻撃力がありそうな刀だなと思いました。
・太刀 銘 備州長船盛光 応永廿三年八月日
 こちらも幅が広いですが、峰が小さめで丸い印象を受けます。刃文はすごくくっきりと見えて豪快でした。
・刀 銘 国安 重要文化財
・刀 銘 貞享元年十月吉日 奥州岩城平住人 (菊紋)根本和泉守藤原国虎

・太刀 銘 吉家作
・太刀 銘 一(号 上杉太刀国宝
・太刀 銘 国広 重要文化財、金剛峯寺蔵(和歌山)

前回の展示期間中に2階展示室で見られたもの
・太刀 無銘(号 獅子王重要文化財
 かなり反りがあり、腰反り高いというのはこういうことだなわかりました。
・太刀 銘 助真 国宝
・脇指 無銘 貞宗(号 石田貞宗重要文化財
 

《感想》
 今回童子切を見られたおかげで、天下五剣も残り鬼丸国綱のみとなりました。さすがになかなか見られないものだとは思いますが、いつかどこかで展示されたらぜひ見に行きたいです。今まで見た4振の中では、個人的にがっちりした武骨っぽい印象の刀が好きなので大典太が一番好みかなという感じです。
 最初に刀を見に行ったのがちょうど一年ぐらい前なのですが、なかなか刀剣の美術的評価基準というものは理解できていません。極めようと思っているわけではないので、今までどおりふらっと見に行ってちょっとずつ理解できれば良いかなと思います。東京国立博物館の来年度の年間展示予定も出ました。他の施設についても、この一年間よりは行く頻度が落ちるとは思いますが、行きたいと思ったところには積極的に行きたいと思います。


《今回の一振》
 今回は童子切安綱です。刃文は今回見られた他の刀よりすこし見ずらい感じでしたが、直刃と小互の目がわかりました。銘がかなり鎺よりに彫られているなと気になりました。銘は意外ときれいに残っていて、読みやすくてよかったです。厚みはあまりなくて反りが高く、平安らしい刀だなと思いました。

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 福岡市博物館で国宝の日光一文字の展示を見に行き、熊本の島田美術館の刀剣展と期間がかぶっていたので、合わせて行ってきました。


《行った場所》
○福岡市博物館
 3回目の今回は、福岡空港から地下鉄藤崎駅まで直行してみました。駅から博物館までは15分ほど歩きますが、まっすぐなので道に迷うことはなかったです。今回は前回のへし切長谷部を見に行ったときほどの混雑はありませんでした。特別展のアール・ヌーヴォ展を見に来ている方が多かったです。刀の展示してある企画室はゆったりと見られました。

○主な刀剣
・槍 無銘(名物 日本号
・太刀 無銘(名物 日光一文字国宝
 一文字派の刀は、文化財登録されているものが多く展示されていますが、国宝の刀は岡田切などの吉房作のものしか見たことなかったので、どうしても見たいと思いました。福岡市博物館ではくっきり刃文を見せる細かい研ぎはしていないのか、自然な感じの刃文を見られました。変化にとんで不規則なので、特徴があってわかりやすいですが同じものを作るのは難しそうだなと感じました。無銘ですが一文字の刀だとわかりやすいものだと思いました。



○島田美術館
 福岡から熊本への移動は、天神からの高速バスを使いました。2人だったので往復券買って分けることで、安く行けます。熊本城近くのバスターミナルから、島田美術館まではバスで行きました。あまり本数が多くないので、時間を見て別の行き方のほうが良いこともあるかもしれません。美術館はかなり急な坂を上ったところにあり、車で来る人が多いからか駐車場はいっぱいでした。ちょうど日曜日の刀剣鑑賞の時間だったので展示室も人が多かったです。建物はちょっとした古民家という感じであまり広くはありません。お庭や建物の中の雰囲気が良かったです。

主な刀剣
・刀 無銘 金重
 宮本武蔵が所持していた刀で、吉岡斬りと伝えられている刀だそうです。島田美術館は宮本武蔵についての展示がたくさんあり、入場券も宮本武蔵の肖像でした。詳しく知らなかったので簡単に調べたのですが、吉岡斬りというのは、宮本武蔵が京都で吉岡一門と戦ったときに倒した、吉岡清十郎・伝七郎・又七郎らのことのようです。南北朝時代のものにしては反りがまったくないなと思っていましたが大磨上とのこと。パンフレットに使われているメインの写真がこちらです。
・刀 銘 大和国国宗
 こちらも宮本武蔵が所持していたと言われる刀です。峰がかなり小さめなのが特徴的でした。

・短刀 銘 則光(茶臼剣
 両刃造りで鎧通しの一種とのこと。かなり小さくて両刃造りなのでサバイバルナイフのような印象です。
・脇指 無銘 左 長巻直し(晴思剣
 細川忠興が茶坊主を切って気持ちが晴れたから付いた名前だそうです。大峰の刀で、刃文は見づらかったのですが互の目かなと思いました。
・脇差 銘 大和守藤原宣貞(希首座
 こちらも細川忠興が僧侶を切ったことにちなんだ名前です。新刀らしい見た目の刀でこちらも刃文は互の目のようでした。

・刀 銘 雲生 
 直刃でとても長くて幅の広い迫力がある刀でした。
・刀 無銘 貞宗 
 大磨上無銘の刀ですが、連樋があるのが良いなと思いました。加藤清正から細川重堅へと渡った刀で、一緒に展示されている拵えは肥後拵えの中でも傑作だといわれるほどのようです。今回の展示の中でも、やはり貞宗のこの刀はかなり好みな刀でした。
・脇差 銘 備州長船経家 長禄二年八月日
・ 短刀 銘 善定兼吉
 かなり小さいです。京都国立博物館で見た国吉の短刀のぐらいなので20cmぐらいしかないのではないかなと思いました。
・太刀 銘 備前国長船藤原則光 主同国住人難波十郎兵衛尉行豊忠宗 八幡大菩薩諏訪大明神
・脇差 銘 大和守国行
・脇指 銘 長谷部国重
・刀 銘 濃州関住兼定作
・太刀 銘 則長
・刀 銘 波平純貞作             他多数


他に現代刀匠の作品も展示されていました。国天という方の刀が特に印象に残っています。
全体的に解説がないので詳しいことはわかりませんでしたが、こちらの刀は仏像が彫られていて、新しいもののほうが彫刻が細かいところまできれいに見られるので良いなと思いました。
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○熊本城
 初めて訪れました。石垣の高さと迫力に圧倒されて、そんなに坂を上るわけでもないのに、天守へ向かうまでに妙に疲れてしまいました。この日は20℃近くであたたかく、天気も良く、梅がきれいに咲いていてとても良かったです。人は多いですが外も天守の中も比較的広いのであまり人ごみは感じませんでした。
 天守内は予想以上に近代的ですが、展示量はほどほどに多くてよかったです。本丸御殿が再建されて、一般公開もされていました。現存する宇土櫓は、櫓といっても犬山城ほどの規模があり、昔のままということもありとても良かったです。

○旧細川刑部邸
 細川家三代忠利の弟である刑部小輔興孝の屋敷です。かなりの広さがあり、派手さはないですが良いものばかり置いてあるという印象です。特に一番奥の方にある主人の部屋に当たる場所は、道具類の雰囲気がとても良い部屋で格式の高さを感じられました。表の門から母屋までの道が砂利で枯山水のようになっていて美しかったです。



《感想》
 熊本城は行きたいと思っていた城だったので今回行くことができてよかったです。敷地も天守も石垣もとにかくいろいろなものが大きくて迫力がありました。丸1日もいなかったので、今度来る機会があったら阿蘇など熊本全体をもう少しじっくり見たいなと思いました。熊本空港は意外と市内から距離があって、空港へ向かうシャトルバスは満席の状態でした。今まで新幹線の移動が基本で、空港は福岡しか使っていなかったので、やはり空港は中心部から少し離れるので不便だなと感じました。


《今回の一振》
 今回は福岡市博物館の日光一文字です。刃文は写真だとだいぶ見づらいですが、3枚目の写真の刀掛けの右側に見える大きく変化しているところの刃文が好きです。照明の関係かわかりませんが全体的に黒っぽい印象です。
 一文字は見るものが太刀や刀ばかりで、短刀や脇差など短いものは見たことがない気がするのですが、何か理由があるのでしょうか。気づいてないだけで実は一文字の刀工というのもあったのかもしれません。

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 この時期恒例の福岡市博物館でのへし切長谷部展示に行ってきました。毎年のことではありますが、1月のひと月しか展示しないというのは、他の国宝と比較しても短いなと思いました。前回江雪左文字を見に福岡に行ったときに福岡観光はしたので、今回は福岡市博物館のみです。

《行った場所》
○福岡市博物館
 5月以来2回目の訪問です。前回訪れたときは、天気が悪かったのもあり、人がほとんどおらず博物館周辺も建物内も少し寂しい印象でしたが、今回一転とても活気がありました。今回は写真撮影も可ということで、展示を見る列の進みはゆっくりでしたが、人数はそこまででもないように感じました。ちょうど学芸員さんの話が始まったときだったので聞くことができましたが、日本号の実物大ポスターが本当に大きくて笑ってしまいました。広い展示室内でも相当な大きさだったので、部屋に飾るのは難しそうです。展示の写真を撮るのに皆さんしゃがんだり、止まったりするので列の後ろからでも比較的よく見えました。あらためて京都国立博物館での刀剣展示の列は後ろから全然見えないほどぎちぎちに詰めていたんだなと実感しました。

主な刀剣
・槍 無銘(名物 日本号
・刀 金象嵌銘 長谷部国重本阿 黒田筑前守(名物 圧切長谷部国宝


《感想》
 今回施設内が入口あたりから展示室内まで、全体的にお祭りムードがただよっていました。学芸員の方も見に来ていた方も一様に楽しんでいる雰囲気でした。昨年の展示のときは、展示されていて見に行った人もいるという情報を見たぐらいで、まだそこまで盛り上がった雰囲気ではなかったので、本当に待望の展示だったのだなと思いました。特に施設の関係者方がとてもフランクで明るかったのが印象的です。堅苦しくなかったためか、展示室が全体的にざわついていましたが、あまり気になりませんでした。来月は日光一文字を見にまた訪れるので楽しみです。


《今回の一振》
今回はへし切長谷部です。かなり反りが少なくて意外でした。刃文をもっと細かく撮りたかったのですが難しかったです。皆焼の刃文はかなり難しいそうですが、難しいならなぜこのような刃文にしようとしたのかなと少し思いました。特徴的でおもしろいですが、個人的にはきれいさとはちょっと違うなと感じました。
 
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今までの博物館でも皆焼は少ししか見ていないので、参考になる写真を探しましたが、今まで見た皆焼で一番すごかったのは越前康継のこれかなと思います。
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