刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

 茨城県の古河市にある古河歴史博物館に行ってきました。11月27日まで「赤羽刀」と日本刀名品展を開催中です。古河駅は初めて訪れましたが、博物館の周辺はきれいに整備されていて、昔は城がそこにあったことを連想させる趣のある街並みがつくられていました。都内からも訪れやすく展示もすばらしいものばかりだったので、ぜひ期間中に見てもらいたいです。

《行った場所》
○古河歴史博物館
古河歴史博物館は、平成11年に赤羽刀を譲渡されてから何度か刀剣展を開催しているそうです。そのため、刀の展示専用ではない施設でも、見やすくなるように工夫がされていました。また、解説がとても多く見どころなどがわかりやすくてよかったです。個人蔵のものが多く、なかなか見る機会がないと思うので今回の展示を見に行ってよかったです。
主な刀剣
・刀 無銘 伝来国行 重要美術品、個人蔵
 大磨上げでも傷ひとつないような健全な姿でとてもきれいです。地鉄がよくつんでいるという解説のとおり美しさを感じました。
・太刀 銘 国俊 重要刀剣、個人蔵
 細い直刃がすっとはいっていて繊細な印象の刃文でした。長い刀だなと思ったら75cmありましたが、迫力がある長さというよりも長くてもバランスの良さを感じました。
・短刀 銘 来国光 観応二年六月 重要刀剣、個人蔵
 すこし長めな短刀で、こちらは刃文が広い直刃でした。以前刀剣博物館で来派の刀を並べて見たときも思いましたが、来国光からは相州っぽさを感じます。

・短刀 銘 村正 重要刀剣、個人蔵
 大互の目と大のたれでとても迫力のある刃文でした。身幅も広いところも迫力を感じます。
・短刀 銘 環 赤岩住 個人蔵
 環というのは源清磨のことでめずらしい銘だそうです。短刀の形はしていますが9.6cmととても小さく、刀とは思えないような小ささです。

・刀 無銘 長義 重要刀剣、個人蔵
・刀 金象嵌銘 義光 本阿(花押) 重要刀剣、個人蔵
 隣の長義と比べるとだいぶ細身に感じます。刃文の互の目が規則的にはいっていて備前らしくていいなと思いました。
・刀 金象嵌銘 長守 本阿(花押)重要刀剣、個人蔵
・脇指 銘 常州東条高田住英定作 天正十年八月日 古河市指定文化財、三和資料館蔵
 平造りの脇指ですが、42cmもありかなり変わった姿をしています。

・刀 銘 備前介藤原宗次 嘉永六年八月日
 こちらが古河歴史博物館が所蔵する赤羽刀です。大きな互の目乱れが派手で、全体的には固い印象をうけました。
・刀 銘 水心子正秀 天明五年二月日 彫同作 特別保存刀剣、個人蔵
 大きく倶利伽羅龍が彫られています。刃文の大互の目が彫り物のある場所は小さく、切っ先のほうは大きく焼かれていてよく計算されてつくられているなと感じました。
・刀 銘 葵崩紋 個人蔵
 烈公こと水戸藩主徳川斉昭が作刀したものです。意外とみる機会が多く、これで四振り目ぐらいな気がします。解説に烈公の特徴の八雲肌とありましたが、確かに雲のような肌がよく見えました。

・刀 銘 以南蛮鉄 於武州江戸 越前康継 重要刀剣、個人蔵
・薙刀 銘 大和国藤原包宗 個人蔵
・短刀 國廣 重要刀剣、個人蔵
 表に梵字、裏に大黒天が彫られていて、展示は表でしたが写真で裏の大黒天も見せてくれる親切な気配りがされていました。
・刀 銘 日州古屋住国広作 天正十四年八月朔日 豊田安宗刀 重要刀剣、個人蔵
 彫り物の真の倶利伽羅龍がとてもかっこよかったです。
・脇指 銘 長曾祢興里入道乕徹 重要刀剣、個人蔵
 すごく肌がきれいで目をひかれました。
・刀 銘 陸奥大掾三善長道 延宝五丁巳八月日(号 池田長道重要刀剣、個人蔵
 解説によると、池田屋事件の功績により松平容保から近藤勇に贈られた刀とのこと。作者の三善長道は会津虎徹と言われるほどの刀工だそうです。他にも調べていたら以前は靖国神社の遊就館にあったという話も見ました。逸話が多くておもしろい刀だと思います。


《感想》
 思っていたよりもずっと満足する展示内容でした。展示位置が低めなのはしょうがないとしても十分見やすく展示されているし、解説の多さは今まで見た施設の中でも上位だと思います。刀工、造り、来歴等についてたくさん書かれていてとても全部は記録できませんでした。あまり人が多くないのでゆっくりじっくりと見られたのもよかったです。
 最初古河の名前を聞いたときに何県かわからなかったのですが、本当に埼玉と栃木に接して3県にまたがるような位置にあり、常設展での地域の歴史も見ていておもしろいなと思いました。古河駅は茨城県なのに川の対岸にある新古河駅は埼玉県というのもおもしろいです。ぜひまた刀剣の特別展を開催したら訪れたいです。


《今回の一振》
 今回は備前長義作の刀です。どっしりとした大峰の刀で、とても南北朝期らしさを感じました。解説に、長義は備前ばなれしている刀工と書かれていましたが、今まで見た長義の刀の中でもより相州に近い作品だと思いました。

 文化の日に東京都内の気になっていた神社を中心に刀めぐりをしました。銀座の刀剣販売店に用があったので、気づけば府中から銀座まで東京を横断するような行程になりました。初めて訪れる場所ばかりだったので、知らなかった東京の景色が見られてよかったです。


《行った場所》
○大國魂神社
 府中の駅前にある大きな神社です。将軍家も重要視した神社で、神領地五百石は上野東照宮、日枝神社に次いで三番目だったそうです。街並みもどことなくその名残を感じました。奉納刀は号がついた江戸時代の大太刀が3振に、大正・昭和・平成それぞれの時代に奉納されたものと幅広く展示されていました。号がついた由来などは書かれていませんでしたが、解説が多くてよかったです。

主な刀剣
・大太刀 銘 慶長八葵丑年卯月十日鍛冶山本七郎右衛門慰照重作  奉納武州惣社六所大明神御剣  願主當國之住大野八衛門景吉(号 御蛇丸府中市指定文化財
・大太刀 銘 於武州江戸大和守藤原金蔵作之 寛文二王寅年九月吉日(号 烏丸府中市指定文化財
 高力高長が奉納した刀で、厳島神社にあったものと同じように高力氏の丸に鳩紋が鎺に彫られていました。

・大太刀 銘 日本鍛冶宗匠三品伊賀守金道門人明林子長高作  安政六末年二月日  御霊宮武劦多摩郡一ノ宮村 願主杦本万平 小林長三郎 杦田熊造 セハ内中(号 息吹丸
・脇差 銘 武州児玉八幡山住 六代明村子長高 高野政光作
 息吹丸が奉納されて、150年後の平成十三年に、息吹丸をうった長高から6代目の子孫である13代目長高が奉納したとのこと。長い年月を経て伝統を守ることができる刀工がいるのはすごいことだなと思います。

・短刀 大阪住人月山貞藤謹作(花押) 大正十五年三月吉日
 御下賜品で、鎺には御賜と彫られていました。拵も特別なもので一緒に展示されていましたが、とてもきれいでよかったです。
・短刀 銘 御奉献大國魂神社大野利雄 武蔵国府中靖興作 昭和四十九年二月日


○金王八幡宮
 渋谷の駅前からすぐの場所にあります。名前の由来は源頼朝に尽くした金王丸という人物。その金王丸が持っていた刀が、毒蛇長太刀というもので現在でも金王八幡宮に伝わっているそうです。広くはないけれど周辺もとても雰囲気があり、観光で訪れている方も見かけました。


○日枝神社
 徳川家に縁の深い代表的な神社で、刀もたくさん奉納されています。宝物館は入場無料ですが展示内容はとてもすばらしいです。
主な刀剣
・太刀 銘 師景 重要文化財
 丁字の刃文がメラメラと燃えているような姿でした。

・太刀 銘 重久 重要文化財
 初めて見ましたが一文字派の刀工だそうです。太めな姿で刃文もよく見えませんでしたが、反りが小さく不思議な姿をしているなと思いました。

・太刀 銘 守家 重要文化財
 丁子刃文のうち、中心あたりは蛙子丁子も見られました。

・太刀 銘 備州長船住長光 重要文化財
 明治天皇が奉納されたものだそうで姿が細身で美しさを感じました。

・太刀 銘 一
 吉岡一文字派の刀工で、一文字らしい刃文がよく見えました。焼き幅が広くて丁子が鎬まできています。

・刀 銘 武蔵大掾藤原是一
 身幅が広くて反りがなくほぼまっすぐなのでどっしりとした姿をしていますが、刃文は丁子がとても華やかで派手さがあります。



《感想》
 普段各地に遠征はしても、意外と身近なところを調べて見に行くことをしていなかったので、今回東京の神社を見てまわれてよかったです。七五三の時期なのでどこも普段よりも賑わっているようでしたが、刀などが展示してある宝物館などは人が少なくとても静かなのでじっくりと見ることができました。刀以外の展示では、やはり徳川家に関するものが多くありましたが、昭和の戦争資料も多くみられました。東京にある寺社の多くも戦火で焼かれたものが多かったんだなというのを改めて感じました。まだまだ都内には大きな由緒ある寺社がたくさんあるので、ぜひ行きたいと思います。


《今回の一振》
今回は大國魂神社にあった御蛇丸です。
大國魂神社にある号のついた3振の大太刀は、名前の由来などはわかりませんが、特にこの刀は逸話がいろいろ残されています。この刀を奉納した大野八衛門は、現在の群馬県桐生市の街づくりを行った人だそうです。しかし不正の罪で処刑されることに。どうも冤罪だった可能性があるそうですが、その処刑の一年前に奉納したのがこの刀。刀身には6つの銘文が彫られていて、その内容は(処刑されることに対して)もう恨み気持ちはなくなったという内容だそうです。刀の姿も特徴的ですが、その逸話を聞きとても印象的な刀でした。


 他の記事と日付が前後してしまいましたが、5月で年間パスポートが切れたためパスポートを更新して行ってきました。

《行った場所》
○東京国立博物館
 行くのが久しぶりだったのと、この日は夜22時まで開いていたので刀剣の場所だけでなくそれ以外のものもじっくり見てきました。2時間半ほどいましたが、それでも最後の方は疲れてしまい結局全部は見られませんでした。観光などで一度しか訪れない人が全部を見ようとすると平均滞在時間はどれぐらいなんでしょうか。
 現在は終了してしまいましたが、細田守監督のときをかける少女に関する展示が行われていて、そちらもおもしろかったです。作品は何度か見たことがありますが、劇中で東京国立博物館がモデルの場面があるとは知りませんでした。当時はほとんど行ったことがなかったので気づきませんでしたが、今見たらわかって面白いだろうなと思います。

主な刀剣
・太刀 銘 大和則長作 重要文化財
・太刀 銘 定吉
・短刀 銘 来国俊 正和五年十一月日 国宝、熱田神宮蔵(愛知)
・太刀 銘 備前国長船住景光 元亨二年五月日(号 小龍景光国宝
・太刀 銘 国宗 備前国住長船正和(以下切)
・短刀 無銘 伝正宗 重要美術品
・刀 無銘 貞宗(名物 切刃貞宗重要文化財
・刀 銘 備前国住長船次郎左衛門尉勝光 子次郎兵衛尉治光一期一腰作之 佐々木伊代守 重要文化財、乃木神社蔵(東京)
・刀 銘 兼元
・太刀 銘 乕徹入道興里 此太刀一代三振之内置者也 寛文四年八月吉(以下切)  切付銘 明和六年五分本揚而追有徹銘 仍所持 三寸六分継平上之 個人蔵


・太刀 無銘 (菊紋)
・太刀 銘 貞真 重要文化財
・短刀 銘 行光 国宝
・薙刀 銘 長光 重要文化財


《感想》
 東博に通うのも2年目になったので今回はいくつか見たことある刀がありました。また、久しぶりに行くと他の施設と比べて、東博は展示位置が高いなと思いました。私は女性の平均身長ですが、写真を撮るとき正面からよりも少し上から撮ったほうが、きれいに写りました。外国人の観光客も多く来るので、客層に合わせて少し高めになっているのかなと思ったんですがどうなんでしょうか。


《今回の一振》
 熱田神宮所蔵の国宝の来国俊の短刀です。一目見てすごく美しい姿だなと思いました。肌も刃文もとてもキメ細かい感じで、ずっと眺めていたいと思いました。そのあと国宝だと知ったり解説を読んだりして、すごい刀なんだと評価されていて直観が当たっていることがうれしかったです。
 たびたび展示されているのかどうかはわかりませんが、熱田神宮では写真が撮れないので、東博で展示していただいたのはとてもよかったなと思いました。
DSCF3586

DSCF3588
DSCF3589
DSCF3591

 川越は関東では鎌倉と日光についで3番目に文化財が多い街だそうです。特に刀の企画展示をしているわけではないのですが、まだ川越の博物館は行ったことがなかったのでどんなものが置いてあるのかと思い行ってきました。

≪行った場所≫
○川越歴史博物館
 重要文化財を多数所持している喜多院のすぐそばにあります。細長い建物で、一見お土産やのような外観です。個人で経営しているようで館長さんおひとりですが、他のお客さんがいないと展示について説明を受けることができました。
 刀や火縄銃、兜などを実際に持たせてもらえます。火縄銃がとても重かったので、そのあとに持った刀が軽く感じました。刀は拵え付きで反りが少ない短めのものだったのですが、刀が好きだと言ったら白鞘のものをもう一振出していただきました。そちらは70cmを超えて幅も広めでかなりずっしりときました。時代の変化による姿の変化、二代目と銘についてなど、おもしろい話をたくさん聞くことができました。
 ほかにも、川越藩は警備の仕事を担うことが多かったため、さすまたや時代劇でよく見る十手がたくさん展示されていました。十手は現在多くは残っていないそうで、確かにほかの施設だとあまり見ないなと思いました。
 展示ケースに入っているものも、見ていたら出して説明していただけました。特に魚の自在置物を持たせてもらったのですが、あまりにもリアルに動くので怖いと思ったぐらいです。なめらかな動きをするのがどういう仕組みかわからないのですが、館長さんも現代では作れない技術だと言っていたので本当に貴重なものなんだなと思いました。
 2・3階は照明が弱く見にくいものもあるのですが、甲冑が多く展示してありました。とくに馬の鎧と面はなかなか見ないものだったので興味深かったです。

 主な刀剣
 見せていただいた刀は誰の作か聞けなかったのですが、室町のものと江戸前期ごろのものだそうです。
・薙刀 銘 英義
 川越藩お抱えの刀工です。今回出ていませんでしたが、葵紋ちらしの拵えがあるそうです。今回拵えの展示が多かったのですが、他にも葵紋の入っているものがたくさんありました。
 


○川越市立博物館
 現在特別展として川越にある指定文化財の展示を行っています。建造物などはパネルで紹介されています。博物館自体の展示スペースはあまり広くないので展示物は多くありませんが、城下町のジオラマや蔵造の街並みの再現など、大きな展示物が多く少し変わった展示内容でした。川越も一度大火で街が燃えてしまった歴史があり、どの博物館に行ってもそうですが、大火事と戦火から復興して近代の街並みが作られたことがわかります。

・十文字槍 銘 大慶荘司直胤作之  応川越藩安井政章需於武陽東叡山辺文化九年仲春 川越市指定文化財



○川越城本丸御殿
 江戸時代に作られた本丸御殿が一部保存されています。装飾は全体的には少な目でシンプルですが、襖の引手が凝ったものでした。また、襖絵も描かれていてきれいです。一番大きな広間には、御手杵の鞘のレプリカ杵黒熊毛槍鞘が置かれていました。春に行われる春祭りで使われるそうですね。


≪感想≫
 今回はいつもと少し違った観光になりました。見たものは少ないですが、貴重なお話を聞くことができて勉強になったと思います。いつも刀を見に遠出をしていますが、行ったことのない身近な施設もたくさんあるので、今回のような博物館めぐりも良いかなと思いました。意外と東京などの身近な神社やお寺は全然行ったことがなかったので、そういった場所を見るのもしたいなと思いました。


≪今回の一振≫
 歴史博物館に、戦時中鉄を提供するためなくなった刀の茎と切っ先が展示されていました。このように一部分だけ残すのもきっとすごく残念だっただろうなというのが感じられます。館長さんとのお話の中で文化財保護の話が出ましたが、良いものほど海外に持っていかれて日本にはほとんど残っていないことを言っていました。展示では戦火で焼けてボロボロになった刀も展示されていました。こういった文化財から見た日本の歴史も、刀に興味を持たなかったらまったく考えることがなかったんだなと考えると、現在の状況にも向き合いたいなと思いました。
DSCF3745
DSCF3746
DSCF3743



 名古屋に2日間滞在するということで、足をのばして刀剣の展示がある伊勢神宮と岐阜市歴史博物館も訪れたいということになったのですが、時間が足りなさそうだったので3日間の旅行になりました。思いがけずたくさんの刀剣に出会うことになったのでよかったです。

《行った場所》
○伊勢神宮・神宮徴古館
 伊勢神宮は初めて訪れました。名古屋からの始発電車で行ったので、そこまで混雑もなく楽しむことができました。式年遷宮があったばかりだったのでまだとてもきれいな状態で、簡素な造りもあいまって他の神社とはまったく異なる雰囲気です。あまり下調べをしないで行ったので、建物の屋根の茅葺がとても厚みがありすごいなと思いました。神明造と言われる高床式の造りもとても興味深いものでした。20年で新しくするというのは、少しもったいないと思っていたのですが貴重な技術を継承しなければいけないということを考えると、それぐらいの頻度は必要だなと思いました。休憩所で見られる式年遷宮のビデオで詳しく解説をしていたのでとても勉強になりました。
 神宮徴古館は、外宮か内宮から歩いて行ける距離なのかなと思っていたら、ちょうど真ん中あたりに位置していてバスで行きました。バスは多くないですが、1時間に3本はくるのでまだ良いかなと思います。バス停から建物が見えないので少し迷いましたが、坂を登ったらすぐ目の前にあります。中はとてもきれいで、思っていたよりも展示物がたくさんありました。式年遷宮についてのこともたくさん展示していますが、休憩所で映像を見て勉強したおかげで頭にすっと入りました。
 刀剣の展示は、位置は少し低めですが展示の仕方がとてもよくて刃文もよく見えました。解説も詳しくて、造りについてイラスト付きで説明されています。他の施設でも同じような解説がほしいぐらいにわかりやすくてよかったです。

主な刀剣
・太刀 銘 吉信 重要文化財
 四代将軍家綱が奉納したもので、一文字派の作品らしくとても豪華な感じでした。長さが83cmあることもあり、とても存在感があります。奉納する刀なだけあって良いものだなと思いました。
・太刀 銘 次家 重要文化財
 五代将軍綱吉が奉納したものです。古青江の特徴で太刀だけれど裏に銘を刻んでいて、刀の置き方で展示しているというのを見てなるほどと思いました。以前どこかでも同じように展示して解説がされている場所があったような気がするのですが、忘れてしまいました。
・太刀 銘 俊忠 重要文化財
 こちらも古青江派の刀工の刀です。あまり聞いたことのない刀工だと思ったら、唯一の現存在銘刀だそうです。奉納されていたために唯一残ったということを想像すると歴史研究としても貴重な存在だなと思いました。
・太刀 (菊花紋)和泉守来金道
 沸出来という解説のとおり、沸がとてもよくわかります。刃文は互の目ですが皆焼も見られました。砂流しの部分もイラストでわかりやすく示されているので勉強になりました。
・太刀 (菊花紋)丹羽守金道
 さきほどのは三代目の作だそうですが、こちらは五代目の金道の作品です。独特の刃文である簾刃についての説明もあってなるほどと思いました。
・太刀 (菊花紋)伊勢守藤原清方
 匂い出来というのがよく分かりました。展示の仕方が良いこともあり、どの刀剣も沸や匂いが本当に見やすくて良いです。
・太刀 (菊花紋)伊豆守源鬼道
 こちらも沸出来です。初めて聞いた名前の刀工ですが、金道と同じ三品派の刀工だそうです。奉納される刀剣は有名な刀工の作品が納められていることもありますが、そうでないもののほうが多い気がします。美術的価値よりも信仰心の問題だからでしょうか。展示されるようなものは有名な刀工のもので、表に出ないだけでそれ以外のものもたくさん所持しているということもある気がします。



○岐阜城
 岐阜市には初めて行きました、街中に山がポンと置いてあるような地形でおもしろいなと思いました。山のぎりぎりまで家が建っていますが山肌にはあまりないのでそのコントラストが天気の良い山の上から見るとよくわかって良かったです。岐阜城は、休日だったこともあるのか親子連れもたくさんいました。ロープウェイを乗ったあとも道は舗装されていて歩きやいですが、意外と段差の高低差があって登りずらいので注意が必要でした。とにかく景色が良いのでおすすめです。
 展示物も刀剣や甲冑などの武器・武具を中心に意外と数多く展示されていました。写真撮影は可能ですが、展示位置がかなり低いのと照明が明るくガラスの反射もするので撮影は難しかったです。
主な刀剣
・脇差 銘 陸奥守藤原 兼信
・脇差 銘 尾州犬山住大蔦道幸作之 慶応三年卯二月吉日
 脇差ですが包丁正宗の写しのようです。刃文がかなりおだやかなので一番ちかいのは徳川美術館の包丁正宗でしょうか。
・脇差 阿州海部住氏吉作
・太刀 銘 國友
 こちらだけ他のものとは明らかに年季が違う姿でした。国友というと粟田口派の刀工で、今まで熱田神宮で重要文化財のものを見たことがありますがどうなんでしょう。
・脇差 銘 兼延
・脇差 銘 備州長船祐定作
                          他多数


○岐阜市歴史博物館
 特別展で徳川美術館のものを多数展示しています。2階の常設展には楽市を再現したスペースがあり親子向けの体験スペースがありました。図録などの書籍も常設展に置かれています。
主な刀剣
・刀 銘 本作長義 以下59字略 重要文化財、徳川美術館蔵(愛知)
・太刀 銘 則宗作 徳川美術館蔵
 まだ見たこのなかった刀です。一文字らしい刃文で、すらっとした姿でした。
・短刀 無銘 正宗(名物 包丁正宗国宝、徳川美術館蔵
 剣が透かし彫りにされているため、ほりぬき正宗とも呼ばれるそうです。沸がよく見える刃文で、かなりどっしりとした存在感があります。
・太刀 銘 光忠 重要文化財、徳川美術館蔵
 初めてみる光忠の刀です。久しぶりにみると、光忠の刀はけっこうどっしりした姿なんだなと思いました。
・短刀 銘 宗近(名物 海老名宗近)徳川美術館蔵
 去年見て、すごく変わった造りの短刀だなと思いましたが、今回はとても大きく見えました。
・短刀 無銘 正宗(名物 若江十河正宗)徳川美術館蔵
 刃文の焼幅が広くて、再刃でも正宗らしさを感じました。

・刀 銘 兼貞
 常設展にも2振展示されていました。造りの解説もあり、こちらは沸がよくついた小乱れの刃文だそうです。
・脇差 銘 駿河守盛道 
 こちらは二代目の盛道の作で、兼房乱れと三本杉がわかりました。


・大垣城
 岐阜駅から近かったのでこちらも寄ることにしました。公園の一角にたたずむようにありますが、周りの石垣などはなかなか趣がありました。中の展示は体験型のものが多く、槍や火縄銃を持つことができます。また、映像の展示が多く、関ヶ原を西軍視点で書かれているものが多いのがおもしろいなと思いました。展示されている刀剣は、おそらく大垣藩主で235年この地を治めた戸田氏の子孫の方から寄贈されたようです。
主な刀剣
・十文字槍 銘 大隈守藤原家信作
・十文字槍 銘 河内守国助作
・片鎌槍 銘 文珠包久作
・槍 銘 関兼定作
・槍 銘 美濃住清里作
・刀 銘 武蔵大掾是一作


・大垣市郷土館
 大垣城の近くにあり、かなりきれいで広々とした施設です。お庭もとても趣があります。大垣城と合わせて150円の入館料はとても安いと思いました。大垣藩の戸田氏について詳しく説明されています。常設展に刀剣が展示されていますが、年間予定を見ると9月17日~11月6日まで刀剣の特集展示を行うそうです。
主な刀剣
・大身槍 銘 助光
・脇差 銘 助宗
・刀 銘 備中国住家次
                   他多数 


《感想》
 3日間とても天気がよく暑い日が続いたのですが、伊勢神宮や岐阜城などですばらしい景色を楽しむことができました。一番暑い時間は博物館の中に避難することでができるので、博物館巡りが中心の観光は良いなと思います。しかし、やっぱり歩き回っていると夜になると疲労がたまるので、刀剣旅行は真夏と真冬は控えめになるなと思いました。
 最近は大きい博物館などを目指して刀を見に行くことが多かったのですが、今回のように予想外の場所で刀が展示されているととてもうれしくなります。このブログも、そういった刀剣を展示している施設や展示している内容をお知らせしたいという意味で作ったものなので、今後もそんな場所をたくさん紹介できたらなと思います。


《今回の一振》
 今回は、岐阜城に展示されていた被災刀です。

DSCF3726

一番上が長光の刀だそうです。写真でわかりずらいですが銘が読み取れます。

DSCF3728


DSCF3729

発掘されたりしてボロボロの原型を留めていない状態の刀はときどき展示されているのをみますが、戦火によってこれだけ傷ついた刀を展示しているのはあまり見ない気がします。特に切っ先のほうはひどい状態でした。
きっと健全な状態だと良い刀だったんだろうなという印象をとてもうけたので、紹介したいと思いました。

 徳川美術館での刀剣展示が、8月9日までと10日からで展示内容が変わるので、両日を合わせて行くことにしました。それに合わせて伊勢神宮や岐阜にも足を延ばしましたが、長くなるので、愛知編と三重・岐阜編に分けます。

《行った場所》
○熱田神宮
 熱田神宮の宝物館は比較的混雑するため、朝の早い時間のほうがじっくり見られます。前回名古屋を訪れたときは特別展開催中で刀剣の展示はありませんでしたが、今回は図録を持って久しぶりに展示を見に行きました。熱田神宮の刀剣図録はとても細かく造りについて書かれているので勉強になります。
主な刀剣
・短刀 銘 備前国住長船祐定 大永二年八月吉日
・短刀 銘 備州長船光長
・短刀 銘 備州長船倫光 永和二年八月日
・短刀 銘 備州長船忠景 貞治亖年三月日
 備前ものの短刀は意外と見ないのですが、今回はたくさん展示してありました。直刃調のものもあって、備前らしさというのがわかりにくく難しいなと思いました。
・短刀 銘 備□国住介成
 初めて見る刀工の作品ですが、草の倶利伽羅龍が彫られていました。厳島神社でも見ましたが、こちらのほうが細かく彫られていてかなりデザインが違います。

・太刀 銘 備前長船守家
・脇指 銘 備州長船盛光 応永廿一年十月日
・脇指 銘 備前国住長船祐定 享徳三円二月吉日
 菖蒲造りになっています。祐定銘の短刀は直刃だったのですが、こちらは変化のある刃文でした。
・脇指 折返銘 備前国住長船助包
・刀 銘 助光
・刀 銘 則光
 大きな互の目乱れでとても華やかな刃文でした。

・太刀 銘 備前長船兼光 重要文化財
 片落ち互の目の刃文で図録の解説には景光風の作品とありました。この刀と以下の2つは展示位置がガラスから近くてとても見やすいです。
・太刀 銘 宗吉作 重要文化財
 こちらも図録に載っています丁字がとてもきれいな姿でした。
・太刀 銘 長光
 長光にしてはあまり派手ではない丁字模様がとてもきれいで良かったです。



○徳川美術館
 徳川美術館では、7月12日~9月11日まで戦国名刀物語として多くの刀剣を展示しています。8月9日までが前期、10日からが後期となっています。特別展も合わせて今までみたことがなかったもの含め、かなりの数を見ることができました。今回は今までよりもかなり刃文が見やすかったように思いました。以前見たことあったものも、新鮮な気持ちで見ることができました。初めて見たものを中心に書いていきます。

主な刀剣
・太刀 銘 国俊(名物 鳥養国俊重要美術品
 以前見たときは刃文がよくわからなかったのですが、腰元の丁字がわかりやすく変化にとんだ刃文でした。
・小太刀 銘 源左衛門尉信国 応永廿一年二月日(名物 松浦信国
 上り龍と下り龍の彫物が他の普通の倶利伽羅龍とは違うデザインでとてもよかったです。
・刀 銘 村正
 刀身が銀色っぽく光っていてきれいなのもあり新刀のようでした。刃文の皆焼きがかなり大きく広がっていて、刃文というより刀身の模様みたいだなと思いました。
・刀 銘 二王清則
 徳川美術館の新しい刀剣図録はかなりの数を網羅しているのですが、こちらは図録に載っていません。二王派は今まで清綱を一振しか見たことがありませんでした。直刃がきれいです。
・短刀 銘 吉光(名物 包丁藤四郎重要美術品
 吉光の短刀の中ではかなり幅広な姿です。刃文もまっすぐな直刃ではなく少しのたれがある感じでした。
・短刀 無銘 則重
・太刀 銘 光忠 守家造
・刀 無銘 一文字(名物 南泉一文字重要文化財
・刀 金象嵌銘 正宗磨上 本阿弥(花押)(名物 池田正宗重要文化財
 正宗らしい幅が広くてどっしりした姿がよかったです。かなり磨りあげられていそうだなと思いました。
・脇指 無銘
 無銘ですが沸がよくついてて貞宗っぽいなと感じました。
・短刀 無銘 正宗(名物 一庵正宗重要文化財
 こちらもかなり好みな姿です。特に腰元あたりの刃文が好きです。
・短刀 銘 相州住正宗 嘉暦三年八月日(名物 大坂長銘正宗
 再刃されたためか、刃文はあまり正宗らしさを感じませんでした。しかし正宗ではめったにない銘が、作刀時期も一緒に刻まれて存在しているというのはロマンを感じます。
・脇指 無銘 貞宗(名物 物吉貞宗重要文化財
・太刀 銘 長光(名物 津田遠江長光国宝


こちらからは10日に見たものです。
・太刀 銘 左(名物 大左文字
 肌は少し荒くなっていて、飛焼がみられます。江雪左文字と若干似た印象を受けました。
・刀 銘 左文字 吉見頼研上之 永禄九年八月吉日(名物 吉見左文字
 こちらは、かなり皆焼のように鎬まで刃文が広がっています。かなり派手ですがとてもきれいで良いなと思いました。解説にもありましたが、こちらのほうが正宗の作風に近い感じがします。
・刀 無銘 貞宗
 貞宗にしては刃文の焼幅がかなり細くて貞宗らしさは薄いですが、大峰で力強い印象をうけます。帽子のあたりが貞宗らしいなと思いました。

・薙刀直し刀 無銘 伝粟田口吉光(名物 骨喰藤四郎重要文化財、豊国神社蔵(京都)
・脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎
 今回おそらく初めて並んで展示をすることになりました。どちらも3回は見ていますが、合わせて見ると同じ刀工の作品だと思わないぐらい似ていないなと思いました。骨喰は伝吉光作という標記になっていました。前回見たとき刃文をよく見ていなかったのですが、直刃で吉光らしさを感じました。また、ちょうど9日と10日で鯰尾と同じような菖蒲造りの刀をいくつか見たあとだったので、鵜の首造りの骨喰とはかなり違うとわかりました。

・短刀 無銘 志津(名物 戸川志津
・太刀 銘 備前国長船住守家(名物 兵庫守家重要文化財
・太刀 無銘 一文字 重要美術品
・小太刀 銘 吉用 重要美術品
・刀 無銘 郷義弘(名物 五月雨郷重要文化財
・短刀 無銘 貞宗(名物 奈良屋貞宗
・短刀 銘 正宗(名物 不動正宗重要文化財
 正宗銘の中でも信ぴょう性の高い作品だそうです。正宗にしては細身だなと感じたり、短刀で細かい彫物がはいるのはめずらしいなどと思いましたが、他の正宗が無銘なことを考えるとこちらが本当の姿なのかなとも思いました。刃文はとても好みな感じです。
・脇指 銘 本明備州長船兼光 天正□年八月吉日日向守上之 犬山城白帝文庫蔵(愛知)
 兼光の作品で本明とついているのは初めて見たのですがどういう意味なのでしょうか。地鉄がとてもきれいでよかったです。白帝文庫の刀剣は城とまちミュージアムでも見ましたが2振しか展示していなかったので、この他にどのぐらい所持しているのか知りたいと思いました。


《感想》
 今回徳川美術館ではまだ見たことのなかった貞宗や正宗の刀をたくさんみることができたのがとてもよかったです。また、左文字もどちらも初めてみるものだったのですが好みな刀でした。今回の展示の目玉であった骨喰や鯰尾もそうですが、同じ刀工の作品でも同じ短刀だったりすればなんとなくわかりますが、短刀と太刀だったり薙刀だったりするとわからないものも多いので、無銘の作品を極める人たちはすごいなと思いました。今回骨喰が伝吉光の表記でしたが、どの刀工の作品か真偽不明でもロマンが感じられるのでいいなと思います。
 

《今回の一振》
 今回は奈良屋貞宗です。すごく貞宗らしい姿でとても好みな短刀でした。大きめのものが多い貞宗の短刀の中でもかなり大きいほうではないでしょうか。29.4cmで若干反りもあるのでほぼ脇指のような姿です。刃文の焼幅が広いですがおだやかな印象で、地鉄も好みな感じでした。とても良いと思うのですが文化財登録はされていないということで、難しいなと思いました。

 ねぶた祭りを見に初めて青森を訪れました。ちょうど県立郷土館で特別展「刀剣魂」を行っている期間だったので、合わせて行くことができました。

《行った場所》
 ○アウガ
 地下に生鮮市場があります。平日の早い時間だったこともあり、たくさんの魚介類が並んでいました。隣にあるりんご箱というお店は、その名のとおり客席がりんごを入れる木の箱を再利用したものになっていました。時間により津軽三味線の演奏があります。三味線は青森駅周辺で何度か聞く機会がありました。

○アスパム
 観光のお土産もの屋が集まっています。最上階には展望台もあって天気がよかったこともあり、山が遠くまで見渡すことができました。側の広場にはねぶたが夜に使用されるまで保管されているラッセランドもあり、明るいうちにねぶたを間近で見ることができます。大きな氷がノコギリで切り取って、それぞれのチームに配られていました。てっきり火消しや打ち水用の水かと思っていたら、祭りの最中にみんな飲んでいて驚きました。

○ねぶた祭り
 名前しか知らない状態で行ったので、それぞれのねぶたが日本や中国の逸話を元にしたものだというのがとても面白かったです。事前に登場するねぶたを調べてから見て良かったと思いました。明るいうちにねぶたが周るルートを一通り歩いてみましたが、予想以上の長さでした。どこも歩道がかなり広々としていて、いたるところでお店が椅子を置いて観客席を用意していました。席は予約していなかったので、夕飯を食べるのも兼ねて居酒屋のお店の前の席で見ました。3列目だったのでかなり間近で見られてよかったです。
 他の地域の大きなお祭りにあまり行ったことがないのでわかりませんが、屋台があまりなく地元のお店が出している出店がほとんどだったり、うちわを大量に配っていてみんな持っていたり、お祭りグッズを歩いて売ってる売り子がたくさんいたりと、普通のお祭りでは見ない景色がたくさんあって面白いと思いました。


○青森県立郷土館
 各地にある県立博物館と同じような類の博物館です。しかし、常設展示は青森県の歴史をただなぞるだけでなく、白神山地をはじめとする自然や民間信仰、近代の青森ゆかりの人物についての展示など、かなり盛りだくさんな内容でした。展示に関するクイズラリーがあったのですが、大人向けのものはかなり考えたり、よく読まないとわからないものがあったりで、満点をとるのが難しかったです。でも展示内容を隅々まで見るきっかけになるのでとても良い企画だなと思いました。
 刀剣展開催中、常設展に刀剣にまつわるクイズがちりばめられていましたが、こちらはかなり簡単な問題になっていました。参加賞として、展示されていた刀 銘 精壮斎宗有のポストカードがもらえます。ゆっくりクイズにも参加しながら博物館全体を見ていたら2時間半も滞在していました。それでも全部見られなかった資料展示などもあるので、かなり楽しめる施設になっていると思います。

 刀剣についてもとても数多く展示されていましたので、見た刀剣の記録は一部になります。展示全体としては解説はちょうど良いボリュームで、造りについての詳しい解説もあります。刀か太刀とは書かずに日本刀と書かれているものが多かったので、ここでは作刀された時代と長さからとりあえず書き換えてあります。もし間違いがあったらご了承ください。また、青森県では県の指定文化財を重宝としているようです。初めて見た言葉だったのでどういったものか一瞬わかりませんでした.

主な刀剣
・太刀 無銘 伝備中青江貞次 県重宝
 一番最初に置いてありこちらだけ写真撮影も可能でした。SNSで拡散してくださいとのことでしたので、後程写真付きで紹介します。

・短刀 銘 波岡森宗 県重宝、個人蔵
・短刀 銘 奥州津軽住国廣 首割土段払 県重宝、弘前市立博物館蔵(青森)
・刀 銘 津軽住安宗 県重宝、個人蔵
・刀 銘 奥観寿藤原吉廣 天保五年八月日 県重宝、個人蔵
・刀 銘 吉次郎紀正賀鋳外濱砂鐵作之 県重宝、個人蔵
・剣 銘 以外濱沙鐵紀正賀謹鍛造 県重宝、個人蔵
・刀 銘 奥州弘前橘繁宗 個人蔵
 これらは主に青森ゆかりの刀工の作品で、個人蔵であまり見る機会がなさそうなものがたくさんありました。多くは江戸時代のものですが、森宗は室町ごろの刀工で舞草派流れを汲んでいるそうです。どの刀剣も津軽の刀工研究のための貴重な作品とのことでした。

・太刀 銘 安清(号 鬼神丸)厳鬼山神社蔵(青森)
 鬼が口から火を吹き歯で噛んで鍛えた十腰のうちの一振で、茎には鬼が握ったあとのへこみがあるという逸話の刀です。この逸話については、十腰内という地名の由来として詳しく読むことができますが、鬼が少しかわいそうだなと思ってしまいました。錆で刃文の様子はよく見えませんでしたが、姿はきれいな形をしていて確かに茎に他の刀でもときどき見かけるようなへこみがありました。

・太刀 銘 備州長船幸光 県重宝、櫛引八幡宮蔵(青森)
・大太刀 銘 相州住綱広 県重宝、岩木山神社蔵(青森)
 1mを超える大太刀としては、かなりきれいな状態のものでした。三代目綱広は1604年から06年まで津軽でたくさんの刀を打ったそうです。どことなく相州らしさがありました。
・大太刀 銘 平安城住藤原國路作 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵(青森)
 こちらもかなりの長さがあり、反りは5cmを超えてアーチ状になっています。
・大太刀 銘 奥州津軽城下弘前住森宗 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵
 この大太刀は長さはそこまででもないのですが、幅がかなりあって不思議な造りでした。大太刀は数が少ない分それぞれの特徴がよく出ていておもしろいなと思います。
・大薙刀 銘 平安城住藤原國路作 弘前市指定有形文化財、弘前八幡宮蔵

・太刀 銘 備州長船勝光 個人蔵
 かなり好みな姿でした。小のたれ互の目で足がついています。沸がよくわかりました。
・太刀 銘 正恒 黒石市指定文化財、黒石神社蔵(青森)
 今回の展示の中では細身なのがこの刀ぐらいだったので目立っていました。
・刀 無銘 伝来国光 重要文化財、個人蔵
・長巻直し 銘 □前国長船住近景 重要刀剣 個人蔵
 鎺には卍の紋が彫られています。長巻を刀に直したものは良いものが多いと聞いたことがありますが、とてもきれいな姿でした。

・刀 無銘 伝助宗 八戸市博物館蔵(青森)
・脇差 無銘 伝貞宗 八戸市博物館蔵
・刀 銘 武州下原住廣重 八戸市博物館蔵
・刀 銘 精壮斎宗有 文久元年八月作之 同年十一月十一日於千住太々土壇拂初代山田源蔵
 クイズラリーでもらえるポストカードの刀です。千住というと少し身近な場所なのですが、昔は小塚原処刑場があって刀の試し切りもよく行われていたそうです。 

・アイヌの腰刀 個人蔵、県有形民族文化財
・山刀 銘 村正
 アイヌの民が使っていた山刀で、村正の銘の真偽は不明とのことです。青森は地理の関係からアイヌとの交流が盛んだったので博物館にもたくさんの品が展示されていました。刃文もよく見えないので確かに村正らしさはあまり感じませんでした。けれどアイヌの中でも、村正の刀は良い刀という認識があったことがわかる資料だということで、ロマンがあるなと思いました。

・太刀 無銘
 南北朝時代の備前長船作といわれている赤羽刀です。青森にも赤羽刀はたくさんあり、県立郷土館には11振あるとのことです。
・脇差 銘 備州長船住盛光 応永十五年二月日
・刀 銘 兼康
・脇差 銘 兼法
・刀 銘 山城守藤原秀辰
・刀 折返し銘 肥前國住近江大掾藤原廣忠
・脇指 銘 相模守藤原國綱 越前住
・刀 銘 備前國長船住祐定
・槍 銘 相模守藤原国吉
・脇差 銘 大和大掾藤原正則
・脇差 銘 丹後守兼道
・脇指 銘 森宗 青森市教育委員会蔵
・刀 銘 津軽大掾橘盛宗 青森市教育委員会蔵
・刀 銘 精壮斎宗有 慶応二年八月日 八戸市博物館蔵
・刀 銘 精光斎宗重 八戸市博物館蔵
 これらもすべて赤羽刀ですが、どれもとてもきれいなものでした。関鍛冶伝承館や備前長船刀剣博物館でみた赤羽刀は出身地の刀工のものがほとんどでしたが、これらの中には青森とあまり関係がないような刀工の作品もあるので、どういう経緯で返還されたのでしょうか。


○八甲田丸
 昔青函連絡船として使われていた船が資料館として保管されていました。かなりの広さがあり、ろう人形なども置かれて昔の様子を展示しています。船や航海に関する専門的な資料が多く内容は難しめだと思いました。航海士が愛読していた本を手に取ることができるのですが、明治や大正時代に発行された本がありそれらも読むことができました。一階部分には電車の車両がそのまま3両ほど収まっていて船の大きさがわかります。



《感想》
 今回県立郷土博物館に行くことができたのはたまたまだったのですが、行ってよかったと思えるとても盛りだくさんな展示内容でした。青森のいろいろな施設の刀が集められていてとても贅沢な特別展です。
 今回初めて青森に行きました。海の側の景色はとても良く、たまたま港には大型の客船ぱしふぃっくびいなすが停泊していました。海のない県に住んでいるのでとても新鮮でその客船がとまっている港の姿がとてもきれいでよかったです。
 ねぶた祭りも思っていたよりも近くで見ることができ、さらに近くに座っていた地元の人達のおかげで、多くのねぶたを正面に寄せてもらうことができ、迫力のあるお祭りを体験できました。


《今回の一振》
 今回は青江派の貞次の刀です。写真撮影可だったのですが、展示位置が低いので正面から撮影しようとすると変な大勢になってしまうため、本当は刃文や切っ先や茎なども撮りたかったのですが、まわりに人がいる状態であまりたくさん撮れませんでした。この写真ではわかりずらいですが刃文もよく見ることができます。どちらかというとにっかりよりも数珠丸に似た印象を受けましたが、もしかしたら数珠丸も低い位置の展示を同じような角度で見たからかもしれません。

 20160804_101818512


20160804_101827696


にっかり
DSCF3134


 平日の閉館前に2度目の永青文庫に行ってきました。15時頃に着いてほぼ閉館までいましたが、平日でも思っていたより来館者は多い印象です。
 また、先月秋葉原に新しくできた、刀剣を見ながら食事ができるお店に行ってきました。特に行く予定はなかったのですが、たまたま空いているとの情報を見たので急きょ行ってきました。思っていたよりも本格的に展示がしてありとてもよかったです。博物館や神社ではありませんが、刀を見ることができる施設ということで記録したいと思います。

《行った場所》
○永青文庫
 2回目になるので刀剣ひとつひとつについての記録はしませんが、何度も展示を見ていると印象が変わった気がします。特に歌仙兼定は前回よりも今回のほうがより楽しめました。じっくり見ることができたからというのもありますが、造りに派手さがない分、何度も見ることでちょっとしたおもしろさに気づくことができるのかなと思います。今回は特に、実践に使いやすそうな刀だなということをとても感じました。また、作られた時代を考えると茎がとてもな状態だと思いました。磨りあげがなければきれいに残るものなのでしょうか。どちらかというと新刀のような茎だなという印象です。
 前回とても大きく感じられた生駒光忠は、今回そこまでのインパクトはうけませんでした。しかしやはり刃文がどこをみても楽しく、ずっと見ていても飽きのこない良さを感じます。前回ほど長いという印象を受けなかったせいか、特に腰元のほうの幅の広さが気になりました。
 古今伝授の太刀も、前回ほどとても細いという印象はそこまで受けなかったのがおもしろいなと思います。なんでもそうですが、初めて見たときに受けた印象は二度と味わえないものなので、大切にしていきたいなと思いました。

○刀剣茶寮
 秋葉原の駅近くにできた刀剣を見ながら食事ができるお店です。あまり詳しく調べないで向かったので、立地の良さにおどろきました。秋葉原に行くといつも通る身近な場所なので、今後も席が空いて居たらふらっと立ち寄るのもありかなと思いました。食事はそこまで多くないのでお腹はあまりたまりませんが、お店も食事も雰囲気がとても良いのでそれだけでお腹が満たされていく感じです。料理もテンポよく出てきてくれるのであまり待つことはありませんでした。
 刀剣の展示は最初の注文をした後に撮りにいきましたが、食事の最中や他の人が食べているかもしれない終わってからよりは写真も撮りやすくてよかったです。
主な展示
・短刀 銘 吉光 (号 秋葉原藤四郎
・脇差 銘 國廣
 ガラスから近い位置に展示してあり、かなり見やすい展示方法です。前の席にだれも座っていなかったのでとても近距離で見ることができました。近すぎて、まるで自分で手に持っているような錯覚をおこすほどです。
・短刀 無銘 安吉
 こちらもかなり距離が近いです。のたれの刃文の感じや素剣と梵字の彫物から貞宗っぽいなと思いました。他の左の刀剣を見てもよく正宗貞宗っぽいという印象を受けるので、ぜひ隣同士並んでいるのを比べて見てみたいなと思いました。9寸2分半ということなので脇差に近い大きさです。全体的に好みな造りでした。
・刀 銘 和泉守兼定
 11代目の会津兼定の作です。テーブル席の上で、若干位置が高めなので一番見ずらい場所だと思います。75cmほどあり峰も大きく新刀としては変わった姿をしているなという印象です。


《感想》
 永青文庫は、平日の夕方だと常に人はいても展示の前で長く見られるというぐらいの人出でした。少なすぎず展示もよく見られるちょうどよい感じだと思います。刀剣茶寮も平日だからかそこまで人も多くなく混雑はありませんでした。席が全部埋まっているとちょっと撮影が大変だったりしそうだなと思いました。展示してあるものも展示の仕方も博物館などと全然劣っていないので、刀が好きならばぜひ行ってほしいと思いました。ふらっと気軽に入れるようになったら観光客の外国人も多くなりそうです。


《今回の一振》
 今回は秋葉原藤四郎です。細身でも長めですらっとした印象をうけました。刃文が切っ先から鎺までとてもきれいな直刃で、樋がまっすぐはいっているのも好みな造りでした。銘もかなり読みやすく、吉光の文字がよくわかります。今までみた吉光のなかでは、信濃や五虎退、小田原にあった吉光に似た印象でしょうか。かなり細長いほうだと思いました。
IMG_6959
IMG_6960
IMG_6961
IMG_6962

 今日から歌仙兼定をはじめ刀剣の展示が始まった永青文庫に行ってきました。展示替えが年数回しかないので、いつ展示されるのかあまり期待はしていなかったのですが、こんなに早く特集展示をしてくれると思いませんでした。今回のための図録も大満足なもので、すばらしい展示でした。

《行った場所》
○永青文庫
 今回初めて訪れました。目白駅からバスに乗り、特に迷うことなく到着すると待機列が少しできていました。期間が長いこともあってそこまでの混雑はないかなと思い初日に行きましたが、雨にもかかわらず列は開館時間までにどんどんのびていました。
 受付で入館券と一緒に図録や季刊誌を買い、寄付をして刀剣シールもいただきました。一連の流れを行うので窓口は大変そうです。受付にこういった寄付の箱があるとお金を払ったついでに気軽にさっと寄付できるので良いと思いました。
 展示室は4階から順番に見ていきますが、とにかく内装がどこもおしゃれでアンティークな造りでした。展示ケースも博物館の見やすさ重視の明るい照明だけではなく、雰囲気重視な落ち着いた明るさの場所もありました。全体的に解説が多く、詳しくなくても楽しめるようになっていると思います。刀の展示は若干位置が高くなっています。そのためかどの刀剣も数字より長く大きく感じました。太刀も刀の展示方法をとりつつ、銘は全て見えるように展示されていました。肥後拵を中心とした拵もいろいろ展示してありましたが、全体的に落ち着いた色合いでわびさびを感じました。

主な刀剣
・刀 金象嵌銘 光忠 光徳(花押)生駒讃岐守所持(号 生駒光忠国宝
 ずっと見たかった光忠の刀です。昨年度の備前刀剣王国の図録を持っていたので、事前に見てから行ったのですが、実物は迫力もあり華やかさをとても感じました。意外と長く幅が広い印象をうけ、磨りあげてあるので元々はかなりの長さがあったのかなと思いました。

・太刀 銘 守家造 重要文化財
 蛙子丁字の刃文が腰元で特にわかりやすくはいっていました。銘が小さくきっちりと細い線で刻まれているのが印象的でした。富山の森記念秋水美術館にあったものもそうですが、今まで見た守家の刀は4口すべてが重要文化財に指定されていて、それだけすばらしい刀工なんだなというのがわかりました。

・刀 金象嵌銘 兼光磨上光徳(花押)
 前の2つと比べると刃文が少しわかりずらいのですが、片落ち互の目の典型的な造りだそうです。銘の花押の部分が少し消えているようでしたが、象嵌はどのぐらい維持できるものなのでしょうか。金を埋めるというのは改めて考えるとすごいことをしているなと感じました。

・太刀 銘 備州長船家助
 かなり変則的でバラエティにとんだ刃文です。見る場所によって印象が全然違うのでおもしろいなと思いました。

・脇指 銘 備州長船経家 永享九年二月日
 今までの刀が長く感じられるものばかりだったので、刀身が短めな印象をうけました。かなり変わった刃文をしていて、見ただけではなんという刃文なのかわかりませんでした。

・刀 銘 濃州関住兼定作(号 歌仙兼定
 切っ先にかけて細身になっていき、全体的にも細さを感じました。直刃がきれいで腰元だけ大きく変化しているのがよくわかります。また、刀身や茎の鎬が不思議と目につきました。刃文や造りがシンプルだからなのでしょうか。拵も思っていたよりシンプルな色合いで、解説に渋いとありまさにその通りだなと思いました。

・脇指 銘 信長
 当麻の刀工だということで初めて見ました。すごく細身の脇指で、刀をそのまま縮小したような印象です。細身なのに樋があり、かなり独特な形をしているなと感じました。

・刀 無銘 志津 金象嵌 海賊
 今までのものが備前のものが多く峰も小さめがほとんどで、それが護立氏の好みなのかなと思いましたが、こちらは大峰で他とは印象が違いました。大峰で幅広ですが短めなのでかなり磨りあげられてそうだなと思いました。今回手に入れた図録や冊子の中には、海賊の意味は書いてなかったのですが、どんな経緯で彫られたのでしょうか。

・太刀 銘 豊後国行平作 国宝
 古今伝授の太刀と言われて、こちらもとても見たかったものですが、かなり細身で驚きました。特に茎の細さがすごく印象的です。こちらだけ3階に展示されていて混雑もなくすみずみまでじっくり見ることができたのですが、展示してある場所の照明が暗く、刃文や銘などが若干見づらかったです。真横からも見られたのですが、厚さもかなり薄く、やはり写真からうける印象とはかなり変わるなと思いました。


《感想》
 今回の展示は号のついた3口以外何が展示されているのかわからなかったのですが、とても良い展示内容でした。刀剣以外にも、武具を記録した書物や蒔絵など良いものをたくさん見ることができました。御家名物之大概という本の歌仙兼定がのっているページには、大三原や相州秋廣の刀剣も紹介されていました。永青文庫にあとどれくらい刀剣が保管されているかわかりませんが、国宝の包丁正宗をはじめ他のものもいつか見られたらいいなと思います。
 入口に歌仙兼定が表紙の刀剣春秋6月号が置かれていましたが、出口のあたりには12日から徳川美術館で展示が始まる鳥飼国俊が表紙の7月号も置かれていました。コラムでは骨喰藤四郎についても書かれています。
 今回パネル展示には行きましたが、それ以外の場所は雨も降っていたこともあり隅々までは見なかったので、永青文庫は会期中あと最低でも一回は行きたいのでスタンプラリーが始まったらそれも合わせて楽しみたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は永青文庫のアンケートでも書いたのですが、生駒光忠が一番印象に残りました。まさか展示の一番最初に置かれているとは思いませんでした。ずっと見たかったものだけあって見た瞬間とても感動しました。刃文がとにかくよく見えるように展示されていて、沸も板目もよくわかりました。

 53年ぶりの公開となった前田藤四郎を見に、約一年ぶりに金沢を訪れました。また、富山に新しくできた森記念秋水美術館もこの機会にぜひ行きたいと思ったので合わせて行ってきました。金沢は今まで行ったことのない場所に行き、富山は初めてだったので街の様子なども新鮮に見られました。北陸新幹線ができるまでは、行くのが大変だった2カ所だけあって、タイミング良く開通してくれたことに感謝です。

《行った場所》
○刀工清光の石碑
 金沢駅からバスに乗り、笠間一丁目というバス停で降りてすぐにあります。住宅街の中ですが、しっかりと見やすい状態で保存されていました。石碑には意外と詳しく来歴について書かれていて、若干読みにくい箇所はありますが文字を読み取ることができました。刀のモニュメントのようなものが上にのっていますが、まるっとしたかわいらしいフォルムに対して、刃文、樋、目釘穴までしっかりとデザインされているのがおもしろかったです。

○石川県立博物館
 昨年から三度目の来館となりました。土曜日でしたが前田藤四郎が展示されている展示室は常に人はいるものの、展示の前にだれもいなくなることはかなりあるのでとてもじっくり観ることができました。展示位置は他の博物館などと比べると若干遠いので、おもわず前のめりになりすぎてガラスに頭をぶつけそうです。また若干高めの位置に展示しているので身長が高めの方のほうが刃文がよくみえそうです。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 前田藤四郎重要文化財

○玉泉園
 兼六園の周辺はとても急こう配な道になっていますが、その地形を利用して作られた庭園です。回遊式の庭園の中にある階段をのぼった先にも、池のある庭園があるというおもしろい造りです。

○21世紀美術館
 建物の中には入っていませんが、敷地内に出入り自由の茶室がつくられていました。とてもきれいでよかったです。

○前田土佐守資料館
 武家屋敷の通り沿いにある施設です。前田利家の次男利政から始まる前田土佐守家を中心とした博物館です。利政は前田藤四郎の命名の由来になった方で、その息子の直之までは所持していたということなので、今回の展示と合わせてこの機会に行っておいてよかったです。
 展示が古文書を中心としたものになっており、現代語訳や解説が充実しているのもありすべてをじっくり見ていたらかなり時間が経っていました。本家との関係性がかなり書かれていて知らなかったことも多かったです。

○富山市郷土博物館(富山城)
 富山駅から路面電車ですぐのところにあります。富山駅は初めて行きましたが、かなりきれいに整備されていました。特に最近になりかなり新しいものもできているようです。歴史を学ぶとよくわかりましたが、路面電車が多く走っているところからも広島に似た感じを受けました。 
 富山城の中は郷土博物館ということで、富山城ができた時代から再建までが紹介されていました。富山の位置から上杉、武田、織田、豊臣、前田など歴史の流れに翻弄されてきた場所だというのがわかりました。火事や震災、空襲などで何度も壊されてきましたが、現在の天守は昭和29年に造られたということで意外と早い時期だったんだなと思いました。

○富山市佐藤記念美術館
 郷土博物館とセットで入館券が販売されていました。今は茶道具を展示していました。解説がなかなか豊富です。美術館の前に回遊式庭園が広がっているのですが、とてもきれいでよかったです。

○森記念秋水美術館
 6月11日にオープンしたばかりです。三階建ての近代的な建物で二階がコレクションの刀剣の展示、三階が細川護煕氏が自ら造った作品と集めた品の展示でした。思っていたよりも観光で来た方も多いようで子供連れもいるぐらいでした。刀剣の展示室内はかなり暗くなっています。目録が刀剣博物館とまったく同じようになっていて違和感がなかったです。展示方法はとても良く、特に刃文が見やすかったです。国ごとの展示になっているのも良かったです。簡単な来歴はのっていましたが、造りについての解説がないのでほしいと思いました。個人的に廊下の絨毯の毛が長いのと椅子の豪華さが気になりました。空調がとても効いて外との気温差が激しかったので、薄着には注意が必要です。
主な刀剣
・刀 銘 来国俊 重要刀剣
 折り返し銘だそうで反対向きに銘がありましたが、はめ込んだ跡がまったく見えなかったです。直刃調がきれいでした。
・刀 金象嵌銘 長谷部国重 特別重要刀剣
 誰の極めかはわかりませんが金象嵌の文字がとてもきれいな字でした。かなり長めに感じましたが作刀時期を考えるとこれぐらいが普通だったのかもしれません。
・短刀 銘 長谷部国重 重要刀剣
・脇指 銘 長谷部国信 重要刀剣
 他の長谷部派の刀と違ってこちらは皆焼じゃなかったように思います。脇指だけれど樋がはいっていたので磨りあげなのかなと思いました。
・太刀 銘 延吉 特別重要刀剣
・短刀 銘 包俊 重要刀剣

・太刀 銘 備前国友成 重要美術品
 平安らしい姿ですが、とにかく細さにおどろきます。切っ先は幅が2cmぐらいしかなさそうでした。長さもあるため、なんだか簡単に折れそうで実戦で使えるのかなと思いました。
・太刀 銘 基近造 重要美術品
・太刀 銘 守家造 重要刀剣
・太刀 銘 雲生 重要刀剣
 きれいな直刃で沸がよく見えました。
・太刀 銘 嘉元二二年五月日 中原国宗 特別重要刀剣
 こちらも沸がよく見えます。展示の仕方か研ぎの影響か、他の施設よりも沸と帽子が観察しやすいです。
・太刀 銘 次家 重要刀剣
・太刀 銘 備前長船盛重 永享三年辛亥八月日 重要刀剣

・脇指 無銘 伝正宗 重要文化財
 磨りあげられたような姿でした。刃文はおだやかな印象です。伝ということは確定ではないにもかかわらず、重要文化財になれるのはすごいなと思います。
・短刀 銘 濃州関住兼定 永正六年二月日
・短刀 銘 村正
・短刀 銘 □正
 どちらの村正の刀も、角ばったかんじののたれで、特徴的だなと思いました。他の村正の刀も見ていたはずですが、今回は刃文がとても見やすいため余計特徴的に感じました。
・短刀 銘 則重 重要刀剣
・刀 無銘 加州真景 重要刀剣
 大峰で南北朝時代らしい姿をしています。そこそこの長さと幅があって樋がないのが、逆にアンバランスな印象を受けました。
・刀 無銘 伝江 (朱銘 郷義□ 鑑定本阿弥長識(花押))重要刀剣
・太刀 銘 宇多国房 重要刀剣
・脇指 銘 辻村越中守藤原高平(花押) 元和九年三月三日 重要刀剣
・刀 銘 越後守包貞 重要刀剣
・刀 銘 住東叡山忍岡辺長曾祢虎入道 寛文拾一年二月吉祥日 重要文化財
・刀 銘 七十二翁 庄司美濃介藤原直胤(花押) 嘉永三戌年二月吉日


《感想》
 金沢に行くということで刀が観られる施設がないか片っ端から探してみましたが、意外と少ないなという印象を受けました。また、重要文化財などに指定されている刀剣類も、個人蔵なものすらほとんどなく富山県の方が多かったです。前田育徳会は東京にあるのでこちらも当てはまらないとなると本当に少ないなと思います。今回白山比咩神社は行きませんでしたが、こちらが所持している刀剣もとても興味があるので、いつか見られたらなと思います。
 富山にできた秋水美術館は、日本刀が好きな人にはとても良い施設ですが、富山観光のついでになんとなく訪れる人には、解説がないので値段が高めなこともあって優しくないかなと思いました。今回行った佐藤記念美術館の茶道具の展示では、解説が充実しているためそこそこ楽しめましたが、見どころなどがわかっていないとただ見て終わってしまい何も知識として残らないので意識して訪れないといけないなと思いました。


《今回の一振》
 今回は前田藤四郎です。地鉄がやわかいしなやかな印象をうけました。色味や形からもがっしりした感じはまったくなく、凛とすんだ風貌です。刃文は見づらかったのですが、切っ先の近くの地鉄が変化しているのを見られました。刀身はまっすぐですが、茎がかなり鎺元から曲がっているので、柄に収めると反りがでそうだなと思いました。
 

↑このページのトップヘ