刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

 1年半ぶりに徳川ミュージアムへ行ってきました。今回は徳川ミュージアムの限定グッズを目当てに行ったのと、土浦の展示もじっくり見たかったのもあり、以前行ったことのある場所にはあまり行かず、梅まつりのスタンプラリーは軽く参加するだけになりました。梅も終わりですがまだ見られるとあって、偕楽園はとても賑やかで前回行ったときとはまったく違った様子でした。 

《行った場所》
○徳川ミュージアム
  今回は梅まつりコラボ中ということもあり、たくさんの人が来館していたようです。入口は混雑していましたが、展示はスムーズに観られました。アプリでの音声ガイドがとてもよく、何度も見ている展示物でしたが楽しく見てまわることができました。  燭台切と児手柏は一昨年の12月に羽田空港で見て以来だったのですが、当時はまだ寝かせた状態でしか展示できていなかったのが、今回初めて刀掛けにおさまっている状態で鑑賞して、なんだかとても感動してしまいました。状態が良くなったわけでもないのにまるで健全な状態に近づいているかのような錯覚を覚え、やはり刀は刀掛けに置かれてこそだと思いました。

○ 偕楽園
 前回行ったのは梅の実が落ち始める時期で 梅の香りがすごかったのですが、今回は梅の見ごろの終わりのほうということで、園内はまったく違った様子でした。暖かったのもありとてもたくさんの人で賑わっていました。偕楽園駅から上野方面には行けないというのが、乗り換え時間の関係上利用しずらいところですが、この時期にしか利用できない駅というのがおもしろいと思います。

○ 茨城県立歴史館
 まだ行ったことのない場所だったので、偕楽園から歩いて寄ってみました。アイヌについての特別展を開催していました。最近は刀の関係で、江戸時代というと比較的新しい出来事だと思うようになってしまったため、北海道の江戸・明治時代の歴史を見ると、そんなに最近のことだったのかと今まで以上に感じるようになった気がします。刀剣の展示が見やすかったので、刀剣の特集展示をやるときも良い展示なんだろうなと思いました。
主な刀剣
・脇差 銘 長曾根興里入道虎徹 寛文十一年八月日
 偽物の虎徹と並べて展示をしていましたが、虎徹の特徴を知らなくても、明らかに真作のほうが良い刀だなと感じました。解説がとても詳しくてわかりやすかったです。虎徹帽子は今まであまり意識していなかったのですが、今回展示されていた刀はとてもわかりやすい造りをしています。虎徹は意外と展示で見かける機会が多いので、今後は意識して帽子を見たいなと思いました。
・刀 徳川斉昭作 水戸市指定文化財、弘道館鹿島神社蔵
最初に見たときなんだこれはと思ってしまったのですが、刀身に金の漆箔が貼られていて、一部だけ刃文が見られるように箔がない部分が作られていました。一部開いている場所から見えるのはとてもきれいな刃文で、この金箔がない状態での刀を見たいと思いました。
 
○土浦市立博物館
 特別展では、中国の瀟湘八景にならって作成された土浦の八景についての展示をしています。瀟湘八景の詳しい解説から始まっているのでとてもわかりやすくてよかったです。土浦の地理に詳しくなくても魅力的でおもしろかったので、自分の身近な場所についての八景があったらさらに楽しいだろうなと思いました。土浦市博物館は特別展も刀剣も展示量が多くおもしろい展示をしているので好きです。
・刀 無銘 貞次 重要美術品
・短刀  銘 来国俊
・刀 無銘 長谷部国重
・刀 銘 兼定
・刀 銘 長曾根興里入 (以下切)
・刀 銘 和泉守藤原兼定 慶應四年戊辰閏四月為松宮君 於北越観音寺邑造之 


《感想》 
 3連休の中日ということで水戸は人がたくさんいてにぎやかでした。前回行った時の静かな偕楽園も良いですが、観光地はにぎわっていてこそだとも思うので人が多くても楽しいです。今回、青春18切符をつかったので、スタンプラリーのポイントになっている途中駅にも行こうかと思ったのですが、電車の本数が少ないので諦めました。そこまでたくさん見て回ったわけではないのにほぼ一日使ったので、やはり移動にかかる時間は旅行で重要なポイントだと実感しました。水戸で刀を展示している場所にはあらかた行ったと思うので、次に訪れるのがいつになるかわかりませんが、また近いうちに行く機会があればなと思います。


《今回の一振》
 今回は、土浦市博物館に展示されていた、青江貞次の刀です。解説を見る前に姿をみて青江派だとわかったほど、鍛えや刃文がまさに青江派です。まっすぐな細すぎない直刃が好きなのでとても好みな刀でした。南北朝期が好きなのもあるかもしれません。土浦市博物館はとにかく展示の位置が近くて見やすく解説も多いのでとても勉強になります。解説に重量も書いてあり、この刀は70.6cmの刀身に対して重量は682gだそうです。
 

 長野県坂城町にある鉄の展示館に行ってきました。人間国宝の故宮入行平刀匠を始めとした宮入一門の作品を多く展示しています。私がお世話になっている刀剣商の方が、現代刀を中心に扱っているため、宮入一門の刀も以前からたくさん見かけていました。また刀工の方々と古くから面識があるそうで、写真や話の中で実際に聞いてもいたので、なんとなく身近に感じていました。私が手に入れた短刀も、宮入行平氏の弟である宮入清平氏の作です。今回の展示でも、清平氏の刀がいくつか展示されていました。
 鉄の展示館はずっと気になっていたものの、遠いと思っていたこともあり、なかなか行く機会がありませんでした。しかし今回行ってみて、思っていたよりもずっと行きやすい場所だと思いました。新幹線の最寄り駅である上田からもそれほど遠くなく、一日でかなり楽しむことができました。

《行った場所》
○鉄の展示館
 とても見やすい展示の仕方で、解説も詳しいのでじっくりと見ることができました。
 寄託のものは個人蔵としています。
主な刀剣
・太刀 銘 吉房 個人蔵
・長巻直 銘 無銘 志津 個人蔵
 志津が正宗の弟子だと実感させられるのたれの刃文でした。今まであまり意識していませんでしたが、志津の刀を見るときはそれを意識してみたいと思います。
・脇差 銘 修理亮盛光 應永丗二年二月日
 肌と刃文の感じがとても好きです。次刀を買うのであればこの刀のような直刃のものが欲しいなと思いました。
・短刀 銘 兼舛
・刀 銘 数度□□□□落 大沼又八郎勝幸(花押) 元和七年□二月日 前田慶之丞所持
・刀 銘 陸奥大掾三善長道 天和三年二月日 個人蔵
 虎徹っぽいと思って見ていたら、会津虎徹と言われる長道の刀でした。砂流しが多くはいっていて解説もあるのでとてもわかりやすく勉強になりました。
・脇差 銘 播磨守藤原忠國
・刀 銘 信濃國真雄
・脇差 因幡國濱部壽實 寛政十一年末二月日 個人蔵
・短刀 銘 吉光(名物 朝倉藤四郎) 個人蔵
 とても細身だと感じましたが、短いわけではないので他の吉光の短刀と受けるイメージが少し違いました。肌がとてもきれいで、やはり吉光は肌が好きです。
・太刀 銘 勲四等栗原昭秀作 昭和十九年五月日 個人蔵
・脇差 銘 宮入昭平作 昭和丗五年春 個人蔵
・刀 葛尾山麓住昭平 紀元二千六百二年月日 個人蔵
・太刀 銘 高松宮殿下献上刀控 大隅俊平謹作昭和五十七年三月日 個人蔵
・太刀 銘 信濃国住宮入清平作 昭和甲子年八月吉日
        他多数
 
○坂木宿ふるさと歴史館
 木造3階建ての趣のある建物です。中は坂城にゆかりのある村上氏の歴史について細かく展示をしていました。今まで知らなかった人物なのですが、歴史上のいろいろな戦に参加していたようで面白い展示内容でした。
 
○上田城跡
 駅から遠回りをして、 北国街道の昔の街並みを見ながら歩きました。晴れて日差しはありましたが、やはり寒い時期なだけあり風が冷たかったです。ただ、時期のせいか思ったよりも全然混雑していなくてよかったです。レンタルサイクルもこの時期はやっていないそうです。上田も雪さえ降っていなければ冬でも観光はそれほど難しくないとわかりました。

○上田市立博物館
 本館では真田家のあとの仙石氏や松平氏についての展示、別館で真田家の流れを細かく展示していました。大河ドラマの真田丸を見ていたので、展示内容を見ていてドラマのあのシーンだと思うようなものが多くて面白かったです。大河ドラマは真田丸が初めてだったのですが、歴史の流れをつかむのにもとても勉強になりました。日本史はまだまだ疎いのでもっと各地をまわりつつ覚えていきたいと思います。


《感想》
 刀剣の展示は少な目ですが、久しぶりに初めて行く新しい場所だったので、観光がとても楽しかったです。長野県自体めったに行かないのでいろいろなことが新鮮でした。最近は以前行ったことある場所ばかりで旅をしているわくわく感が少なかったなと思います。これからも刀だけでなく地域の歴史を学ぶという意味でも旅行を続けていきたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は、吉野川と呼ばれる刃文をもつ壽實の脇指です。きれいな刃文だとは聞いていましたが、最初の印象を大事にしたいので事前に写真はあまり見ずに行きました。それなので初めて見て想像以上のきれいさにびっくりしました。ここまで刃文が芸術的なものだと感じる型破りな刀は見たことがないと思います。派手すぎる印象はなく、とにかく美しい刃文だなと思いました。刀自体はシンプルな造りなので、刃文に自然と目がいきます。
 
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 戦国時代展に行ってきました。刀剣乱舞との正式コラボではありませんが、グッズもたくさんあり楽しい特別展示でした。

《行った場所》
○江戸東京博物館
主な刀剣
・刀 無銘(名物 義元左文字重要文化財、建勲神社蔵(京都)
 昨年の京都での展示以来久しぶりでした。初めて見たときはとても迫力のある無骨な刀だなと思いましたが、他の相州伝のものをたくさん見てきたからか、以前よりも刃文がとてもおだやかでおとなしい印象を受けました。展示の仕方なども関係しているのかもしれませんが、こうも受ける印象が変わるとおもしろいなと思います。
・大太刀 伝 倫光作 重要文化財、上杉神社蔵(山形)
・太刀 銘 一 重要文化財、厳島神社蔵(広島)
 どちらも行ったことはありますが、そのときは展示をしていなくて初めて見るものでした。倫光の大太刀は日光の二荒山で見たものがとてもすごかったので、こちらの印象としては大太刀としてはきれいな状態で保存されていていいなと感じるものでした。

・刀 無銘(名物 籠手切正宗)東京国立博物館蔵(東京)
 以前東京国立博物館で見たときにとても気に入った刀だったので、今回も見られてとてもうれしいです。厚みと長さがあるので、以前と同じようにとても迫力を感じました。他の正宗の作と比べると磨り上げられたことも考えると長すぎて少し違和感を感じるなと思いました。
・長巻 無銘 伝則包 重要文化財、上杉神社蔵
・短刀 銘 吉光(号 五虎退)個人蔵
・太刀 銘 安綱(号 鬼切重要文化財、北野天満宮蔵(京都) 
 こちらは昨年の京都以来の3回目になります。個人的に平安や鎌倉初期の刀はすごく好みなものはないのですが、安綱の刀の姿は好みな気がします。前回の京都での展示でもそうでしたが、刃文がもう少し見やすくなっているといいなと思いました。


《感想》
 江戸東京博物館は、初めて刀を見に行った思い入れのある場所だったので、また展示があってうれしいです。2回とも開館すぐに刀剣の鑑賞列に並んだのであまり待たずにじっくりとみることができました。 初めて行ってから約2年経っていますが、その間に本当にたくさんの刀剣を見てきたなと感慨深いです。展示の仕方としてはすごく良いわけではないのですが、また機会があったら刀のたくさん出てくる特別展を開催してほしいなと思います。


《今回の一振》 
 今回は、見る機会の少なさで五虎退です。山形の展示とは博物館内の周りの雰囲気が全然違うので、刀に向かう姿勢も違った気がします。姿は思っていたより長さがあり、吉光の短刀の中ではそこまで小ぶりではないのかなと思いました。切っ先がすらっとしているところが吉光らしいのかなと思います。文化財登録はされていませんが、個人蔵なのでこれからどれぐらい見られる機会が増えるか未知数で楽しみです。ぜひまた楽しいコラボ展示などで見られることを期待しています。 

 熱田神宮での次郎太刀の展示と、三島のスタンプラリーを合わせて行ってきました。移動はありましたが、比較的のんびりと旅行を楽しむことができました。

《行った場所》
○熱田神宮
 この日は名古屋ではめずらしい雪がちらついてめずらしい景色を見られました。熱田神宮には早咲きの梅などが咲いていたので雪とのコントラストがよかったです。まだ初詣の名残で人は多くいましたが、天気の影響もあり宝物館もそこまでの混雑はありませんでした。熱田神宮の所蔵刀剣だけでなく、厳島神社の宝物も見られてとてもよかったです。
主な刀剣
・ 太刀 朱銘 千代鶴国安
 めったに見られない次郎太刀の展示ということで、今回の名古屋旅行の目的です。大太刀としては健全な状態できれいだなと思いました。反りが意外と小さいです。神社に奉納されてる大太刀はいくつか見てきましたが、かなり反りが強いものが多かったと思います。刃紋は派手で、樋の朱色と相まってとても華やかでした。
・太刀 銘 友成作 国宝
 先日厳島神社で展示されたときに見たいと思っていましたが見られず、熱田神宮で見ることができるとは思いませんでした。健全さと肌のきれいさがすごいです。細身のバランスもとても良かったです。今まで友成の刀が好みだとは感じなかったので、この刀のきれいさが他の友成の刀よりとても魅力的だということがわかりました。
・太刀 銘 国友 重要文化財
 粟田口らしい肌のきれいさがとてもよかったです。相州物が好みなのでのたれの刃文が多いですが直刃の刃文も好きです。
・太刀 銘 宗吉 重要文化財
・太刀 銘 宗吉 重要文化財
 同じ宗吉の作品ですが直刃と丁子の二種類の作風の作品を、両方を並べて展示するのは違いがわかりやすくてよかったです。
・太刀 銘 真行  重要文化財
・太刀 銘 尾州長船兼光 重要文化財
・太刀 銘 元弘三年六月一日実阿作 重要文化財
・刀 銘 濃州関住兼房作 河村京三郎 愛知県指定文化財
・太刀 銘 文永二年三月清綱 重要文化財
          他多数


○ 楽寿園
 三島に移動して朝から向かいました。動物園もあるのがおもしろいです。楽寿館の見学時間にうまく合わせることができたので館内を見ることができました。障子絵や天井絵などを詳しく解説されながら見ることができ、とてもよかったです。


○三嶋大社
 楽寿園から三嶋大社までの道が、小さな川が流れていたり文学の碑があったりと、楽しみながら行くことができるきれいな道でした。まだ初詣のなごりもあって、人は多かったです。けれど宝物館は人も少なくじっくり見ることができました。
主な刀剣
・大太刀 銘 豆州三嶋住白竜子正長 天保十年巳亥三月三日 願主八谷善五郎
・刀 銘 大和大掾藤原正則 肥後守藤原正勝
・刀 銘 紀伊国當一康廣作
・脇指 銘 肥前国佐嘉住人伊勢大掾藤原吉廣作
・刀 銘 奉納三嶋大明神 天保二年九年吉祥日 荘司筑前大掾藤直胤 川部正次 玉井直邦
・刀 出羽国住人大慶荘司直胤
・刀 無銘 伝村正
・刀 無銘 伝美濃兼友
・太刀 銘 宗忠 重要文化財
・太刀 銘 平安城藤原則定作之他 三嶋大明神御神宝 寛永十四年二月吉日

○佐野美術館
 前回ほどではないですが、今回も人はたくさんいてにぎやかでした。本当に数が多くて贅沢な展示だと思います。次はいつ見ることになるのかわからないので、つい気に入った刀のところを何度も往復してしまいました。
 今回は一部のみ紹介です。寄託は個人蔵としています。
主な刀剣
・太刀 銘 包平 重要美術品
 直刃調の刃文がとてもいいです。
・太刀 銘 行秀 重要美術品、個人蔵
 古備前の刀はどれも細長い印象でしたが、こちらは少し幅が広めで古備前の中でも新しめなのかなと思いました。
・短刀 無銘 吉光 重要美術品、個人蔵
 地鉄の青さがよくわかってとてもきれいでした。粟田口らしい肌のきれいさを実感できます。
・太刀 銘 来国俊
 来派の中では、3字の国俊が一番好きです。
・刀 折返銘 了戒 静岡県指定文化財、個人蔵
 重ねが厚く、なめらかさよりも固さをとても感じる見た目でした。
・短刀 銘 国光 重要文化財
・短刀 無銘 正宗(名物 小松正宗
 沸がとてもついていて、力強さを感じる刃文と姿だと思いました。
・刀 朱銘 義弘 本阿(花押)(名物 松井江
 照明の当たりかたで青い地鉄がわかりやすくてとてもよかったです。
・太刀 銘 一 国宝、個人蔵
 かなり豪壮な姿で派手だなと思いました。
・太刀 銘 吉用 重要美術品、個人蔵
 上の一文字と比べると細身で、こちらのほうが一文字によくある姿な印象です。
・太刀 銘 光忠 重要美術品
 光忠にしては細身でらしくない姿だなと思いました。
・刀 無銘 延寿 重要美術品
 肌がとてもきれいで好きです。全体的なバランスもよくて美しさを感じます。
・脇指 銘 相模国住人広光延文二二年七月日 重要美術品
 焼幅が広めで広光っぽいなと思いました。
・脇指 銘 信国 静岡県指定文化財、個人蔵
 信国は脇指ばかり見かける気がします。彫り物が多いイメージですが、こちらは透かし彫りがされていて、とてもきれいです。
           他多数


《感想》
 スタンプラリーは3か所ですが、一日使ってのんびり楽しむことができました。歩いて行けるほどよい距離だったのもよかったです。コラボのグッズもとてもよかったので、これからもこのようなコラボ企画がたくさんあるといいなと思いました。 
 熱田神宮もこんなに早く次郎太刀がみられるとは思っていませんでした。今後も貴重な刀剣の展示の機会があったら逃さず行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は新籐五国光の短刀です。肌のきれいさがとてもすごいです。地鉄の青さがよくわかり、直刃も一本細くすっとはいっていてとてもきれいでした。今回の佐野美術館の展示では直刃の刀のきれいさをとても実感しました。また青くすんだ地鉄の魅力もよくわかりました。展示方法でここまで変わるのかという感じです。

 刀剣博物館が移転前最後の展示として、収蔵品展を行っています。今回は収蔵品のみのため写真撮影もOKということで、平日を狙って行ってきました。さすがに今まで見たことがあるものばかりでしたが、写真も撮れるということで今まで見てきたものが記録に残せるというのはとてもうれしいです。最後の展示ということで、とにかく豪華な展示内容でした。3月31日まで行っているのでぜひもう1回ぐらいは行きたいです。

《行った場所》
○刀剣博物館
 ほとんど毎回の展示に行っているため、本当に一度見たことあるものばかりでした。なんとなく見たことあるなと思うものだったり、後から調べて見たことあったのかと驚くようなものなどいろいろありました。
主な刀剣
・太刀 銘 友成作 重要美術品
・太刀 銘 兼永 重要文化財
・短刀 明 相模守藤原政常 重要美術品
・太刀 銘 宗吉 重要美術品
・太刀 銘 真景 重要美術品
・太刀 銘 信房作 重要文化財
・太刀 銘 真則 重要美術品
・刀 無銘 伝長重 重要美術品
・薙刀直し脇指 銘 真利 重要美術品
・刀 無銘 伝正宗(名物 武蔵正宗)重要美術品
・太刀 銘 備前国住人雲次 正和二二年十月日 重要文化財
・太刀 銘 豊後国僧定秀作 重要美術品
・太刀 銘 国安 重要美術品
・太刀 銘 来国俊 元享元年十二月日 重要美術品
・太刀 銘 元真 重要美術品
・太刀 銘 正恒 重要文化財
・太刀 無銘 福岡一文字 重要文化財
・太刀 銘 延吉 国宝
・太刀 銘 国行 国宝
・太刀 銘 国行 国宝
・短刀 銘 清綱 重要文化財
・短刀 銘 兼氏 重要文化財
・刀 銘 村正
・脇指 銘 備前介宗次作之 弘化三年八月日
 


《感想》
 刀剣博物館に初めて行ったのはおととしの9月で、約一年半の間におそらく6回行っていました。毎回とても豪華な展示内容だったので、しばらくの間展示が見られないのは少し残念です。移転先の両国は行きやすさとしてはあまり変わらないので、今後もたくさん見に行けたらいいなと思います。


《今回の一振》
  今回の展示で初めて見た、伝長重作の刀です。今回の展示で初めて見るものは、この刀を入れて3振りでした。長重は長義の弟または兄とされていて相伝備前の作風がやはり好みです。解説にある金筋や砂流しもよく見えました。
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 熱海へ旅行することになったので、合わせて以前知って気になっていた湯河原の木村美術館へ行ってきました。今回はあまり時間がなかったので湯河原の他の施設はみることはできなかったのですが、他にも美術館がたくさんありました。

《行った場所》
○木村美術館
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 個人で運営している美術館で、相州刀美術館という名前でもあります。湯河原の土は鉄が含まれていて、海岸の砂浜も砂鉄を含んで黒くなっています。地名も鍛冶屋という地名で、昔は鍛冶職人がいたのではないかという話です。木村美術館のご主人は、昔からこの場所に住んでいて家に刀があったそうです。今回は奥さんとお話をすることができました。家にある刀をせっかくだから展示してみようということで、30年ほど前に美術館をつくったそうです。ただ、ご夫婦も高齢になり来る人も多くはないので美術館は基本的には閉館しています。町の観光案内マップにも、来館の際には事前に連絡をしてくださいとありました。ホームページやマップに載っている連絡先はご自宅の電話番号ですが、美術館に行くと見える場所に携帯電話の連絡先が書かれていて、そちらに連絡をしたほうが良いとのことです。
 展示室は外階段から入るのですが、ドアが銀行の大きな金庫のような扉で驚きました。展示については、湿度も管理されて手入れもされて良い状態でした。ただ、照明が少なかったり置き方の問題で見ずらいものもあります。展示替えをどの程度しているのかわかりませんが、展示されているもの以外にもたくさんあるそうです。手入れは毎年本阿弥家の方が来ているらしく、11月に磨いたばかりなので今の状態は良いと言っていました。解説はどなたが書かれたのかわかりませんが、今回お話をした奥さんはあまり刀には詳しくないそうです。ご主人が認知症になり代わりをしているようですが、足が悪く三階建ての美術館を経営するのは大変そうでした。とても優しい方でいろいろな話をしてくれました。ご夫婦共に高齢で職員としてご近所の方が来ているようですが、あまり美術館を長く続ける予定がないようで残念です。今まで博物館などで寄贈されて展示していたものは、同じような経緯があって預けられたのかなと思いました。


主な刀剣
・短刀 銘 源正家
 三島に住んでいた江戸時代の刀工だそうです。刃文が富士山と月に見立ててあり、まるで絵画のようになっています。
・脇指 銘 元近作
 小田原相州物とよばれる作者の作品で相州らしい姿の刀です。
・脇指 銘 相州住綱広
 三代綱広の作で、倶利伽羅龍の立派な彫刻があります。
・脇指 銘 相州伊勢大掾源綱広
 同じ綱広でもおそらく五代目の作品です。細身で刃文はおだやかで、上の刀と上下に置かれて展示してありましたがまったく違う印象でした。
・短刀 銘 綱家 重要刀剣
 綱家は北条家のお抱え刀工だったそうです。とても健全な姿で展示位置も良いのでとても輝いてみえました。
・脇指 銘 相州住秋広 貞治三年十二月日(号 日本一秋広神奈川県指定文化財
 黒田家伝来の刀で、拵えには黒田家の藤巴紋が散りばめられています。残念ながら刀身が手前に若干傾いて展示されていて、全体がかなり見ずらくなっていました。平造りで派手な彫り物などはなくシンプルな造りです。

・短刀 無銘 貞宗
 比較的刃文が華やかでどちらかというと正宗作のような印象です。手元にある図録の中では、佐野美術館の小松正宗が一番近い姿かなと思いました。鎺の丸に四つ目菱紋がきれいで、目釘穴が3つあり全体的に特徴的な姿をしています。
・脇指 銘 相州住綱広
 こちらは初代綱広の作で刃文はとても派手です。彫物は草の倶利伽羅がシンプルですがとてもきれいでした。
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・短刀 無銘 国光
 新籐五国光の作で、地鉄のきれいさがとてもわかります。刃文は細直刃でとても国光らしい刀だと思いました。伝来については何も書いてありませんが、鎺には葵の紋が彫られています。
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・刀 無銘 正宗(号 日月正宗
・刀 金象嵌銘 正宗(号 ひぐらし正宗
 ひぐらしの由来は、日ぐらし眺め続けても眺め飽きることがないという意味だそうです。こちらも展示位置が若干悪く照明があまり当たっていなかったのが残念です。しかし解説がかなり詳しく書いてあったので見どころがわかりやすくてよかったです。
・刀 無銘 伝国吉
 粟田口国吉の作とされる刀です。同じ刀の鳴狐とは違い鎬造りなので印象が全然違いますが、とてもきれいな細直刃です。
・短刀 銘 村匡
 刃紋が少しとがったフリルのようでとても華やかでした。
・脇指 銘 相州住綱広
 地鉄きれいで刃紋と彫刻の梵字のバランスが良くなかなか好みなだと思いました。
・脇指 銘 肥前國正廣
・脇指 銘 近江守忠吉
・刀 無銘 伝沼間藤源次助真

・刀 無銘 志津三郎兼氏 重要刀剣
 とてもきれいな直刃で、地鉄もきれいで相州伝に近いのがわかりました。とても健全な姿で鎺にはこちらも四つ目菱紋がみられます。
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《感想》
 照明や展示位置で少し見ずらいところがありますが、展示内容は良いものばかりだと思います。特に相州の刀が好きだととても楽しかったです。今回は展示をしていませんが、文化財登録された行光の短刀も所持しているようです。
あまり積極的に美術館の運営をする予定はないようですが、若い人が来るのはめずらしいということで歓迎していただいたので、ぜひ興味のある方は事前に連絡をして見に行ってほしいなと思います。美術館まわりの雰囲気もよかったのであの空気を味わうだけでも、非日常感があっていいと思いました。


《今回の一振》
 今回は日月正宗といわれる正宗の刀です。大磨上ですが全体的にバランスの良い刀だと思いました。中務正宗に似ている気がします。徳川家伝来ということで、黒漆の拵えも一緒に展示されていました。家康は実用的でシンプルな拵えを好んだという話がありますが、この拵えもまさにそういった装いでした。
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 ふくやま美術館の「阿部家ゆかりの日本刀」展に行ってきました。直前になって京都にも行きたいということになったので、今回も広島と京都を移動するという少し強引な行程でした。京都では、大覚寺、京都国立博物館、二条城と今回もたくさんの刀剣に出会う旅になりました。

《行った場所》
○二条城
 とても混雑するので朝一番に行ってきました。思っていたよりは平気でしたが、団体客が多いので全体的に見て回るだけでも進みが遅くなっていました。今まで行ったお城だと団体客はあまり多くないので、やはり京都といった雰囲気でした。昔は京都の観光地だと二条城が好きだったのですが、他のいろいろなお城や御殿を見すぎたせいか、昔より感動が薄くなったのを感じました。ただ、意外と近年修復をあまりしていないのか古くなっている箇所が多いなというのがわかりました。
 刀は京都の不動産会社の社長さんのコレクションだそうで良いものばかりでした。展示場所も二の丸御殿の中ですが思っていたより広々としたスペースで、人の流れを見て空いてるときを狙えばばじっくり観察することもできました。ただ光は弱くて刃文や細かい造りはあまり見えません。銘が読み取れるぐらいですが展示の仕方にあまり期待はしていなかったので思っていたよりは見られるかなという具合です。二条城での刀剣の展示が今まであったのかどうかはわかりませんが、普段刀をあまりみない人の目にもとまるというのは良いのかなと思いました。
主な刀剣
・刀 銘 孫六兼元 金象嵌銘 笹の露 個人蔵
・太刀 金象嵌銘 正宗 本阿弥(花押) 個人蔵
・太刀 銘 来国俊
・刀 銘 長曾根興里入道虎徹 寛文十二年と九月十一日二ツ胴切落 山の勘助十郎久英(花押)
・刀 銘 村正

○大覚寺
 今年一年間度々展示されていた膝丸ですが、しばらく展示されないとのことなので見納めに行ってきました。大覚寺は初めて行きましたが、とても広くで驚きました。紅葉の時期ということで人が多くにぎわっていました。大沢池のところでは紅葉をみながらお茶と和菓子をいただけました。とてもいいい景色が見られてよかったです。
主な刀剣
・太刀 銘 □忠(号 薄緑膝丸))重要文化財

○京都国立博物館
 坂本龍馬展の最後の土日ということもありとても混雑していました。展示品を全部じっくり見ているととても時間がかかるというのはあらかじめ聞いていたので、流すように見ていきました。刀剣の展示場所も最前で見る場合は並びますが、比較的じっくり見られました。
主な刀剣
・短刀 銘 濃州住兼涌 高知県立歴史民俗資料館蔵(高知県)
 武市半平太が佩刀していた刀です。重ねがかなり厚めだなと思いました。
・刀 銘 吉行
 2回目ですが、以前見た時よりも反りのないまっすぐさが強く感じました。
・刀 銘 山城國西陳住埋忠明寿作
 彫物がとてもきれいで明寿らしさを感じました。
・脇差 銘 備前国住長船二郎左衛門尉勝光左京進宗光 永正二年八月吉日 個人蔵
・刀 銘 筑前住源信国重貞 個人蔵
・脇差 銘 備州長船住忠光 個人蔵
・刀 銘 國廣
・刀 銘 兼元 霊明神社蔵(京都)


○ふくやま美術館
 福山に移動して、美術館へは朝の開館時間めがけて行きました。10分前で30人ほど並んでいました。入ってからクリアファイルや図録を並ぶための列に並び、その後入館券を買って見ました。最初は全員順番に並んで見ていくので進みはかなり遅いですが、次の部屋からは自由な順番で見られるのであまり並ばずに時間がかからず見ることができました。展示内容はとにかく豪華で、地域と年代ごとになってるのも違いがわかりやすかったです。図録の写真がかなり大きめで見やすいのも良かったです。
 展示された刀剣の数も多ければどれも指定文化財ばかりという豪華さなので、一度見たことあるもの以外を記録しました。所蔵が書かれていないものはすべてふくやま美術館寄託の小松コレクションです。
主な刀剣
・太刀 銘 久国 国宝、文化庁蔵
・短刀 銘 吉光(名物 岩切長束藤四郎重要文化財、東京国立博物館蔵(東京)
・太刀 銘 定利 国宝、東京国立博物館蔵
・短刀 銘 光包 重要文化財
・太刀 銘 包永 東京国立博物館蔵
・太刀 銘 大和則長作 東京国立博物館蔵
 他の包永の刀と同じように茎の尻ぎりぎりのところに銘がありました。銘が完全になくなるまで磨り上げられるものも多いのに展示で見る包永はぎりぎり残しているものばかりなのはおもしろいなと思いました。
・太刀 銘 正恒 国宝
・太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造 正応二年十月日 重要文化財、林原美術館蔵(岡山)
・太刀 銘 備州長船住景光 延慶二年七月日 重要美術品、東京国立博物館蔵
・太刀 銘 備州長船兼光 延文三年二月日 重要文化財
・刀 無銘 伝長義
 全体的にとても好みな姿をしていました。新しく小松コレクションに加えられた刀で、阿部家に渡った経緯も近年わかったようで図録に細かく書かれていました。
・太刀 銘 備前国住長船盛景 重要文化財
・脇指 朱銘貞宗 本阿(花押)(名物 朱判貞宗重要文化財
・刀 無銘 志津(名物 分部志津重要文化財、個人蔵
・短刀 銘 兼友 重要美術品 刀剣博物館蔵(東京)
・刀 銘 和泉守藤原兼定 石破渋谷木工頭明秀 (金象嵌)二胴切落 伊勢山田是作 永正十二二年二 佐野美術館蔵(静岡)
・刀 銘 兼元

○福山城
 新幹線から見えていつも気になっていたのですが、やっと行くことができました。想像以上に近くてびっくりしました。全体的に岡山城に似ているなと思いました。中は展示物があまり多くないのもありとても広々としています。


《感想》
 今回は行く先々で刀剣の展示があってとても濃い旅行になりました。また、それぞれの施設でコラボグッズやポストカードなどいろいろな関連商品を買うことができました。あとから旅行の記録を書いていても、目録や図録があるだけで、そのときの記録の残り方が全然違います。最近は見るのが2回目以上のものが増えてきました。博物館などで気づかずこの記録を書くのに一覧表と照らし合わせているときに気が付くことが多いです。もっと一つ一つを大事に見ていきたいなと思いました。


《今回の一振》
 今回は初めて見た朱判貞宗です。朱判貞宗は幅広で大きな短刀という印象が物吉のような貞宗らしさの刀だなと思いました。どちらかというと短刀に見られる小さめな貞宗の刀のほうが好みですが、刃文はこれぐらいおだやかなものがいいなと感じました。

 三島の佐野美術館で始まった「名刀は語る-磨きの文化-」に行ってきました。合わせて行く場所を考えていたところ、行きたいと思っていた箱根神社が近かったので行ってきました。2日間限定の小夜左文字と愛染国俊を見るのに、土曜日でも行けそうだったのですがとても混雑しているということだったので日曜日に見てきました。


《行った場所》
○箱根神社
 箱根までは、新宿からの高速バスを利用しました。直接行ってくれるので便利なのですが、行楽シーズンということもあり高速道路の渋滞が長く、予定時間よりも一時間ほど時間がかかってしまいました。普段新幹線や電車を使っているのであまり考えていませんでしたが、バスは時間が読めないのが難点なので考慮する必要があります。
 山のホテルというバス停で降り、箱根神社までは歩いて行きます。宝物館は新しく、常設展では各地の博物館のような映像資料もありました。企画展では曽我物語について詳しく展示があり、物語の流れを読んでから展示物を見るとさらに楽しめました。
主な刀剣
・太刀 無銘 伝長船長円(号 微塵丸
 木曽義仲が箱根権現に奉納したもので、曽我物語の中では兄の十郎祐成が佩刀した刀です。かなり長くて80cmはありそうでした。(調べたところ100cmちかくあるそうですがそこまでの長さがあるとは思いませんでした)
 刀は寝かせて置いてあるため、刃文は見えませんが重ねは厚く樋も大きくはいっていてあまり平安ごろの古い刀には見えませんでした。反りはあるけれど、どちらかというと南北朝の作というほうがあってるような気がします。鎺近くには大きな刃こぼれがありました。

・太刀 無銘 伝三条宗近(号 薄緑丸
 源義経が奉納した刀で、曽我物語では弟の五郎時政が佩刀していました。仇討ちを果たした後は源頼朝から返納されたそうです。細身ですがかなり反りが小さく、こちらもあまり平安らしさは感じませんでした。微塵丸と並べて置いてあるので比べてみると同じような時代に造られた刀だとしても全然姿が違うのがわかります。ただどちらの刀も小峰なのですっとした尖った印象を受けました。刀を見るという目的では物足りない展示方法なのですが、壮大な逸話をもつ刀という展示としては十分楽しむことができました。


○佐野美術館
 箱根芦ノ湖から三島まではバスで行きました。途中三島大橋や山中城跡を通っていき、景色を見るだけでもなかなかおもしろいです。小田原や熱海行のバスは混んでいましたが、三島行はとても空いていました。
 三島で一泊して、佐野美術館は9時の開館ちょうどをめがけて行きました。だいたい館内に入るのに1時間半、小夜と愛染が展示されているブレストシーブのスペースまでで30分、その他の展示も列に並びながら見て1時間半といった感じでした。ブレストシーブのところは1分間だけだったので、見たことのない愛染国俊をじっくり見ようと思って他はあまり見られませんでした。それ以外の展示は、列の進みが遅かったのもありかなりじっくりと見ることができました。
 スタンプラリーが始まってからも行く予定ですが、前期と後期でほぼすべて展示替えになるためどれも真剣に見る必要があり大変でした。見た刀についてですが、多すぎてとても書ききれないほどなので文化財指定を受けているものだけ書き出します。それでもかなりの数があり、本当にすごい展示だというのがわかります。寄託のものは目録には名前も書いてありますが個人蔵としています。
 
主な刀剣
・短刀 銘 国俊(名物 愛染国俊重要文化財、㈱ブレストシーブ蔵
 初めてみるので、茎の愛染明王を探したのですがうまく見えませんでした。全体的にすらっとしていて、下にあった小夜が小さいため比べるととても長いように見えました。彫り物が刀身のわりに大きくて全体的に好みな姿です。
・短刀 銘 左(名物 小夜左文字重要文化財、㈱ブレストシーブ蔵
 今回は見られる時間が短かったので、去年中鉢美術館でじっくりと見られてよかったです。今回は愛染と並べての展示だったので、小ささが強調されていました。表面がなめらかでつるっとした印象です。

・太刀 銘 利恒 重要美術品
 展示は古い時代から順に置かれています。これは平安のものですが、備前らしい姿だなと思いました。鎌倉時代のよく見られる備前刀に近い気がします。銘が大きく古いものにしては読みやすく残っているのがよかったです。
・太刀 銘 行秀 重要文化財 個人蔵
 行秀も古備前の刀工ですが、こちらはあまり備前っぽくないなと思いました。備前の刀は作者によって受ける印象がかなり変わるのでおもしろいです。古備前の刀は見る機会が多くないので特に毎回新鮮に見えます。
・太刀 銘 国行 重要美術品 
 切っ先が太く力強い印象を受けました。来派の刀は特に地鉄が好みです。
・刀 無銘 当麻 重要美術品
・刀 無銘 正宗 重要文化財
 反りが強く、他の正宗から感じる大磨上の形跡をあまり感じない姿でした。峰も大峰ではなく少し控えめな印象です。刃文がポコポコっとふくらんでいるようすがいいなと思いました。照明の当たり方で沸がとてもよく見えました。
・太刀 銘 長光 重要美術品
 長光らしい姿で肌がとてもきれいです。刃文がよく見ると派手でそこもらしさを感じました。
・薙刀 銘 備前国長船住人長光造 国宝
 厚みがありとても重そうだと思いました。薙刀は展示があまりなかったり、展示位置が少し高めに置かれたりしていることが多く、刀と同じように見るのは意外と少ない気がします。
・太刀 銘 長元 重要文化財
 初めて見る刀工です。姿は平安ぽさを感じる細身で、刃文がちょこちょこっとはいっているのが上品だなと思いました。
・太刀 銘 真長 重要文化財、個人蔵
 鎬が低くてぱっと見平造りかと思うような姿で、磨り上げられてそうなアンバランスさを感じました。刃文はフリルのように華やかで、刀身にある梵字や剣の彫り物が好みです。鎺には本田家の家紋が入っていました。
・太刀 銘 国宗 重要美術品、個人蔵
 刃文がメラメラと燃えているようで、山鳥毛一文字のような印象を受けました。
・太刀 銘 雲生 重要美術品
 とても肌がきれいで、刃文も上品な直刃でよかったです。
・太刀 銘 俊次 重要美術品
・太刀 銘 為次 重要美術品
・太刀 銘 清綱 重要美術品
・脇指 銘 相模国住人広光 康安二年十月日(号 火車切重要美術品
 刃文の焼き幅が広くとても派手な印象です。あまり厚みがなく地鉄も正宗や貞宗とはちょっと違うなというのがわかりました。
・刀 金象嵌銘 備前国兼光 本阿弥(花押)(名物 大兼光) 重要文化財
 長くて幅も広いため、とても迫力がありました。刀は80cmを超えるとすごく大きいなという印象を受けます。刃文ものたれがとても派手な印象ですが、正宗などののたれの感じとはやっぱり違うなという感じです。
・刀 金象嵌銘 基光 重要美術品
 片落ち互の目がとてもわかりやすく、全体的にその刃文なのでトゲトゲしさを感じました。けれど肌がきれいで好みな姿です。
・刀 銘 津田越前守助広 延宝二年二月日 静岡県指定文化財、個人蔵

・短刀 無銘 貞宗(号 太鼓鐘貞宗重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 景則 静岡県指定文化財、個人蔵
・大笹穂槍 銘 藤原正真作(号 蜻蛉切静岡県指定文化財、個人蔵
                  他多数


《感想》
 限定公開の2日目に行ったのでそこまで混乱もなく見ることができましたが、やはり館内はとても混んでいました。けれど全体的にじっくり見ることができて、講演も聞くことができたので大満足な展示でした。澤口さんの講演を聞くのは3度目でしたが、自分の刀を手に入れた後なので今までとは違い話す内容に同感することが多かったです。持ち主がいなくなり手入れがされないもったいない刀がなくなるために、若い人に刀の所持者になってほしいという考えがあることを、話を聞いていて感じました。まだ今は刀を実際に購入した人は少ないと思いますが、今興味を持っている人は本当にたくさんいると思うので、私が買ったようにこれから10年もしたら刀を持つ人がかなり増えているのではないかなと思います。


《今回の一振》
 今回はずっと見たかった太鼓鐘貞宗です。個人蔵で今までの展示の経歴からいったら佐野美術館で展示する可能性は高いだろうなと思っていましたが、こんなに早くみられるとは思っていませんでした。姿は貞宗らしさは薄く思っていた以上に小さかったです。肌はきれいで刃文ののたれが好みな感じでした。貞宗も正宗も銘がないため今まで真偽不明なものはたくさん見ましたがどれも魅力がある刀だと思います。実物ではなく図録でしか見ていない刀は所持者の来歴などを中心に見てしまいますが、実物を見るとその刀の造りを中心に図録を見られるようになる気がします。以前開催された「名物刀剣-宝物の日本刀-」の展示会の図録に太鼓鐘貞宗がのっていますが、実物を見る前と後で写真から感じられる印象がかなり変わった気がします。

 茨城県の古河市にある古河歴史博物館に行ってきました。11月27日まで「赤羽刀」と日本刀名品展を開催中です。古河駅は初めて訪れましたが、博物館の周辺はきれいに整備されていて、昔は城がそこにあったことを連想させる趣のある街並みがつくられていました。都内からも訪れやすく展示もすばらしいものばかりだったので、ぜひ期間中に見てもらいたいです。

《行った場所》
○古河歴史博物館
古河歴史博物館は、平成11年に赤羽刀を譲渡されてから何度か刀剣展を開催しているそうです。そのため、刀の展示専用ではない施設でも、見やすくなるように工夫がされていました。また、解説がとても多く見どころなどがわかりやすくてよかったです。個人蔵のものが多く、なかなか見る機会がないと思うので今回の展示を見に行ってよかったです。
主な刀剣
・刀 無銘 伝来国行 重要美術品、個人蔵
 大磨上げでも傷ひとつないような健全な姿でとてもきれいです。地鉄がよくつんでいるという解説のとおり美しさを感じました。
・太刀 銘 国俊 重要刀剣、個人蔵
 細い直刃がすっとはいっていて繊細な印象の刃文でした。長い刀だなと思ったら75cmありましたが、迫力がある長さというよりも長くてもバランスの良さを感じました。
・短刀 銘 来国光 観応二年六月 重要刀剣、個人蔵
 すこし長めな短刀で、こちらは刃文が広い直刃でした。以前刀剣博物館で来派の刀を並べて見たときも思いましたが、来国光からは相州っぽさを感じます。

・短刀 銘 村正 重要刀剣、個人蔵
 大互の目と大のたれでとても迫力のある刃文でした。身幅も広いところも迫力を感じます。
・短刀 銘 環 赤岩住 個人蔵
 環というのは源清磨のことでめずらしい銘だそうです。短刀の形はしていますが9.6cmととても小さく、刀とは思えないような小ささです。

・刀 無銘 長義 重要刀剣、個人蔵
・刀 金象嵌銘 義光 本阿(花押) 重要刀剣、個人蔵
 隣の長義と比べるとだいぶ細身に感じます。刃文の互の目が規則的にはいっていて備前らしくていいなと思いました。
・刀 金象嵌銘 長守 本阿(花押)重要刀剣、個人蔵
・脇指 銘 常州東条高田住英定作 天正十年八月日 古河市指定文化財、三和資料館蔵
 平造りの脇指ですが、42cmもありかなり変わった姿をしています。

・刀 銘 備前介藤原宗次 嘉永六年八月日
 こちらが古河歴史博物館が所蔵する赤羽刀です。大きな互の目乱れが派手で、全体的には固い印象をうけました。
・刀 銘 水心子正秀 天明五年二月日 彫同作 特別保存刀剣、個人蔵
 大きく倶利伽羅龍が彫られています。刃文の大互の目が彫り物のある場所は小さく、切っ先のほうは大きく焼かれていてよく計算されてつくられているなと感じました。
・刀 銘 葵崩紋 個人蔵
 烈公こと水戸藩主徳川斉昭が作刀したものです。意外とみる機会が多く、これで四振り目ぐらいな気がします。解説に烈公の特徴の八雲肌とありましたが、確かに雲のような肌がよく見えました。

・刀 銘 以南蛮鉄 於武州江戸 越前康継 重要刀剣、個人蔵
・薙刀 銘 大和国藤原包宗 個人蔵
・短刀 國廣 重要刀剣、個人蔵
 表に梵字、裏に大黒天が彫られていて、展示は表でしたが写真で裏の大黒天も見せてくれる親切な気配りがされていました。
・刀 銘 日州古屋住国広作 天正十四年八月朔日 豊田安宗刀 重要刀剣、個人蔵
 彫り物の真の倶利伽羅龍がとてもかっこよかったです。
・脇指 銘 長曾祢興里入道乕徹 重要刀剣、個人蔵
 すごく肌がきれいで目をひかれました。
・刀 銘 陸奥大掾三善長道 延宝五丁巳八月日(号 池田長道重要刀剣、個人蔵
 解説によると、池田屋事件の功績により松平容保から近藤勇に贈られた刀とのこと。作者の三善長道は会津虎徹と言われるほどの刀工だそうです。他にも調べていたら以前は靖国神社の遊就館にあったという話も見ました。逸話が多くておもしろい刀だと思います。


《感想》
 思っていたよりもずっと満足する展示内容でした。展示位置が低めなのはしょうがないとしても十分見やすく展示されているし、解説の多さは今まで見た施設の中でも上位だと思います。刀工、造り、来歴等についてたくさん書かれていてとても全部は記録できませんでした。あまり人が多くないのでゆっくりじっくりと見られたのもよかったです。
 最初古河の名前を聞いたときに何県かわからなかったのですが、本当に埼玉と栃木に接して3県にまたがるような位置にあり、常設展での地域の歴史も見ていておもしろいなと思いました。古河駅は茨城県なのに川の対岸にある新古河駅は埼玉県というのもおもしろいです。ぜひまた刀剣の特別展を開催したら訪れたいです。


《今回の一振》
 今回は備前長義作の刀です。どっしりとした大峰の刀で、とても南北朝期らしさを感じました。解説に、長義は備前ばなれしている刀工と書かれていましたが、今まで見た長義の刀の中でもより相州に近い作品だと思いました。

 文化の日に東京都内の気になっていた神社を中心に刀めぐりをしました。銀座の刀剣販売店に用があったので、気づけば府中から銀座まで東京を横断するような行程になりました。初めて訪れる場所ばかりだったので、知らなかった東京の景色が見られてよかったです。


《行った場所》
○大國魂神社
 府中の駅前にある大きな神社です。将軍家も重要視した神社で、神領地五百石は上野東照宮、日枝神社に次いで三番目だったそうです。街並みもどことなくその名残を感じました。奉納刀は号がついた江戸時代の大太刀が3振に、大正・昭和・平成それぞれの時代に奉納されたものと幅広く展示されていました。号がついた由来などは書かれていませんでしたが、解説が多くてよかったです。

主な刀剣
・大太刀 銘 慶長八葵丑年卯月十日鍛冶山本七郎右衛門慰照重作  奉納武州惣社六所大明神御剣  願主當國之住大野八衛門景吉(号 御蛇丸府中市指定文化財
・大太刀 銘 於武州江戸大和守藤原金蔵作之 寛文二王寅年九月吉日(号 烏丸府中市指定文化財
 高力高長が奉納した刀で、厳島神社にあったものと同じように高力氏の丸に鳩紋が鎺に彫られていました。

・大太刀 銘 日本鍛冶宗匠三品伊賀守金道門人明林子長高作  安政六末年二月日  御霊宮武劦多摩郡一ノ宮村 願主杦本万平 小林長三郎 杦田熊造 セハ内中(号 息吹丸
・脇差 銘 武州児玉八幡山住 六代明村子長高 高野政光作
 息吹丸が奉納されて、150年後の平成十三年に、息吹丸をうった長高から6代目の子孫である13代目長高が奉納したとのこと。長い年月を経て伝統を守ることができる刀工がいるのはすごいことだなと思います。

・短刀 大阪住人月山貞藤謹作(花押) 大正十五年三月吉日
 御下賜品で、鎺には御賜と彫られていました。拵も特別なもので一緒に展示されていましたが、とてもきれいでよかったです。
・短刀 銘 御奉献大國魂神社大野利雄 武蔵国府中靖興作 昭和四十九年二月日


○金王八幡宮
 渋谷の駅前からすぐの場所にあります。名前の由来は源頼朝に尽くした金王丸という人物。その金王丸が持っていた刀が、毒蛇長太刀というもので現在でも金王八幡宮に伝わっているそうです。広くはないけれど周辺もとても雰囲気があり、観光で訪れている方も見かけました。


○日枝神社
 徳川家に縁の深い代表的な神社で、刀もたくさん奉納されています。宝物館は入場無料ですが展示内容はとてもすばらしいです。
主な刀剣
・太刀 銘 師景 重要文化財
 丁字の刃文がメラメラと燃えているような姿でした。

・太刀 銘 重久 重要文化財
 初めて見ましたが一文字派の刀工だそうです。太めな姿で刃文もよく見えませんでしたが、反りが小さく不思議な姿をしているなと思いました。

・太刀 銘 守家 重要文化財
 丁子刃文のうち、中心あたりは蛙子丁子も見られました。

・太刀 銘 備州長船住長光 重要文化財
 明治天皇が奉納されたものだそうで姿が細身で美しさを感じました。

・太刀 銘 一
 吉岡一文字派の刀工で、一文字らしい刃文がよく見えました。焼き幅が広くて丁子が鎬まできています。

・刀 銘 武蔵大掾藤原是一
 身幅が広くて反りがなくほぼまっすぐなのでどっしりとした姿をしていますが、刃文は丁子がとても華やかで派手さがあります。



《感想》
 普段各地に遠征はしても、意外と身近なところを調べて見に行くことをしていなかったので、今回東京の神社を見てまわれてよかったです。七五三の時期なのでどこも普段よりも賑わっているようでしたが、刀などが展示してある宝物館などは人が少なくとても静かなのでじっくりと見ることができました。刀以外の展示では、やはり徳川家に関するものが多くありましたが、昭和の戦争資料も多くみられました。東京にある寺社の多くも戦火で焼かれたものが多かったんだなというのを改めて感じました。まだまだ都内には大きな由緒ある寺社がたくさんあるので、ぜひ行きたいと思います。


《今回の一振》
今回は大國魂神社にあった御蛇丸です。
大國魂神社にある号のついた3振の大太刀は、名前の由来などはわかりませんが、特にこの刀は逸話がいろいろ残されています。この刀を奉納した大野八衛門は、現在の群馬県桐生市の街づくりを行った人だそうです。しかし不正の罪で処刑されることに。どうも冤罪だった可能性があるそうですが、その処刑の一年前に奉納したのがこの刀。刀身には6つの銘文が彫られていて、その内容は(処刑されることに対して)もう恨み気持ちはなくなったという内容だそうです。刀の姿も特徴的ですが、その逸話を聞きとても印象的な刀でした。


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