刀剣巡礼覚書

日本刀の鑑賞にはまった審神者が、刀を求めて聖地巡礼をしつつ全国を巡った記録を書き連ねたものです。各地の博物館、美術館の情報は当時のものです。

《刀工順》   期間:2015.3.29~2018.1.27
 ・期間内に見た刀剣を、刀工ごとに個人的な基準で地域を振り分けています。
 ・何代目の作品かわからないものがあるため、同じ名前の刀工はすべてまとめています。(例:兼定はすべて美濃)
 ・掲載されている情報には間違いがある可能性があります。あくまでも参考程度でお願いします。


 山城(写真あり)
 大和
 備前(写真あり)
 相模(写真あり)
 美濃
 その他 



《行く予定》
・東京国立博物館(随時)


《行った場所》 施設名クリックで記事に飛びます。
青森県 ・青森県立郷土館
岩手県 ・一関市博物館
宮城県 ・鹽竈神社
    ・瑞巌寺
    ・仙台市博物館
    ・中鉢美術館
山形県 ・上杉神社宝物館
    ・上杉博物館
    ・致道博物館
    ・最上義光記念館
栃木県 ・足利学校
    ・足利市美術館
    ・さむらい刀剣博物館
    ・日光東照宮宝物館
    ・日光二荒山神社宝物館
茨城県 ・茨城県立歴史館
    ・鹿島神宮
    ・古河歴史博物館    
    ・土浦市立博物館
    ・常盤神社
    ・徳川ミュージアム
    ・結城蔵美館
埼玉県 ・川越市立博物館
    ・川越歴史博物館
    ・埼玉県立歴史と民族の博物館
千葉県 ・塚本美術館
東京都 ・永青文庫
    ・江戸東京博物館
    ・大國魂神社
    ・サントリー美術館
    ・泉屋博古館分館
    ・東京国立博物館
    ・東京富士美術館
    ・刀剣博物館
    ・根津美術館
    ・羽田空港美術館
    ・日枝神社    
    ・土方歳三資料館
    ・三井記念美術館
    ・靖国神社
神奈川県・小田原城
    ・木村美術館
    ・箱根神社
静岡県 ・久能山東照宮
    ・佐野美術館
    ・三嶋大社宝物館
愛知県 ・熱田神宮
    ・犬山城とまちミュージアム
    ・岡崎城
    ・徳川美術館
    ・名古屋市博物館
    ・名古屋城
    ・三河武士のやかた家康館
長野県 ・鉄の展示館
岐阜県 ・大垣市郷土館 
    ・大垣城
    ・岐阜城 
    ・岐阜市歴史博物館
    ・関鍛冶伝承館
富山県 ・森記念秋水美術館
石川県 ・石川県立美術館
    ・加賀本多歴史館
    ・武家屋敷野村家
福井県 ・福井市立郷土歴史博物館
三重県 ・桑名市立博物館
    ・神宮徴古館
滋賀県 ・彦根城博物館
大阪府 ・石切劔箭神社
    ・大阪城
    ・大阪歴史博物館
京都府 ・北野天満宮
    ・京都国立博物館
    ・鞍馬寺霊宝殿
    ・大覚寺
    ・二条城
    ・本能寺
兵庫県 ・本興寺
    ・黒川古文化研究所
    ・湊川神社
奈良県 ・薬師寺
和歌山県・和歌山県立博物館
岡山県 ・岡山県立博物館
    ・倉敷刀剣美術館
    ・備前長船刀剣博物館
広島県 ・厳島神社宝物館
    ・広島県立博物館
    ・広島城
    ・ふくやま美術館
山口県 ・岩国城
    ・岩国美術館
    ・吉川史料館
香川県 ・香川県立ミュージアム
    ・金刀比羅宮宝物館
    ・丸亀市資料館
福岡県 ・九州国立博物館
    ・太宰府天満宮宝物殿
    ・福岡市博物館
熊本県 ・島田美術館 
宮崎県 ・宮崎県立美術館

 九州国立博物館で9月1日まで開催中の「室町将軍展」と太宰府天満宮で展示中の蛍丸の写しを見に行きました。どちらも刀剣乱舞とのコラボと描きおろしパネルやグッズの販売等もしていて、とても大満足な展示でした。

≪行った場所≫
○太宰府天満宮
 前回行ったのは4年も前で刀剣を巡る旅を始めたばかりのころだったので、とても懐かしい感じがしました。今回は「神社に奉納された名刀展」ということで、会期を分けていろいろな刀が展示されます。新しく作刀された蛍丸をまだ見たことがなかったのでこの時期にしましたが、ぜひ今度は阿蘇神社でも見たいなと思える刀でした。
主な刀剣
・毛抜形太刀 重要文化財
・大太刀 銘 来国俊 阿蘇神社御神前 房幸房興永仁五年三月一日 平成丁酉歳清明写也
(棟)飛鳥川淵波瀬仁奈留世也止天 蛍尋祢牟高砂乃松
阿蘇神社蔵(熊本)
・短刀 銘 村正
・刀 銘 長門国萩住永弘 文久三年十二月吉日 二王直清(花押)
・刀 銘 丹波守吉道
・脇差 銘 源盛高 八月日


○九州国立博物館
 こちらも前回は江雪左文字を見に行った4年ぶりになります。展示の中心となっている室町将軍の座像は、4年前に髭切を見に京都に行ったときに等持院で見ていましたがとても印象に残っています→http://touken-meguri.blog.jp/archives/950426.html
等持院はお庭がとてもきれいなのでぜひ見に行ってほしいなと思います。
 展示は足利将軍全員にスポットを当てていて、よく知らない人も多かったのでとても勉強になりました。将軍をイラストにしていたのもわかりやすくて良かったです。音声ガイドを含めて解説もたくさんありわかりやすく、ついじっくりと展示を見たくなる展示方法だと思います。
 個人的に
主な刀剣
・太刀 銘 □□国則宗(名物 二ツ銘則宗) 重要文化財、愛宕神社蔵(京都)
・太刀 銘 長光(名物 大般若長光) 国宝、東京国立博物館蔵(東京)
・太刀 銘 康次 国宝、光ミュージアム蔵(岐阜)
 青江派の康次の太刀ですが、こちらは初めて見ました。康次の刀は東博にある重要文化財のものしか見たことがなかったので珍しいなと思います。


○立花家史料館・松濤館
 2日目は柳川まで足をのばしました。駅から観光のメインの場所までは離れていて、1時間ぐらい船に乗ることもできますが、時間がなかったのととても暑かったので今回はバスを使いました。
 立花宗茂が歴史の人物としてはメインですが、その後の伯爵としての立花家が残した建物の数々もすばらしいなと思いました。展示を見ても全体的に物持ちが良いと感じました。

○白秋記念館
 北原白秋の生家を復元した趣きのある建物の中にゆかりの品がたくさん展示されています。記念館の建物は新しく、映像展示や関わりのあった人物についての展示もあり、かなり盛りだくさんで長い時間滞在しました。


≪感想≫
 最近は刀の展示を見に旅行に行くことが減ってきましたが、やはり展示を目当てで行き、それ以外の観光をするのもとても楽しいので続けていきたいです。
 柳川の街並みはとてもきれいで見どころも多く、もっと長く滞在したいと思ったのでまた来たいと思いました。いたるところにさげもんが飾られていてとてもかわいかったです。


≪今回の一振≫
 復元作刀された蛍丸です。来国俊の他の刀も好みということもあり、とても好きな見た目の刀でした。大太刀としては短めですがやはり迫力があります。元の刀が現存していない刀の復元もいくつか見てきましたが一番感動した気がします。これからも大事にされていってほしいと思いました。


 石川県立美術館で7月22日まで開催されていた「名刀と刀絵図」を見に行きました。白山比咩神社所蔵の吉光の剣はまだ見たことがなかったので、秋の展示とどちらに行くか迷いましたが、早く見に行きたかったのですぐに行くことにしました。

≪行った場所≫
○東尋坊
 初めに福井県の東尋坊に行きました。金沢駅から芦原温泉駅まで行き、そこからバスで東尋坊に行きました。バスは1日乗車券でお得に乗ることができます。
 梅雨の間の晴れ間で天気が良く、とても良い景色でした。断崖絶壁でも立ち入り禁止のエリアは指定されていないので、かなりギリギリまで行く人もいました。自殺の名所やサスペンスから受けるような印象はほとんどなく、天気の良さもあり明るく楽しい雰囲気でした。冬はかなり海が荒れるそうなので、おそらく全然違った景色になるのかなと思いました。
 船に乗ると絶壁を下から見られたり、近くの雄島まで行ってくれるのですが、海上から見た景色もとても良く本当に来てよかったです。船の案内の方の話はとてもおもしろく、30分ぐらいと十分な長さの船旅は楽しかったです。
 帰りはあわら湯のまち駅にある日帰り温泉に行ったのですが、設備が充実していてとても気持ちよかったです。

○石川県立美術館 
 前回前田藤四郎を見に来て以来ですが、3年もたっていることに驚きました。白山吉光は展示室の中央に展示されていて、とても見やすい展示でした。本阿弥光徳の刀絵図はかなり広範囲展示してくれていて、内容についての解説も多くてとてもおもしろかったです。
主な刀剣
・剣 銘 吉光 国宝、白山比咩神社蔵(石川)
・脇指 銘 清光 
・刀 銘 加州金沢住藤原清光作
・刀 銘 越中守藤原高平(花押) 石川県指定文化財
・刀 銘 賀州住兼若 石川県指定文化財


○石川四高記念文化交流館
 ずっと行きたいと思っていたのですが昨年金沢に来たときは行けず、今回やっと近代文学館と合わせて見学しました。内装がとても趣きがあって良いです。当時の学生の生活の様子がわかってとてもおもしろかったです。文学館のほうの展示では金沢三文豪を中心に紹介をしていますが、それぞれ個人の記念館があるため展示量としては少なめな印象です。


≪感想≫
 石川県立美術館と合わせてどこに行くか迷っていましたが東尋坊は行ってよかったです。本当は丸岡まで足をのばしたかったのですが電車やバスの関係で時間がなくなり行けなくなってしまったので、今度また北陸に行くときはいろいろなところに寄りたいなと思います。
 石川県立美術館は刀剣の特集展示だけでなく、いろいろなジャンルの美術品を多く展示しているので、細かく見るには時間に余裕をもって計画しなければいけないなと感じました。


≪今回の一振≫
 今回初めて見る白山吉光こと国宝の吉光の剣です。奉納されたものなだけあり、見ていても実戦で使用するよりお守りのような印象を受けました。鋭さや固さよりもやわらかさを感じる姿をしています。展示では裏側も少しだけ見る事ができました。秋にもまた展示をされるのでぜひ多くの人に見てもらいたいなと感じました。
 

 9月29日~11月25日まで京都国立博物館で開催の「京のかたな」展に行ってきました。とにかくたくさんの刀が見られるとても贅沢な展示で、初めて見るものもたくさんありました。会期は全部で4つに分かれていますが、最初の1回しか見に行けないのが残念です。

≪行った場所≫
○銀閣寺
 前日に通過した大型の台風の影響で、在来線だけでなく京都へ行く新幹線のダイヤが大幅に乱れていました。もともと自由席の予定だったので、東京駅のホームに30分ぐらい前から並んで座ることができましたが、平日でもすごい混雑だったので、土日じゃなくてまだよかったです。ダイヤが乱れているときの新幹線の乗り方も体験することができました。
 京都へは昼すぎに着いたため、1日目は銀閣寺とその周辺を見て回りました。紅葉はまだほとんどしていませんが、過ごしやすい気温で快適でした。川沿いの道や銀閣寺の近くにある「よーじやカフェ」のお庭もとてもきれいでよかったです。

○南禅寺
 初めて訪れました。三門の大きさにも驚きましたが、明治の建築物の水道橋がとにかくすばらしかったです。上のほうに登って水が流れる様子も見ることができました。いろいろな時期にまた来たいなと思わせる雰囲気で好きな場所になりました。


○京都国立博物館
 平日の朝だったのでバスもそこまで混雑しておらず順調に行くことができました。開館前から大勢並んでいましたが、思っていたよりも見ているときはあまり混雑を感じませんでした。刀剣乱舞コラボの音声ガイドはほとんどの人が借りていました。
 とにかくたくさんの刀剣が展示されていたので、初めて見たもので文化財登録されているものなどを選んで記録しています。行ったことのある施設でもまだ見たことのないものがたくさんあったのが少し意外でした。展示機会の少ないものなどは、今回見られてよかったです。
 人と展示数が多いこともあり一つ一つの印象を記録することができなかったのは残念ですが、図録がとてもすばらしいので図録を見ているだけでも楽しいなと思いました。
主な刀剣
・太刀 銘 三条 重要文化財、南宮大社蔵(岐阜)
・太刀 銘 宗(以下不明) 重要文化財、若狭彦神社蔵(福井)
・太刀 銘 吉家 重要文化財
・太刀 銘 吉家作 重要文化財、香雪美術館蔵(兵庫)
・太刀 銘 菊御作 重要文化財、徳川美術館蔵(愛知)
・太刀 銘 菊御作 重要文化財、林原美術館蔵(岡山)
・太刀 銘 (菊紋)一 重要美術品、個人蔵
・太刀 銘 一 鎺下ニ菊花紋ノ切付アリ 重要美術品、東建コーポレーション蔵
・太刀 銘 国安 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 国綱 重要文化財、徳川美術館蔵
・太刀 銘 国吉 重要文化財、個人蔵
・短刀 銘 吉光 国宝、立花家史料館蔵(福岡)
・剣 銘 吉光 重要文化財、熱田神宮蔵(愛知)
・短刀 銘 吉光(名物 毛利藤四郎) 東京国立博物館蔵(東京)
・太刀 銘 国定 重要美術品
・太刀 銘 来国俊 国宝、個人蔵
・短刀 銘 来国光(名物 有楽来国光国宝、個人蔵
・短刀 銘 来国次 国宝、個人蔵
・太刀 銘 来国次 重要文化財、個人蔵
・短刀 銘 光包(名物 乱光包) 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 来国長 重要文化財、恵林寺蔵(山梨)
・太刀 銘 守弘 重要美術品、福井県立歴史博物館蔵(福井)
・太刀 銘 藤嶋友重 重要美術品
・太刀 銘 了戒嘉元三年三月日 山城国住人九郎左(以下切) 重要文化財、熱田神宮蔵
・太刀 銘 国村 重要文化財、出光美術館蔵(東京)
・太刀 銘 国時 重要文化財、紀州東照宮蔵(和歌山)
・短刀 銘 長谷部国重 重要文化財、個人蔵
・短刀 銘 長谷部国信 藤原友吉 重要文化財、熱田神宮蔵
・短刀 銘 信国 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 信国 重要文化財、紀州東照宮蔵
・短刀 銘 平安城住光長 元享二年二月日 重要美術品、黒川古文化研究所蔵(兵庫)
・太刀 銘 吉則 重要文化財、榊山神社蔵(岐阜)
・短刀 銘 三条吉則作 重要美術品、香雪美術館蔵
・太刀 銘 三条弥太守家 寿福円満軍勝 重要美術品、個人蔵
・刀 額銘 来国光 切付銘 埋忠磨上之 重要文化財
・短刀 朱銘 元和二正宗 光徳(花押)(名物 朱判正宗) 個人蔵
・刀 金象嵌銘 本多美濃守所持 義弘本阿(花押)(名物 桑名江重要文化財
   他多数

≪感想≫
 とてもたくさんの刀剣が見られるのと、大規模な刀剣乱舞とのコラボは今後ないかもしれない展示だったと思います。所蔵場所を見るだけで全国から集まっているのがわかります。近ければ何回にも分けてじっくり見に行きたいものでしたが、今回は1回だけだったので一度に全部と向き合うには数が多すぎて難しかったです。
 今回は京のかたなということで山城の刀工の作品が中心でしたが、個人的には相州伝がとても好きなので羨ましく思い、同じように相模の刀工を中心にした展示を見たいなと思いました。


≪今回の一振≫
 国宝の来国光の短刀、有楽来国光です。山城の刀工では来派の刀が好みで、来国光の他の国宝の2つはそれぞれ見たことがありましたが、今回初めて有楽来国光を見ることができました。力強さと迫力を感じます。今回は会期が違って見られなかった新身来国光も今後展示で見られる機会があったら良いなと思いました。


 久しぶりに大包平が展示されるということで東博に行ってきました。前回展示されていたときはまだ刀剣の鑑賞を始める前で、見逃して残念だったので今回の展示がとてもうれしいです。

≪行った場所≫
○東京国立博物館
 久しぶりの東博です。最近は初めて見るものが少なくなっていましたが、まだまだ見ていないものがあるので、これからも展示情報に目が離せないです。今回は時間が少なくて1階の第14室の展示しか見ていないので、2階の4室についてはまた今度書こうと思います。

主な刀剣
・短刀 銘 (梵字)国広 鎌倉住人 元享四年十月三日、重要文化財
 初めて見ましたがとても好きな姿の刀だなと思いました。新籐五国光の直系なのでやはり同じ雰囲気だと感じられます。
・太刀 銘 備州長船盛光 応永廿三年八月日
・太刀 銘 備前国包平作(名物 大包平国宝
・太刀 銘 貞次 重要文化財
・短刀 銘 吉光(名物 岡山藤四郎
・太刀 銘 大和則長作 重要文化財
・太刀 銘 長光(号 大般若長光国宝
・太刀 銘 備州長船住兼光 観応□年八月日(名物 福島兼光重要文化財
・短刀 相州国光 重要文化財
 先ほど出てきた相州国広と比較して鑑賞すると楽しいです。また、吉光の短刀も今回出ているのでそれとも比較してみるとやはり似たところが見られておもしろいなと思いました。
・刀 切付銘 朝倉籠手切太刀也 天正三年十二月 右幕下御摺上大津伝十郎拝(以下切)(名物 籠手切正宗
・刀 銘 国広
・太刀 銘 宝寿
・刀 銘 貞享元年十月吉日 奥州岩城平住人(菊紋)根本和泉守藤原国虎
・脇指 (刻印・ナニワ)大慶直胤(花押)天保八年仲秋


≪感想≫
 刀剣の展示スペースが広くなって今回の相州国広の短刀もとてもよく見えました。東博のようにふらっと見に行けてたくさんの刀剣展示が見られる施設は本当にありがたいなと思います。


≪今回の一振≫
 今回は初めてみることができた大包平です。名前のとおり予想以上の大きさと迫力でした。展示ケースの関係で真横からも見えたのがとてもよかったです。刀は大きいほど写真で見たときと実物のギャップがすごいと思います。大きいと聞いてはいたけどこんなになのかという感想をもちます。長さもあって幅も広いですが重ねがそこまで厚くなく重くはなさそうだなと思いました。
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 今年も7日から始まった三島市のコラボスタンプラリーに行ってきました。初めて不動行光を見ることができてよかったです。

≪行った場所≫
○修善寺
 1日目は三島から足を延ばして修善寺に行きました。源氏ゆかりの地で、義経の兄・範頼と頼朝の息子・頼家の墓もあります。少し前に大河ドラマの「草燃える」を見ていたので楽しかったです。梅林には尾崎紅葉と高浜虚子の句碑がありました。まだ梅の時期ではないですが、すでにかなり蕾が大きくなっていました。富士山が見えたり景色がとても良い場所なので梅まつりの季節にはかなりの人が訪れるのではないでしょうか。

○三島プラザホテル
 昨年に引き続きこちらのホテルの名刀女子旅プランというコースで宿泊をしました。今年はホテルがスタンプラリーのポイントにもなっています。ホテルの夕食のデザートには、今回のコラボをイメージした、上杉家の家紋の雀、虎、梵字のデザインがちりばめられていました。ホテルの提携店であるカフェMeyciで同じデザインのクッキーとラテがいただけます。料理もおいしくてこういった宿泊施設とのコラボはもっとやってほしいなと思いました。

○楽寿園・三島市郷土資料館
 昨年と同じ時期なので園内はあまりじっくりと見ていませんがこの日はバザーのような出店がたくさんでていて賑わっていました。まったく違う季節に行くと池の水がたくさんある様子なども見られるのかなと思ったので、今度コラボ企画があるときには冬ではない時期だとうれしいです。

○三嶋大社
 今回も宝物館を見てきました。刀剣の展示は前回と同じものでしたが、コラボに合わせてか上杉家に関する書簡などがたくさん展示されていました。持ち主が個人蔵だったので気になっていたら、神主さんの家で代々千年以上も保管しているものだということで驚きました。

○Meyci
 三嶋大社目の前の大社の社内にあるカフェです。ホテルの宿泊でコラボメニューの引換券がいただけるので、昨年に引き続き行ってきました。お店の方と話したところ、コラボの企画は8月頃から出ていて、10月頃から本格的に動きだしたとのことです。オリジナルグッズの手ぬぐいには、今回のコラボ展示三振りに関する要素がこれでもかと盛り込まれています。

○佐野美術館
 12時頃に到着して待ち時間なしでした。展示列の進みはゆっくりなのでかなりじっくりと見ることができました。埼玉で見たのが2か月ほど前だったので、そこで見たのはすぐにわかったのが、ちゃんと展示を見られていたのかなとうれしくなりました。展示施設が変われば展示方法も違うので、すこし違った印象をうけました。
 今回もたくさんの刀剣を見られたので、今まで見ていないものを中心に紹介します。埼玉会場だけでなく以前刀剣博物館や江戸東京博物館で見たものもありました。記録をつけていると、こういったときにとても便利で助かります。埼玉会場での展示の記録はこちら
主な刀剣
・短刀 銘 行光(名物 不動行光)個人蔵
・大太刀 銘 備前国□□(倫光) 興国二年□□、重要文化財、上杉神社蔵(山形)
 以前江戸東京博物館で同じ倫光作の重文の大太刀を見ましたが、そちらは伝倫光作だったのでおそらく別物?ということでのせました。上杉神社は以前行ったときはそれほどたくさん展示はしていなかったのですが、いろいろなものを見かけるのでたくさん奉納されているんだなと思いました。
・大太刀 銘 備前長船盛重 文正元年二月日、上杉神社蔵
 大太刀で長さの割には重ねがうすくて変わっているなと感じます。
・短刀 銘 備州長船住景光 元享三年三月日(号 謙信景光国宝、埼玉県立歴史と民族の博物館蔵(埼玉)
 2年前に埼玉で見て、2か月前の埼玉会場ではレプリカの展示も見ました。彫り物が記憶のものより薄い印象を受けましたが刃文の華やかな様子がよくわかりました。
・太刀 銘 助宗、重要文化財、松岬神社蔵(山形)
 上杉神社のすぐ近くにある神社所蔵のだそうですが初めて見ました。地鉄のきれいさが好みです。拵えも意外とシンプルでいいなと思いました。細身ですが一文字らしさを感じます。
・短刀 銘 左、㈱ブレストシーブ蔵
 あまり見ることが多くない左の短刀なので見て小夜左文字を思い出しました。似ている気がするので並べて比べて見てみたいなと思いました。バラバラで見ると似ているように感じても、実際に比べてみるとあまり似ていないということも、よくある気がします。
・刀 無銘 郷義弘(号 穿鑿郷)個人蔵
 初めて聞く名前がついた郷です。今まであまりたくさん見てきていませんが、どれも刃文がぼんやりとした印象だったので、これはとてもきれいに感じました。
・短刀 銘 吉光(号 五虎退重要美術品、個人蔵
 すでに何回か見ていますが吉光の中でも好みなタイプの姿だと感じました。たまに全然違った印象を受ける吉光もありますが、見慣れていないだけなのかなとも思います。


≪感想≫
 興味のある刀剣をかなり見てきて、最近は遠くに見に行くことも減ってきたので、こういったコラボはまた行く機会になるので個人的にとてもうれしいです。佐野美術館はこれからも何かやってくれそうだなと思うので三島にはまた行く機会がありそうです。
 今回は帰りに熱海にも立ち寄りましたが、まだまだ三島周辺で行きたいところも多いのでいろいろな場所に行くきっかけにもなればうれしいです。

≪今回の一振≫
 今回は特別公開となった不動行光です。今まで所持者が不明で展示も全然されていなかったそうですが、こんな貴重な形で見られてとてもうれしいです。相州なので正宗や貞宗に似たところがあるのかなと見てみましたが、大きい短刀が多い正宗や貞宗よりも新籐五国光に近い姿でした。彫物が想像以上にがっつりと細かく大きく彫られているのに驚きました。展示を見る前に、大仏が好きなカフェの方から矜羯羅童子と制多迦童子についての話を聞いていたので、展示のときにじっくり観察できたのがよかったです。今後は定期的に展示がされるようになるといいなと思います。



上杉家の刀剣展示の埼玉会場に行ってきました。埼玉は前期と後期で展示内容が変わりますが、後期と静岡の三島会場での展示は重複しているものが多かったので、前期のうちに行ってきました。

《行った場所》
○埼玉県立歴史と民族の博物館
 2年前の同じ時期に謙信景光を見に行って以来です。上杉家ゆかりの品々の展示だったので、今まで見てきたものもありましたが、刀剣は数が多く豪華な展示で、見たことのない刀も思っていたより多かったので楽しく見られました。
主な刀剣
・大太刀 無銘 元重 重要文化財、上杉神社蔵
・長巻 無銘 片山一文字 重要文化財、上杉神社蔵
・太刀 銘 国綱 米沢市上杉博物館蔵
・三鈷柄剣 宮坂考古館蔵
・太刀 銘 吉家作 個人蔵
・太刀 銘 弘□ 重要文化財、東京国立博物館蔵
・脇指 銘 相模国住人広光 康安二年十月日(号 火車切重要美術品、佐野美術館蔵
・太刀 銘 豊後国行平作 重要文化財、佐野美術館蔵
・太刀 銘 長谷部国信(号 からかしわ)重要美術品、個人蔵
・大太刀 銘 越後国住行光作 天文二十三年二月吉日 上杉神社蔵
・刀 無銘 正宗(名物 大柿正宗)個人蔵
・太刀 無銘 国宗 重要美術品、林原美術館蔵
・太刀 銘 備州長船兼光 延文三年二月日 重要文化財、個人蔵
・太刀 銘 則包 個人蔵
・短刀 銘 安則(号 瓜実安則)個人蔵
・太刀 銘 長船 長光文永十一年十月廿五日(号 高瀬長光重要美術品、米沢市上杉博物館蔵
・短刀 銘 来国次 ㈱ブレストシーブ蔵
・刀 無銘 行光 個人蔵
・脇指 無銘 大進房 個人蔵
・刀 切付銘 備州長船兼光 大町甚右門尉磨上之 嘉吉二年八月日 中心有之(号 大町兼光重要美術品、個人蔵
・短刀 銘 備州長船住兼光 正慶元年十一月日 重要美術品、個人蔵
・太刀 銘 備前国長船住光長 建武五年八月日 重要美術品、個人蔵
・太刀 銘 長光 個人蔵
・短刀 銘 吉光(号 五虎退重要美術品、個人蔵


《感想》
 謙信景光の写は受付すぐの展示室前にあるので写真撮影もできます。今年は他の施設に貸し出しましたが、通常は毎年この時期にここで展示しているので、定期的に必ず見られるのはやはり良いなと思います。
 展示は解説が多く、そこまで混雑していないのもあってじっくり見ることができます。上杉家の流れに合わせて展示がしてあるのでわかりやすくてよかったです。刀剣台帳もたくさん展示していて、知っているものが見つかるとうれしくなります。
 常設展示では、国宝の景光景政の太刀が見られます。以前紹介したので省略しましたが、裏からも見られるので長い銘をじっくり見ると楽しいと思います。


《今回の一振》
 ブレストシーブ所蔵の来国次の短刀です。おそらく初めて見ました。肌のきれいさや直刃がとても好みの短刀です。埼玉会場でしか展示をしないようなので、次いつ見られるかわからないと思い、よく目に焼き付けておきました。来国次はそんなに多くはないのですが、名物や号もなく文化財登録もされていないと、次に見つけるのが大変になるのが残念だなと思います。

 高松に行くことになり、にっかり青江の展示期間がかぶっていたので、2年ぶりに丸亀を訪れました。今回も丸亀市とのコラボを行っていて大変盛り上がっていました。9月16日~10月1日までと短い期間だったので行くことができてよかったです。

《行った場所》
○石川うどん
 コラボの一環として、ニッカリスペシャルというてんぷらうどんセットを提供しています。たまたま開店時間の少し前で、観光案内所の方にオススメされたので行ってみました。開店直後からたくさん人が訪れてすぐに満席になっていました。運良くすぐに入って食べられたのでよかったです。うどんもてんぷらもおいしいのですが、コラボで付く海苔がうどんにとてもあっておいしかったです。普段でも食べたいと思いました。

○丸亀城
 お土産屋で販売している描きおろしイラストを使ったクリアファイルは売り切れていましたが、それ以外はまだありました。ポスターが箔押しなのがすごいです。
 丸亀城の入口では缶バッジを配布していました。行楽日和だったのでコラボ関係なく訪れている人も多くて賑わっていました。

○丸亀市資料館
 館内の展示数は多くないですが、ゆっくりと案内しているので長蛇の列になっていて驚きました。刀身が印刷されているチケットと拵が印刷されたチケットホルダーが、展示向きの関係で拵に納まるようにならないのが惜しいなと思いました。にっかり以外の青江派の刀も見られましたが、どれもとてもきれいに手入れされていてよかったです。
主な刀剣
・小太刀 銘 助次
・刀 無銘 伝恒次 重要刀剣
・刀 無銘 青江
・脇指 金象嵌銘 羽柴五郎左衛門尉長(名物 ニッカリ青江重要美術品



○金刀比羅宮宝物館
 初めて琴平に行きました。石段数は多いですが途中までお店が立ち並んでいたり、足場がとてもしっかりしているので、そこまで大変には感じませんでした。この日は石段マラソンが開催されていて、幅広い年齢層の方が参加されていました。
 宝物館は建物が歴史建造物になっていてとても良い雰囲気でした。展示物についての解説は少な目ですが、三十六歌仙の展示について詳しい解説がいただけてとてもよかったです。刀剣はたくさん所持しているようですが、今回は2振りだけでした。刀剣の企画展を開催したこともあるようなので、また見られたらいいなと思いました。
主な刀剣
・刀 銘 肥前国忠吉
・槍 無銘



《感想》
 2日間で丸亀・高松・琴平をまわったのでかなりタイトなスケジュールになりました。電車の本数も決して少なくはないのですが、たくさん周る旅行ではその微妙な調整が大変だと感じました。高松では文学館を見に行ったのですが、やはり時間が足りなかったです。香川は行きにくいとは感じませんが行くのに時間はかかってしまうので、欲張ってあちこち見たいとなるとやはり遠いなと思いました。
 丸亀は2年ぶりぐらいでしたが、丸亀城までの商店街のシャッターにいろいろなデザインが増えていました。旅行先の変化がわかるのはうれしい気持ちがします。次にいつ行くことになるかわかりませんが、もっといろいろな場所を見たいなと思いました。


《今回の一振》
 今回は重要刀剣の伝恒次の刀です。肌のきれいさがとても好みでした。全体のバランスもいいです。今回展示されていたものは、どれも本当に好みな刀だったので、数は多くありませんでしたが、解説も多くとても楽しい展示でした。






 一関市博物館で15日から開催の「新たな国民のたからー文化庁購入文化財展ー」に行ってきました。合わせて今まで行ったことのない周辺の観光地を見てきました。今回の展示は東日本大震災の復興支援企画ということもあり、岩手・宮城を楽しんできました。もっと時間があれば足をのばしたい場所もあったのでまた訪れたいです。

《行った場所》
○毛越寺
 最初に平泉に行きました。思っていたよりも一関と近いので行きやすくてよかったです。平泉は自転車で周りました。天気がとてもよかったのもありますが、どこも景色がよかったです。最初に行った毛越寺は景色がとてもきれいな大きな庭園のあるお寺です。たくさんあった建物は多くが焼失して今はほとんど史跡になっています。

○平泉文化遺産センター
 平泉の歴史について詳しく紹介している新しい造りの施設です。いつも観光で見る史跡は戦国時代が多いので建造物が残っていることが多いですが、平泉の場合はもっと前の時代だからなかなか残っていないんだなというのを感じました。展示を全部見てから最後にある芭蕉の句になぞらえて平泉を紹介している映像作品を見ると、平泉のことがとてもよくわかりました。

○中尊寺
 参道がかなり長く坂も急ですが、その分景色がとてもよかったです。博物館には奉納されているものなどが展示してあります。金色堂の構造をここで学んでから実物を見るという流れだったのでとてもわかりやすかったです。他にもいろいろな施設がありますが、一関市博物館に行くための電車の本数が少ないのもあってあまり見ることはできませんでした。

○一関市博物館
 土日パスでJRは乗り放題だったこともあり一関駅からバスで行きましたが、平泉からのバスで行ってもよさそうでした。博物館の近くには厳美渓という渓谷があります。渓谷というともっと山奥に行かないと見られないイメージだったので、なかなか見られない景色が見られてとてもきれいでよかったです。
 博物館では、受付で撮影するかどうかを聞かれ、名前を紙に書いたら撮影許可証をいただいたのでそれを首から下げていました。普段からかはわかりませんが、どこから来たのかも調査していました。人が集まる展示なんだと実感してもらえたらいいなと思います。受付でもらえる目録代わりの冊子は図録と言ってよいほどのすばらしいものでした。展示で読めるキャプションはすべて展示品の写真付きでのっています。さすが文化庁の発行したものだなと思いました。
主な刀剣
・短刀 銘 吉光(名物 博多藤四郎重要文化財
・太刀 銘 安綱 重要文化財
 平安らしい細身な姿で、控えめな小乱れの刃文が優美な感じです。肌が柔らかいから鍛えが大文様らしいのがわかりました。
・太刀 銘 久国 国宝
 すごく近くで見られるので、肌のきれいさがよくわかってすごいです。ずっと見ていたいと思いました。茎尻にある模様はなんの意味があるものなのかなと気になりました。
・刀 (金象嵌銘)正宗本阿(花押)本田中務所持(名物 中務正宗国宝
 すごく好きな刀だから至近距離で見られてうれしいです。肌や刃文を見てもやっぱり正宗が好きだなと思いました。銘の金象嵌が前に見た時よりもくっきりとして見えます。切先のほうに傷があってそれもよく見えるのがすごいです。
・太刀 銘 則重 重要文化財
・太刀 銘 正恒 国宝
 意外と幅広でどっしりした感じです。腰元の乱れと真ん中の小丁字がいいなと思いました。
・太刀 銘 正恒 重要文化財
 同じ正恒でも上のとは印象がだいぶ違います。正恒の刀はけっこう数を見ていますがあまりこんな刀ってイメージがなくいろいろな姿がある気がします。
・太刀 銘 包永 重要文化財
 この包永も銘ぎりぎりまで茎が短くなっていて、他の刀も短くされているのは同じなのに、なんで包永はどれも同じように短くされているのかすごく気になります。たぶん今まで見た包永はほとんど茎尻に銘がある状態なんじゃないでしょうか。
・刀 銘 繁慶 重要文化財
 銘の字がかわいい丸文字でなごみました。かなりの幅広な姿で地景がすごいです。うねってるのがよくわかります。
・刀 銘 於南紀重国造之 重要文化財
 肌がほわっとしていてきれいだなと思いました。何度か見たことのある刀工の刀だけどこんなに相州っぽいと感じたことはなかったと思います。


○松島
 昔行ったことがあるようですが記憶にない頃だったので初めて行った気分でした。島は近場にしかないと思っていたので思っていた以上に遠くまで広がっていで驚きました。やはりすごい景色だなと思いました。朝早くに行ったので思っていたより混んでいなくてよかったです。

○瑞巌寺
 本堂はとても大きく、襖絵がいろいろな様式の絵が描かれていてとても豪華でした。本堂意外にもたくさんの建物がありますが、どれも外観だけでもとても重厚で立派でした。宝物館もたくさんの展示品がありおもしろかったです。
主な刀剣
・大脇差 銘 富田大和守安定作 明暦元年 宮城県指定文化財

○みちのく伊達政宗歴史館
 伊達政宗の一生を蝋人形で展示しています。文章の解説もかなり多く見ごたえがありました。宮城や岩手ゆかりの人物に関する著名人も蝋人形で展示しているのですが、文豪が多く著書も一緒に展示しているのがとても楽しかったです。

○鹽竈神社
 西塩釜駅からはきれいに整備されていて歩きやすい道でした。参道は坂がゆるやかな道と急な階段がありますが、行きはゆるやかなほう、帰りは表参道の階段を降りました。広々とした境内でお祭りの準備が行われていました。行った次の日の海の日がお祭りだったようです。宝物館は1階にたくさんの刀剣を展示していました。今回は県指定の文化財を特集展示していました。
主な刀剣
・太刀 銘 雲生 重要文化財
・太刀 銘 安倫 宮城県指定文化財
・太刀 銘 包蔵 宮城県指定文化財
・太刀 銘 家定 宮城県指定文化財
・刀 銘 明和五戌子歳十二月 所願成就所 古田舎人源良智包幸
・太刀 銘 兼次 宮城県指定文化財
・太刀 銘 国包 天保十三歳八月日 宮城県指定文化財
・刀 銘 月山金利
      他多数


《感想》
 一関市博物館の展示がとても豪華で鑑賞もしやすかったのでぜひたくさんの人に行ってもらいたいです。今回は行きたかった観光地にも行けました。調べているうちに他にも行きたいところが出てきたので東北の他の場所もまた行きたいです。いろいろな場所で刀剣の展示があるといいなと思います。

《今回の一振》
 今回は旅行の目的でもあった博多藤四郎です。刀剣博物館が所蔵していると聞いていたのでいつか見られないかなと思っていましたが、岩手で見られるとは思っていませんでした。今後また定期的にどこかで展示してくれるとうれしいです。
 吉光の短刀の中ではちょっと大きめなほうに感じました。展示の仕方がとても見やすいので、解説でやや大肌といっている切先のあたりの肌がよくわかります。吉光の刀を見るといつも思いますが、まさに吉光の刀という姿をしているなと感じました。
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 都内で現在見られる刀剣の展示をいろいろ行ってきました。刀以外の展示もたくさん見られて楽しかったです。

《行った場所》
○サントリー美術館
 六本木駅の東京ミッドタウンの3階にある美術館です。知ってはいましたが初めて行きました。
 今回は手箱を中心とした展示に、その中に収められていたもの、箱に描かれた模様、手箱と同じように宝として扱われた神宝などが展示されていました。熱田神宮所蔵のものもたくさんありましたが、今まであまり見たことがない類の展示品でおもしろかったです。
主な刀剣
・太刀 銘 光忠 重要文化財、出雲大社蔵(島根県)
 身幅はあまり広くなく、どちらかというと細めでバランスの良い刀です。銘は茎尻のところにしっかりと見られました。刃文は派手すぎず全体的に上品さが感じられる姿の刀です。


○泉屋博古館分館
 同じく六本木にある博物館で、住友財閥のコレクションを展示する施設です。以前は三井記念美術館に行きましたが、都内のこういった施設は刀剣の展示を見に行き始めるまではまったく無縁の場所だっただけに、行くたびに新しい世界を知ったような気がしておもしろいです。
 今回は兵庫県の黒川古文化研究所の刀剣も展示されていますが、前回行ったときには見られなかった刀も多かったのでとてもよかったです。いつもは所蔵刀剣以外のものについて所蔵施設を書くのですが、今回は黒川古文化研究所蔵のものがほとんどなので、泉屋博古館蔵の刀剣のみ、そのように書きます。
主な刀剣
・太刀 銘 守家造 泉屋博古館蔵(東京)
 鎺がとてもおしゃれで見入ってしまいました。
・刀 銘 慶長九年十一月吉日 信濃守国広作 依賀茂祝重邦所望打之 重要文化財
・刀 無銘 伝来国光 
 肌やバランスなどがとても好みな姿です。
・太刀 銘 大和則長作 重要文化財
 解説の砂流しがわかりやくよく見えました。打ちのけもはっきりわかります。
・太刀 銘 為清 
・太刀 銘 国友 
・太刀 銘 国光 重要文化財
・短刀 銘 吉光 
・短刀 銘 来国俊 国宝
 振袖形の茎がすごく特徴的です。隣に展示してある吉光の短刀と比べて無骨な印象をうけました。
・短刀 銘 来国光
・太刀 銘 包平
 包平の刀をあまり見たことがなかったので、ちょっと意外な姿に感じました。早く東博で大包平が見られるといいなと思います。
・太刀 銘 正恒
・太刀 無銘 菊御作 重要文化財
・太刀 銘 宗吉作
・太刀 銘 一 重要文化財
・太刀 銘 国宗
・太刀 銘 真守
・太刀 銘 備前国長船住景光 □□元年□月日 重要文化財
・短刀 銘 備州長船兼光 延文三年卯月日 泉屋博古館蔵
・太刀 銘 備州住長船康光 泉屋博古館蔵
・短刀 銘 備州長船賀光 文明十七年八月日 泉屋博古館蔵
 初めて見る名前です。両刃造りの短刀ということでとてもおもしろい姿をしています。
・太刀 銘 包次 重要文化財
 こちらもかなり独特な姿をしてるなと思いました。
・太刀 銘 守恒
・短刀 銘 鎌倉住新籐五国光 法名光心 正和二二年□月十日
 以前黒川古文化研究所に行ったときにも見ましたが、とても好きです。まっすぐな刃文を見てると心が洗われるような気がします。
・刀 無銘 伝行光 重要文化財
・刀 無銘 伝行光 重要文化財
・刀 無銘 伝当麻
・刀 無銘 伝長谷部国重 重要文化財
 すごく大きくてびっくりしました。いかにも大太刀を摺り上げたような姿です。
・短刀 無銘 貞宗(名物 伏見貞宗国宝
 以前も見ましたがやはり上品さが素敵です。貞宗の短刀を久しぶりに見たからか、こんなに大きかったかなと記憶との差もありました。
・脇指 無銘 郷義弘(名物 籠手切郷
         他多数

《感想》
 2つの施設が思っていたより近くにありました。今回は暑かったのもあり電車で行きましたが歩いて行ける距離です。どちらも刀専用の施設でないにもかかわらずとても見やすい展示で良かったです。都内にたくさんある美術館は、刀剣を所蔵していてもあまり展示する機会が多くないので、こういったチャンスは逃さず見に行きたいなと思います。


《今回の一振》
 今回は行光の刀です。2振あってかなり作風が違いますが、後に展示されている26番のものがとても好みの刀でした。行光自体あまり見る機会が多くないので新鮮でよかったです。25番はどことなく正宗を彷彿とさせましたが、26番は比べるとかなり細身で上品さがありました。


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